グローバルスタートアップエコシステムに関する分析機関である米国の「スタートアップゲノム(Startup Genome)」が発表した『グローバルスタートアップエコシステムレポート(Global Startup Ecosystem Report 2021)』において、ソウル市は16位にランクインした。ソウルの創業エコシステムバリュー(Ecosystem Value)は、54兆に達すると評価された。
今回の評価は、世界100か国280都市を対象に実施されたもので、ソウルの創業エコシステムの順位は、2020年の20位から4つランクアップし、調査対象に初めて含まれた2017年以降、最も高い評価を得た。ソウルは、2019年には30位台にも入れなかったが、2020年にはソウルのR&D力などに支えられ20位にランクインするなど、コンスタントな順位上昇を達成している。
スタートアップゲノムは、ソウルの強みとして、優秀な人材パイプラインとR&D投資金額の高さを挙げた。特に、ソウルは研究実績・特許によって評価する「知識蓄積」分野において、世界トップ4位という高い順位を獲得している。現在、韓国内のユニコーン企業11社(企業価値1兆ウォン以上、非上場)のうち9社がソウルに位置するなど、ソウルは豊かな企業環境を有していると分析された。
また、スタートアップゲノムは、ソウル市が、ソウル全域に創業拠点(クラスター)を造成するなど、積極的に創業政策を展開している点においても、ソウルの創業エコシステムの成長可能性を高く評価した。
『グローバルスタートアップエコシステムレポート』は、ソウルの創業エコシステムの中でも特に強みといえる産業として、AI・ビッグデータ・アナリティクス(AI&Big Data and Analytics)、生命科学(Life Sciences)、そしてゲーム産業(Gaming)を挙げている。
また、ソウルの創業エコシステムは、今回の『グローバルスタートアップエコシステムレポート』の全6つの評価項目において、知識蓄積(Knowledge):10点、ネットワーキング(Connectedness):9点、エコシステムの活動性(Performance):6点、資金調達(Funding)及び市場進出(Market Reach)等の部門:各5点と評価されている。
なお、グローバルスタートアップエコシステムのトップ5は、1位:シリコンバレー(米)、同率2位:ニューヨーク(米)・ロンドン(英)、4位:北京(中国)、5位:ボストン(米)の順で、例年と同じである。アジアにある都市のうち、世界トップ20位以内にランクインしている都市は、ソウルを含め6つであり、北京(4位)、上海(8位)、東京(9位)、シンガポール(17位)、深圳(19位)の順となっている。