ソウル市は、これまで外国人がソウルを観光する時、わかりにくくて大変不便だと訴えていたソウル市内の案内標識を韓国語・日本語・英語・中国語の4ヶ国語で表記する。それと共に、場所によって異なっていた表記方式やデザインを標準化するなど外国人観光客の利便性の向上を図る。
同市は、ソウル市全域にある案内標識(計約50種類、144,134基)を2016年までに総合整備するという内容の「ソウル市案内標識総合改善計画」を打ち立て、今年から徐々に推進していく計画だ。また観光案内標識がより必要な地域には民間広告を誘致するなどで新しく設置したり、外国語による交通案内放送を拡大するなど関連インフラの拡充も並行して行う。
同市は、道路、車道、交通要所などにある計80,888基の案内標識を今年中に整備することを目標に、まず5大観光特区(明洞(ミョンドン)、鐘路(チョンノ)、東大門(トンデムン)、蚕室(チャムシル)、梨泰院(イテウォン))および北村(プクチョン)韓屋村、南山(ナムサン)公園など外国人観光客に人気のある地域を優先的に交換する。
2011年に実施した外来観光客実態調査結果(韓国観光公社)によると、外国人観光客が不便に感じる事柄の中で案内標識は2位であった。特に観光客の65%を占める外国人個人旅行者の不満が最も多かった。
「ソウル市案内標識総合改善計画」の3大要点は、①4ヵ国語を原則とした整備、②外国語表記基準の標準化、③デザインの標準化である。
外国人が理解しやすいように英語は意味も併記する。例えば南山の場合は「Namsan(Mountain)」、漢江(ハンガン)の場合は「Hangang(River)」と表記する。また中国語は「簡体字」で、日本語は「カタカナ」で表記することを原則とする。
さらに同市は、計54,594の単語を収録した「オンライン表記辞典」を製作して運営する。2013年6月までに統合ウェブサイトを構築して外国人をはじめ、市民にも開放する予定だ。
バス停に設置してある路線図の下の部分に、路線別主要観光地案内シールを付着し、各バス停ごとに周辺観光地を一目で確認できるようにする。
外国語案内マニュアルを製作し、これをすべてのタクシー(計72,2633台)の内部に配置して正確な観光情報を得られるようにする。またタクシー乗り場のポールサインにも外国語案内シールを付着し、位置や情報を手軽に把握できるようにする。
これに加えて今年は、外国語案内放送を地下鉄駅27ヵ所およびバス停33ヵ所の計60ヵ所にも拡大設置し、区間距離が短い場所は2~3ヵ国のみ録音・放送する。
この他にも、ソウル市ホームページに「オンライン案内標識苦情申告」メニューを新しく開設し、国内居住外国人留学生約40人(中国人約20人、日本人約20人)で構成した「外国人モニター」を運営するなど、オン・オフラインで意見を収集しながら持続的な現地モニターおよび改善を推進するためのフィードバックシステムを稼動する。「外国人モニター」は、主要観光地など外国人観光客の密集地域周辺の案内標識や民間施設に関する各標識、飲食店、案内放送、公共交通機関などを週1回以上直接点検しながら今年の末まで活動する。