ソウル市が、韓国IT大手ネイバーの研究開発(R&D)組織ネイバーラボ(NAVER LABS)と「交通弱者・タルンイ(ソウル市営自転車シェアリング)向けのルート検索サービス」を開発することで業務提携を締結した。市内において、交通弱者のモビリティ向上や環境にやさしい乗り物である自転車の利用率を高めるためだ。
従来の乗り換え案内は、到着時刻順または乗り換え回数順で検索結果が得られるだけで、主に健常者を想定したサービスである一方、「交通弱者向けルート検索・ナビゲーション」サービスは、いくつかの経路の中で、交通弱者に最も適したバリアフリー経路が表示される。開発予定のこの新しいサービスを利用することで、高齢者や身体障害者及びベビーカーまたは子連れの利用者、荷物を持った観光客まで、より安全で楽な経路が選べられる。
サービス開発のため、ソウル市はネイバーラボに対し、駅内のエレベーターやエスカレーターの位置情報、ノンステップバスの運営情報、市営バスの混雑度をリアルタイムで測定したデータ等を提供する。ネイバーラボはこれを使って駅の構内図を製作し、バリアフリー経路を従来のルート検索サービスに追加して一般に提供する予定だ。
さらに、この新しい検索サービスには、ソウル市が運営する自転車シェアリング「タルンイ」を利用したルートまで選択肢に入れて検索できるという。目的地が比較的近い場合、徒歩及びタルンイを利用したルートを検索結果として表示する。目的地がある程度離れた場所だと公共交通機関にタルンイを交えたルートが表示される。
このサービスの開発に先立ち、ソウル市とネイバーラボは先月22日ソウル市役所で業務提携を結び、ソウル市のモビリティ向上に向けたサービス開発に力を合わせることにした。
ソウル市都市交通本部長のコ・ホンソク氏は、「高齢化社会の到来やライフスタイルの変化等により、モビリティをめぐる市民のニーズもますます多様化している。今後もソウル市が保有する公共データーと民間部門の技術力を結び付けることで、多様化する市民のニーズに応えていくよう邁進して参りたい」と述べた。