- オ・セフン市長、2026年までソウルの自律走行都市TOP5入りを果す…1487億ウォンの投入、インフラ構築・サービスの導入も
- 上岩を含め江南、汝矣島、麻谷などへと営業用自律走行車の拠点を拡大…江南はロボタクシー(レベル4)の運行を開始
- 2022年4月、清渓川一帯で都心循環型自律走行バスを運行、2025年に公共サービスに自律走行車を導入
- 2023年から弘大~興仁之門、深夜バス路線の新設を皮切りに、2026年まで公共交通手段として定着
- 2027年の自律走行車の一般販売開始と合わせ、2026年までソウル全道路に自律走行インフラを構築
オ・セフンソウル市長は「ソウル自律走行ビジョン2030」を発表し、市民の暮らしと都市空間を変える自律走行の未来像を提示し、2026年までソウル全域に関連インフラを構築すると明らかにした。2022年から2026年まで5年間1487億ウォンを投入する方針だ。
初の「自律走行テスト地区」に指定され、最先端技術の実証やインフラ構築に取り掛かってきた上岩(サンアム)で、11月末から自律走行車が運行される。1ヵ月間の無料運行後、有料運送が始まる。上岩に続き、江南(カンナム)(2022年)、汝矣島(ヨイド)(2023年)、麻谷(マゴク)(2024年)なども「自律走行テスト地区」になるなど、運行拠点が徐々に拡大される予定だ。特に、江南地域は来年初からレベル4水準のロボタクシー(無人自律走行タクシー)が走るなど、スピーディーに常用化段階に入る。
来年4月には、清渓川(チョンゲチョン)で都心循環型自律走行バスが走る。このバスは、清渓川一帯~景福宮(キョンボックン)~昌慶宮(チャンギョングン)~広蔵(クァンジャン)市場~東大門(トンデムン)などをつなぐ移動手段かつ観光手段としてより多くの市民に自律走行車を経験してもらう機会を提供する。
2023年には自律走行路線バス(弘大(ホンデ)~鐘閣(チョンガク)~興仁之門(フンインジムン))のテスト運行をスタートし、2026年まで自律走行バスを公共交通手段として定着させる。2025年からはパトロール、清掃、除雪など都市管理関連公共サービスにも自律走行車が導入される。2027年を予定している自律走行車(レベル4)の一般販売に先立ち、2026年までソウル全域に関連インフラを構築し、完全自律走行時代を切り開く。
ソウル市は、2026年までソウル市内にある2車線以上の全ての道路に、自律走行インフラを整えると同時に、市民が生活の中でも利用できる関連サービスを段階的に導入し、世界自律走行都市TOP5入りを目指す。2030年には世界TOP3入りに向け、都市競争力をより高めていく考え。
市はこれまで自律走行都市を実現するため、信号体系や道路精密地図の整備など、インフラの構築や技術の実証、安全運行に向けた環境づくりに集中してきたが、これからは市民の交通手段としての自律走行車が道路を走り、これが一般に定着できるよう段階的な投資を続けていく計画。
自律走行が伴う未来都市ソウルは、単に人を運転から解放することではなく、免許の有無や老若男女を問わず、すべての市民が24時間差別のない移動権を保障されるという点で大きな意味をもつとソウル市は説明する。また、車両と駐車場の需要が減少することから従来の車道の3割を歩道に転換し、ソウルの都市空間を歩行中心に再創出できると思われる。
「ソウル自律走行ビジョン2030」は次の5大課題を中心に推進される。具体的には、①自律走行車の拠点(自律走行車テスト地区)の拡大および移動サービスの常用化 ②清渓川一帯を中心に行われる自律走行バスの運行 ③公共交通手段としての自律走行バスの定着 ④公共サービス分野に自律走行車をベースとした都市管理システムを導入 ⑤ソウル市全域に自律走行関連インフラを構築することがその課題である。
第一に、旅客・貨物の有料運送ができる「自律走行テスト地区」を、2020年上岩を皮切りに、江南(2022年)、汝矣島(2023年)、麻谷(2024年)などへと段階的に拡大し、2026年まで300台以上の自律走行車関連サービスを提供する。
そのスタートとして、11月末からスマホで車を呼ぶ「需要応答型自律走行車」など6台が上岩で有料運行を始める予定。DMC駅と住宅地・オフィス街・公園をつなぐ路線が運営される。1ヵ月間の無料運行後、2022年1月中に有料運行に切り替える。市は2026年まで上岩一帯だけで自律走行車を50台以上に拡大する計画だ。
来年初には江南一帯を「自律走行車テスト地区」に指定し、民間業者と共に出発地と目的地をスマホで選択し車を呼ぶ「ロボタクシー」を運行する(10台以上)。2026年までは江南内を走る自律走行バスとロボタクシーを100台以上に増車する方針だ。
第二に、年間4千万人が訪れる清渓川で、早ければ来年4月から都心循環型自律走行バスを運行する。国内技術で製作した未来型自律走行バス2台をテスト運行し、次第に台数を増やす。運行区間は清渓広場から清渓5街までの4.8キロを往復する。
第三に、2026年まで自律走行バスを公共交通手段として定着させるために、2023年から自律走行路線バスをテスト運行する。乗用車に先立ち、公共交通分野から自律走行を早期に常用化させ、夜間にも移動しやすくする計画だ。
第四に、2024年から都市管理における公共サービスにも自律走行技術を導入する。清掃員など労働者の運転負担を軽減することで、業務疲労を下げる一方、効率は上げられると思われる。
2024年から、現在実証中であるパトロールや清掃分野に自律走行車を導入し、2025年には技術発展と連携し、自律除雪車の実証を始める。2026年まで50台以上の自律走行車を公共サービス分野に導入・活用して市民安全を確保するとともにキレイな都市をつくっていく。
第五に、2027年から全国の主な道路で走る自律走行車(レベル4)の一般販売開始と連携し、2026年までソウル市内2車線以上の道路に関連インフラを構築する。2車線以上の全ての道路(4291ヵ所、延べ8240キロ)の交通信号情報を自律走行車にリアルタイムで提供できるインフラを整備する。
自律走行のキーインフラである精密道路地図を制作し、道路陥没、工事、集会など道路上の突発事故や危険をリアルタイムで地図に反映するオープンプラットフォームも構築する。
市は、先制的かつきめ細かなインフラ投資を通じて安全な環境を整備し、多様なグローバル企業がソウルに来て自律走行技術をテスト・完成する「開かれたテストベッドシティー」にしていきたいと意気込んでいる。
一方、自律走行車の常用化は市の努力だけでは実現できないため、企業・大学・研究機関など自律走行と関係のある産学官民の協議体を立ち上げ、事業推進の妨げを克服し、常用化を早期に達成する目標だ。
専門家・市民団体関係者を中心に発足した「ソウル自律走行自動車テスト運行地区運営委員会(2021年10月)」と、現代自動車・SK Telecom・ソウル大など28の企業、大学、研究機関が参加する「ソウル自律走行協議体(2019年9月)を、「ソウル自律走行ガバナンス」に統合して運営する。
オ・セフンソウル市長「2030年、ソウル市は自律走行が伴う未来都市になる。抜け目ない準備でソウルの競争力を高めていきたい。自律走行インフラをソウル全域に拡大することで、2026年までソウルを自律走行都市TOP5のひとつにしてみせたい」としながら「2030年ソウルは、差別なき自由な移動権が保障される都市、交通事故のない安全な都市、自動車数の減少でもっと快適になった都市、歩行者や自転車、物流ロボットが道路を共有する都市、自律走行のスタンダード都市として記憶されるだろう」と語った。