- 昨年のテスト運営用29台に114台を追加、合わせて143台を年内に本格導入
- 非営業用車両よりも優れた大気汚染改善効果、快適な乗り心地で乗客や運転手の疲労感を軽減
- 電気バスの運行路線を3つから最大19つに拡大
ソウル市が、年内に市内で電気バス114台を追加運営すると発表した。2018年に実施した29台の電気バスの普及テスト事業に続き、11月から電気バスの台数を増やし、年内に運行台数を143台まで拡大する予定だ。
電気バスは、走行時に大気汚染物質を排出しないため、CNGバスより環境にやさしい交通手段として評価されている。特に、バス1台あたり一日平均229kmの長距離を走行するため、一般乗用車に比べ大気汚染物質や温室効果ガスの排出を低減でき、大気環境の改善効果が大きいとされている。
また、電気バスは騒音や振動が少ないため乗り心地もよく、乗客のみならず運輸従事者の疲労も最小限に抑えられる。ソウル市は、市内を走行するすべてのノンステップバスを電気バスに置き換え、交通弱者の利便性向上にも貢献したい考え。さらに市は、2025年までに電気バスを含む環境配慮型の市内バスを約3千台まで引き上げることも計画している。
今年追加導入される電気バスは、従来の3路線(1711番、3413番、6514番)から最大19路線に拡大される。導入路線については、バス会社の成果評価と、充電設備やグリーン交通地域における運行の有無などを総合的に判断し決定した。現在運営中の1711番、6514番の路線には追加分のバスが投入される。
さらにソウル市は、電気バスの標準モデルを構築のうえ当該条件を満たす車両を導入し、安定的な電気バスの運営環境を整える方針だ。電気バスの標準モデルには、車両性能(バッテリー容量、充填速度、電力量消費率、保証期間など)、車両構造(座席数、交通弱者用便宜施設など)、アフターサービスの迅速性などの内容が含まれている。標準条件を満たした車両を対象に、専門知識を備えたソウル特別市バス運送事業組合(以下、「事業組合」)の主管でテストを行い、標準モデルに対応しているかを検証し導入車両を決める計画だ。
ソウル市は電気バスを追加導入するにあたり、1台につき最大2億ウォン(国費5:市費5、ノンステップバス導入補助金を含めると最大2.92億ウォン)を、また、充電インフラの構築に向け、1機あたり5千万ウォンを充電施設の設置費用として支援する。
ソウル市都市交通室のファン・ボヒョン室長は「エコバスの導入は、大気汚染防止とバスの高級化による利便性の向上という2つの効果をもたらすと期待される」とし、「快適で便利な公共交通環境づくりと大気質の改善に向け、より環境にやさしい車両の普及に引き続き注力したい」と話す。