1日平均700万人の市民が利用するソウル地下鉄では、今後、目に見えない不安要素まで解消すべく綿密な対策を行う。「地下鉄の空気質」を画期的に改善するため、旧型の砂利線路を粉塵が発生しにくい「コンクリート」へと改良し、プラットホームの下部には韓国で初めて「強制排気設備」を導入する。
また、毎日多くの乗客が利用しているゲートの入口の床面に「PM2.5吸着マット」を設置するほか、乗客が駅舎内の空気質を自ら確認し、安心して利用できるよう、「屋内空気質管理総合情報網(韓国語、www.inair.or.kr)」を通じてプラットホームや待合室のPM2.5濃度を市民に公開する。
ソウル交通公社は、これらの内容を中心とした「地下鉄の超微小粒子状物質総合対策」を策定したと発表した。2024年から3年間にわたり、空気質の改善に向けて毎年1,000億ウォンずつ合計3,000億ウォンを投入する予定で、▴トンネル、▴プラットホーム、▴待合室など、各地点におけるPM2.5の発生原因に応じて「カスタマイズ型改善」することが中心となる。
公社は現在、平均38.8㎍/㎥程度であるソウル地下駅舎のPM2.5濃度を、2026年までに法的管理基準値の50㎍/㎥よりも36%低い32㎍/㎥以下へと引き下げることを目指して集中的な管理に取り組む。
本対策は、従来は部分的な設備修繕にとどまっていた地下鉄の空気室管理を、今後は駅舎内の空気室に影響を及ぼす全ての設備を対象にして包括的な改善に取り組むことで、トンネル~プラットホーム~待合室における空気循環の全過程を改良・高度化することを主眼としている。
▴PM2.5吸着マットの設置例(スユ駅のテストベッド)
▲ 砂利道床
▲ コンクリート道床
▲ 線路の水洗い
▲ 汚泥の浚渫
▲ 改良された空調設備
▲ 天井の空気通路の洗浄
▲ プラットホームの強制排気設備