メインコンテンツに移動
  • ソウル市ニュースレター購読 刊行物
  • visiting seoul?
T T

[2015] 市長挨拶

  • この危機を、新しい社会への 「巨大な転換」にしていきます。

  • [2015] 市長挨拶 SMG 1,160

    カール・ポランニー研究所アジア支部(カール・ポランニー社会経済研究所)開所式

    日付 2015年4月24日 | 場所 ソウル革新パーク

    皆様、お会いすることができて嬉しいです。まず、カール・ポランニー社会経済研究所アジア支部の開所をお祝いするために遠くからお越しくださったコンコルディア大学のアラン・シェパード総長およびカリ・ポランニー・レヴィット教授に心より感謝申し上げます。そして、本日この場にはご出席いただけませんでしたが、マーガレット・メンデル教授をはじめ、ソン・ギョンヨン準備委員長、チョン・テイン所長ら、研究所の誘致のためにご努力くださり感謝申し上げます。そして、ご出席の皆様にも感謝申し上げます。

    皆様、本日は非常に意義深く、歴史的な日です。「カール・ポランニー研究所」がアジアでは初めて大韓民国の首都ソウルにオープンしたのです。実際、「カール・ポランニー」は私を含め、韓国では馴染みの薄い名前でした。ところが、ポランニーが亡くなって50年余りが経った今、なぜ大韓民国で、なぜソウルでポランニーが蘇りつつあるのでしょうか。「新しい社会」、「新しい文明」を目指して実現しようとする熱望がポランニーを再び呼んでいるのだと思っています。起伏に富んだ現代史、多くの受難を経験した大韓民国のソウルにカール・ポランニー研究所がオープンしたのは決して偶然ではありません。私たちは今、深刻で重大な挑戦と課題を抱えています。貧富の格差と不平等が社会の正義と統合を妨げ、少子高齢化や気候環境の問題が私たちの未来を脅かしています。

    何よりもこの1年間、韓国社会は深刻な混沌状態でした。新しい未来に向かって一歩も前進できずにいると思っています。私たちがあれほどまで信奉し、盲信してきた圧縮的近代化とスピート競争の経済成長は足踏み状況が続き、それは「セウォル号沈没事故」の原因にもなりました。ただ前だけを見て走り、誰よりも先に到達しようとしてきた産業化と民主化は、「セウォル号沈没事故」の前で無気力と無恥の結果を生みました。それは新しい社会に対する反省と想像力不足が生んだ結果でした。「危機という古いものは死につつあるが、新しいものは生まれていない状況」と診断したアントニオ・グラムシの言葉を思い出します。私たちがその言葉を思い出さざるを得ない理由は、私たちが真の危機に直面しているからです。古いものに代わり古いものを一掃するという新しいものはまだ芽生えていないのが現状です。韓国とソウルだけの問題ではありません。北京と東京がともに直面している問題であり、アジアの開発途上国がともに共有している問題でもあります。

    「ピンチの後はチャンスあり」という可能性もあるため、私たちはこの危機を新しい社会、新しい文明に前進していく「巨大な転換」にしなければなりません。カール・ポランニーが私たちに新しい想像力と社会発展モデルのモチーフを投げかけてくれました。「自由はすべての真の調和の基礎」だとし、「人間は決して市場や商品に従属されない」と言いました。「経済が社会と人間を服属させることなく、社会と人間のために働けるよう統制し指導しなければならない」と強調しました。「埋め込み(Embeddedness)」という概念を通じて経済も社会の中に埋め込まれているため、社会との関係の中でアプローチし理解しなければならない」と力説しました。

    人間の自由意志に対する根深い信念、共同体の協力と連帯に対する信頼がもたらした洞察でした。共存と相互扶助、互恵に対する人間的な信頼があったからこそこのような反省ができたと信じています。

    今私たちは「巨大な転換」を目指して、大胆な勇気を持って到来する新しい共同体に向けた新しい想像力を発揮しなければなりません。

    カール・ポランニー研究所アジア支部が位置するソウルが、その中心となっていきます。ソウルはすでにその第一歩を踏み出しました。ソウル市は市民との協力政治と革新という2つの柱で進んでいきます。ソウルは社会革新の前進基地とハブになります。多くの国際機構が誘致され、新しい社会を夢見る多くの人々が復活していきます。そして、共有経済、社会的経済、共同組合、町の共同体運動の中心がここになります。これが新しい社会、ソウル、未来に向かう起爆剤になります。

    世界社会的経済協議体GSEFの発足もその延長線上にあります。創立総会を開催し初の議長都市としてスタートしたのも、新しい社会的経済モデルを目指すソウルの夢と目標に繋がっているのです。

    すべての市政に社会的経済方式を導入し、「ソウル型社会的経済発展モデル」を提示することで市民の生活に新しい変化をもたらすのが私たちの計画であり、抱負です。2020年までにGRDPの社会的経済比重を7%まで引き上げるという信念と行動も、その目標とビジョンを実現するために必要なものです。もうすぐ発表する世界社会的経済の首都、共同組合の首都に対する夢はソウルのビジョンなのです。

    新しい道には常に苦難と挑戦がつきものです。しかし、一人ではなく私たちがともに行く道ならば、その夢と目標は確かに達成できると信じています。ソウル市がカール・ポランニー研究所とともに進んでいきます。遠くからお越しくださった総長および教授、そしてパク・ジンド理事長と組合員の皆様に改めて感謝申し上げます。今後、ソウル市が皆様とともに歩んでまいります。ありがとうございました。