ソウル市が「グローバルAI革新先導都市」に飛躍するためのコア戦略を発表した。人材、インフラ、投資などAI産業育成に向けた中枢的な支援から先端産業との融合・複合化、AIの大衆化、行政革新にいたるまで同時に推進し、AI中心の産業再編に向けてあらゆる方面からスピードを上げて取り組むのが目標だ。
オ・セフン(呉世勲)ソウル市長は2月11日(火)、COEXグランドボールルームで開かれた「AI SEOUL 2025」カンファレンスに出席し、このような内容が盛り込まれた7大コア戦略を発表した。
現在、韓国は国別AIランキングで世界6位と評価(2024 Global AI Index(GAII))されているが、細かく見ていくと「開発」(3位)や「インフラ」(6位)などの項目では高く評価される一方、「人材」(13位)、「研究」(13位)、「ベンチャー投資」(12位)では低く評価され、オープンAIやディープシーク並みのAI技術開発ができるようにチームを立ち上げるなど、戦略的な支援が必要な状況だ。
そこで、オ(呉)市長は「あらゆる産業をAI中心に再編する」という政策基調で▲人材育成 ▲インフラ整備 ▲投資拡大 ▲産業間の融合・複合化 ▲グローバル化 ▲市民拡散 ▲行政革新などを「グローバルAI 3大強国の中心、ソウル」に飛躍するためのAI産業育成7大コア戦略課題として提示した。
<人材、インフラ、投資、産業の融合・複合化、グローバル化、市民拡散、行政革新の7大コア戦略を提示>
まず、年間1万人(青年就業士官学校から4千人、大学から6千人)のAI人材を育成し、AI人材の需要に積極的に対応する。今年からAIなど理工系分野の修士課程奨学金制度(計6億ウォン、60人を支援)も新設して毎年拡大するなど、ソウル型人材発掘支援システムも強化する。
第二に、現在のAIハブ(延面積2万7千㎡)より規模を10倍拡大した「ソウルAIテックシティ」(延面積27万㎡)をヤンジェ(良才)AI革新地区に造成する。2028年の着工を目標に推進される「ソウルAIテックシティ」は、国内外の大学院や世界的な研究機関はもちろん、文化・住居空間まで備えた「職・住・楽」複合空間で、AI人材が創造的な研究に専念できる「ソウルの中のAI産業都市」になる計画だ。
第三に、今後2年間(2025~2026年)におけるAI産業への民間投資を引き出す呼び水投資として「AI」分野を先制的に新設して5千億ウォン規模で造成し、生成AIモデルの学習と推論に必要なグラフィック処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)などのコンピューティングリソース提供を拡大することにより、AI企業のグローバル競争力を強化する。
第四に、AI技術は全産業の基盤となる技術であり、他産業との融合・複合化による普及が欠かせないため、ソウルの未来4大コア産業(AI、バイオ、ロボット、フィンテック)およびデザイン、ビューティー・ファッションなど戦略産業との融合・複合化により、AI中心の産業構造への再編をリードする。
第五に、グローバルビッグテック企業や海外有数の研究所と協力して国内AI企業の技術競争力を強化し、海外市場への進出を支援する。
第六に、AIで都市の日常を変える市民参加型イベントを定例化し、AIの大衆化をリードする。今年3月には市民が一緒に楽しむ「ソウルAIフェスタ」を開催し、最先端のAI技術を体験できるテクノロジーの祭典として昨年に引き続き10月にスマートライフウィーク(SLW)を開催する。
最後に、ソウルの市政全般にAI技術を取り入れた行政革新を推進し、都市競争力を強化する。市が保有する膨大な公共データを活用し、市民が望む形で加工・精製して提供できるAI専用データ提供プラットフォームを提供し、市政全般へのAI活用を支援するコントロールタワーとして、ソウルデジタル財団をソウルAI財団に改編する。
オ・セフン(呉世勲)市長は「韓国の首都ソウル市は、未来先端産業の焦点がAIに集まっている状況の中で、AI企業が果敢な投資と戦略を展開できるように準備すると同時に、人材も確保できる計画を今回のAIビジョンによって明確にした」とし、「あらゆる産業をAI中心にいち早く育成・再編するという戦略目標の下、名実ともに『グローバルAI 3大強国の中心、ソウル』に飛躍できるよう努力する」と述べた。
「AI SEOUL 2025」のリーフレット