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プレスリリース

  • ソウルの市内バス準公営制度20周年を迎え改革を実施財政・公共性・路線を全面的改善

  • プレスリリース SMG 67
    • [財政改革] 財政支援方式を再編し、市の財政負担を軽減…運輸会社による自発的な経営改革を誘導
    • [公共性改革] 民間資本の参入における厳格な基準を策定・過剰な利益を追求できない構造を確立
    • [サービス改革] 道路の急カーブを改善、長距離・重複路線を廃止、自動運転バス導入
    • オ市長「ソウル市内バスを改革し、市民の満足度向上・世界最高水準の交通福祉都市を実現する」

    ソウル市は、市民の日常生活と密接な関わりのある公共交通機関であり、市民の足でもある「ソウル市内バス」の準公営制度の施行20周年を迎え、「財政」、「公共性」、「サービス」3大分野を改革すると発表した。「世界最高水準の交通福祉都市ソウル」を目指して一歩踏み出す。

    市内バス運送事業収支における赤字(収入から必要経費を差し引いた額)全額を市が補填していた「事後精算」方策を、予め決められた上限額以内で補填する「事前確定制度」に切り替え、財政支援構造を改善。厳格な基準を設け、準公営制度の趣旨を尊重する健全な民間資本のみを参入させる。また、公共交通の利用において、誰一人取り残される市民がいないように、徒歩5分以内に利用できる「公共交通アクセス勢力圏」(以下「公勢圏」)の実現に向けて、バス路線も利用者中心の観点から20年ぶりに全面再編する。

    <準公営制度施行から20年、「財政」「公共性」「サービス」の3大分野における改革策打ち出す>

    ソウル市は、世界最高水準の交通福祉都市ソウルの実現に向けた「市内バス準公営制度20周年改革策」を発表した。

    現在、ソウル市内バスは、運営方式とサービス面で世界最高水準であると認められている。ニューヨーク・ロンドン・パリなどグローバル都市の中で、1日運行距離1位、人口対比バスの数2位に上るなど、供給率が高く、交通費の負担も統合乗換割引が適用されるため、もっとも低い水準である。また、バス利用者の満足度も毎年右肩上がりである。

    人口対比バスの数

    人口対比バスの数
    都市 パリ ソウル シンガポール ロンドン ニューヨーク トロント チューリッヒ 東京
    人口対比バスの数(台/万人) 39.05 9.59 9.48 8.87 7.13 7.04 1.79 1.50

    バス料金

    バス料金
    都市 香港 シンガポール ソウル 東京 ロンドン パリ ニューヨーク トロント コペンハーゲン
    バス料金 (ウォン) 766 1,453 1,500 1,861 2,956 3,041 3,865 4,465 4,651

    ※ 乗換割引があるため実質的な交通費負担を最低水準

    年度別市内バス満足度

    (単位:点)

    年度別市内バス満足度
    年度 ’04 ’07 …. ’11 ’12 ’13 ’14 ’15 ’16 ’17 ’18 ’19 ’20 ’21 ’22 ’23
    満足度 59.2 71.18 …. 74.26 74.30 78.10 79.24 80.09 80.79 81.02 81.24 81.84 82.02 83.44 83.68 83.93

    ①財政改革:財政支援方式を再編、市の財政負担を軽減…運輸会社による自発的経営改革を促す

    まず、財政支援構造を改善し、財政を改革する。運送収支における赤字を全額補填してきた「事後精算制度」を、翌年の収入と費用をあらかじめ決め、その差額分を支援する「事前確定制度」に切り替える。

    全額を補填した従来の「事後精算制度」は、運輸会社による積極的なコスト削減努力を促すことができなかったが、「事前確定制度」の導入により、運輸会社が自発的に収入増加とコスト削減など、経営改革に取り組むことが期待できる。また、事前確定制度は、精算が簡素化されるため、人件費削減につながり(11人→4人)、行政コストの減少と共に、融資利息など、年間180億ウォンを削減できると予想される。

    また、人件費と燃料費の場合、投入した分を全額実費支給する精算方式を、上限を決め補填する標準単価精算制度(以下「標準精算制度」)に変更する。

    現在、標準運送原価の85%に上る運転手の人件費、燃料費の2項目は実費精算支給、タイヤ費用、整備費用、整備士・管理職の人件費などその他の項目は、保有しているバスの数または運行距離により上限がある標準精算制度を適用している。

    ②公共性改革:民間資本の参入における厳格な基準策定・過剰な利益を追求できない構造を確立

    次に、民間資本総合管理策を設け、公共性を改革する。現在、準公営制度の運輸会社を安定的な投資先として認識した私募ファンドなど、民間資本がソウル市内バス6社を買収している。これにより公共性が損なわれる懸念を解消する狙いだ。民間資本の参入前後、イグジットなど、段階別のガイドラインを策定し、管理する計画。

    民間資本の参入状況

    民間資本の参入状況
    企業名 (買収時期) 韓国BRT(`19.12) ドンア運輸(`20.12) ドウォン交通(`21.12) シンギル交通(`21.12) ソンジン運輸(`22.7) ソニル交通(`22.8)
    認可台数 180台 208台 166台 117台 291台 65台
    資産運用会社 チャパートナーズ(1号) チャパートナーズ(3号) チャパートナーズ(4号) チャパートナーズ(4号) グリニッチPEカリスタキャピタルチャパートナーズ チャパートナーズ(4号)
    投資終了時期 2024.12 2026.12 2026.12 2026.12

    まず、厳格な基準による事前審査制度を導入し、不健全・外資系資本と、過剰に利益を追求する資本は事実上制限する。なお、外資系資本、資産運用会社の参入を禁じるとともに、韓国国内資産運用会社の場合、設立2年以上の企業が申し込みできる。市は、参入する前に実効性を確保するために、市議会と協力し年内に準公営制度運営に関する条例を改正する予定だ。

    既に参入している民間資本には、配当性向100%超過禁止、1カ月分の現金性資産(運転資本)常時保有を義務付け、配当収益を制限する。また、会社債発行時には事前申告を義務付け、会社債により利息費用が増えた場合、会社評価に反映し、過剰な利益を追求できない構造を確立する計画だ。

    また、民間資本が準公営制度の隙を悪用し、利益を残せる資産を売却するなど、短期間に運輸業界からイグジットするケースを防ぐ。任意で車庫を売却した場合には、車庫の賃料を支援せず、民間資本の安定的で長期的な投資を誘導するために、参入から5年内に再売却するか外資系資本に再売却する場合、5年間会社評価から200点をマイナスし、いわば「食い逃げ」できない構造を構築する。

    ③サービス改革:道路の急カーブを改善、長距離・重複路線を廃止、自動運転バス導入

    最後に、路線を前面再編しサービスを改革する。準公営制度の導入時に行われた幹線・支線バスの路線再編、中央バス専用車路の開設によりソウル市内バスの通行速度と利用者が増加する成果は確かにあったと言える。しかし、20年が過ぎた今は、急カーブによる通行速度の低下、他の交通手段とルートが重複するなど、サービスの質が低下した傾向がある。

    市は、バス路線の全面的な再編を通じて、ソウル市民は誰もが歩いて5分内に公共交通機関にアクセスできる「公勢圏」を実現する計画。市民と学生の通勤と通学時間を短縮させるとともに、誰もが公共交通機関を利用できるようにきめ細かい公共交通ネットワークを構築し、バスサービスを改革する。

    ソウル市のオ・セフン市長は、「準公営制度の導入20周年を迎え、財政、公共性、サービスの改革を実施し、市民が日常生活で満足できる心強い交通福祉を実現し、ソウル市内バスの水準を世界最高レベルに引き上げる」と述べた。

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