「ソウル」に格別な愛情を抱いており、文化・経済・科学技術など様々な分野においてソウルの存在感を高めた16か国・18名の外国人が、「ソウル名誉市民」として選定された。名誉市民として選ばれた者には、ハンガン(漢江)の水の色をベースカラーにしてソウルの過去・現在・未来をつなぐモチーフを造形的にデザインした記念メダルやストール、名誉市民証書が授与された。
流暢な韓国語とウィットに富んだ話術で「インドおじさん」として知られるタレントのグプタ・アビシェク(ラッキー)(Gupta Abhishek(Lucky)、インド)氏は、2022年の名誉市民の代表として受賞の挨拶を述べた。ラッキー氏は、YouTubeチャンネル「354」など様々なオンライン・オフラインプラットフォームを通じて、ソウルと韓国の魅力を世界に広く発信するとともに、コンテンツの広告収入を家出青少年と生活に困難をきたしている児童のために寄付するなど、活発なPRと社会貢献活動を続けている。
特に、今回の「ソウル市名誉市民」には、脱北者・移住者・多文化家庭の子女など、社会的弱者のための地道なボランティア活動と寄付の実践により、隣人に慰めや励ましを与えている人々が多く選ばれた。ケイシー・ラルティーグ(Casey Lartigue Jr、アメリカ)氏は、NPO「北韓離脱住民グローバル教育センター(FSI)」を設立して、外来語の使用に困難を感じる脱北者をサポートし、北朝鮮における人権問題の現状について海外に発信するなど、脱北者に対する差別や偏見の解消を目指した取り組みを行っている。
ソウルや韓国の多彩な文化と歴史の魅力を世界に発信することで、ソウルと世界をつなぐ懸け橋となった人々も目を引く。クルード・アルアラウィ(Khaloud Alalawi、アラブ首長国連邦)氏は、駐アラブ首長国連邦韓国文化院が開院(2016年3月)するよりも前の2009年から、アラブ首長国連邦で韓国に親しむコミュニティ(UAE loves Korea)をつくり、韓国やソウルへの愛情を育んできた。
一方、世界で最も影響力のある上位1%の研究者として選定されたカーン・ムハマド(Khan Muhammad、パキスタン)氏は、市民の安全に関する新技術を開発し特許権を取得するなど、科学技術水準の向上に貢献したことが認められ、名誉市民に選ばれた。
また、経済分野においても、外国人投資の誘致ならびに二者間・多者間企業交流の活性化のために積極的に寄与したソウル在住の企業家や法律家などが、名誉市民として選ばれている。
「ソウル市名誉市民証」の授与対象者は、ソウル市に連続して3年以上在住または在住期間の合計が5年以上である者の中から、各国の大使館や公共機関・団体の長、社会団体の長、またはソウル市民30人以上の連署などにより候補者として推薦を受け、功績審査を経て、ソウル特別市議会の同意を得て最終選定される。