- 国内初の鉄道事業者によるキャラクターグッズが実店舗・モバイルから購入可能
- 著作権料が新たな収益源になると期待、経営難の克服に期待
ソウル交通公社(以下、公社)は、公社の公式キャラクター「トタ」の商品販売ライセンス契約を行い、本格的なキャラクター商品の販売に乗り出す。
「トタ」は2017年、公社の統合を機に新たに誕生した公社の公式キャラクターだ。「トタ」という名前には「また(ト)乗りたい(タ)ソウル地下鉄」という意味が込められており、電動車を横から見た姿を可愛らしく表現している。
▲公式キャラクター「トタ」(右は地下鉄内での活用例)
公社によると、韓国コンテンツ振興院が「歴代我が町キャラクター大賞」受賞作の商品化協力事業に参加し、最終的におもちゃ販売の「トイザラス」案内端末(キオスク)を運営する(株)Moddlabと契約した。版元となった企業は「トタ」のグッズを販売し、公社は商品販売価格の10%を使用料として受け取る。
販売されるのは、スマートフォンのケースなど携帯電話アクセサリーやTシャツなどの服、クッション、小物など様々だ。商品はトイザラスの店内にある案内端末や携帯電話のアプリ、ウェブサイトから購入でき、購入者の好みに合わせて商品をデコレーションできるのが特徴だ。価格は1万ウォン台中盤(Tシャツ・スマートフォンのカバー基準)が中心だ。
▲商品の例(左からスマートフォンのケース、Tシャツ、クッション)
▲トタのキャラクター入り商品を自由にデザインできる
公社はこれまで、公式キャラクターをオリジナル記念品や地下鉄の広報用に活用してきたが、販売用の商品として考慮したことはなかった。公社の前身であるソウルメトロ・ソウル都市鉄道公社も公式キャラクターを保有していたが、やはり商品化されたことはなかった。
▲ソウルメトロの「地下鉄の妖精(左)」、ソウル都市鉄道公社の「セクミ(右)」
ところが、今年4月、光化門(クァンファムン)駅でトタのぬいぐるみやエコバッグなどの一部商品をサプライズ販売したところ、行列ができるほどの人気を博し、わずか2時間でぬいぐるみ60個、エコバッグ80個が完売。キャラクターグッズの可能性が示されたことで、常時販売に踏み切った。
公社は今年4月1日、地下鉄での無賃乗車に対する政府支援の必要性を訴えるイベントを地下鉄5号線の光化門駅で開催し、公社の厳しい財政状況を知らせるべくキャラクターグッズを限定販売した経緯がある。
▲4月1日に販売されたぬいぐるみ(左)とグッズを求める人々の行列(中央・右)
国内の鉄道業界では、韓国鉄道公社が自社のキャラクターを活用したぬいぐるみやおもちゃなどを販売したことはあったが、鉄道事業者がキャラクターグッズを販売するのは今回が初めてだ。日本など海外ではすでに鉄道事業者が独自にキャラクターを制作し、グッズを開発、鉄道マニアなどを対象に活発な販売を行い、収益を上げている。
ソウル交通公社のチョン・ソニン広報室長は「4月1日の『トタ』グッズ販売が大好評を得て、今回、キャラクターグッズの販売を推進することになった」としながら「皆様に愛される様々な商品を開発するべく、販売と並行してお客様の声をヒアリングしていく。深刻な財政難を打開するための自助努力の一環であるため、ぜひとも多くの方にご購入いただきたい」と語った。