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[2013] 市長挨拶

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    ソウル市協同組合活性化基本計画発表

    月日:2013年2月13日 会場:ソウル市庁ブリーフィングルーム

    1人1票の民主的運営と共同体的価値を追求するのが協同組合です。ソウル市民の誰もが一つ以上の協同組合に加入し、協同組合が日常化される「協同組合都市ソウル」をつくるためのソウル市協同組合活性化基本計画を発表します。

    ソウルで暮らすのは、容易なことではないでしょう?ソウル市民の暮らしを見てみましょう。2000年には上位・下位20%の1人当たり所得金額の差は21.2倍、9年後の2009年には何と45.4倍になりました。格差が2倍以上になったのです。2000年に71%だった中間所得層は2011年には64%に減少し、低所得層は9%から12%に増えました。1人世帯は10年間に約2倍に増え、1995年に32.8%あった戸建て住宅生活者は2010年に16.2%まで減少しました。このように二極化が拡大し、中間所得層が崩壊する間に共同体は解体し、社会のセーフティネットも弱まっていきました。

    ソウルで安らかに末永く良い暮らしをするためには、このような社会の不安と困難をまず解決しなくてはなりません。

    そこでソウル市が乗り出しました。今こそ、互恵と協力の協同組合が必要な時です。協同組合は共同体を回復し、社会構成員間の信頼を高め、生きた社会のセーフティネットを構築するでしょう。

    協同組合、皆さんもよくご存じでしょう?協同組合は事業です。共同の目的を持つ5人以上が集まって組織した事業体ですね。ただし、協同組合は1人1票を基盤とした民主的な意志決定が可能な事業体で、組合員の権益の向上に大きな意味を置いています。また、地域社会の持続可能な発展にも寄与する、言葉の通り良い組織です。

    私たちの近くにも既に協同組合が多いです。最近町のあちこちで見かける「ハンサルリム(共同生活)」「ソウル牛乳協同組合」も皆さんよく知っていると思います。外国にも有名な協同組合があります。私たちがスーパーでしばしば買って飲むサンキスト。そして名門サッカーチームのスペインFCバルセロナも協同組合です。

    皆さん、イタリアのボローニャをご存知でしょう?1950年代までは貧しかった所です。イタリアのエミリアロマーニャ州の首都です。ボローニャ市は現在1人当たり所得が4万ドルで、イタリア全体の平均の2倍に達する豊かな都市になりました。

    こうした経済的成果の原動力がまさに協同組合でした。ボローニャ市の人口42万人に対して協同組合が何と400以上、そしてこの協同組合がボローニャ全体の経済で45%の割合を占めるほど、大きな影響力を持っています。失業率もイタリア全体の失業率である10.6%に比べてはるかに低い6.4%です。

    ボローニャ市が示しているように、協同組合は社会問題と経済問題はもちろん失業率も解決できる重要な鍵です。資本中心から人間中心へ、競争から協同へ、また、個人から共同体へと方向を転換した協同組合。この協同組合は格差問題を解決して経済民主化を実現し、自営業の没落を防いで持続可能な安定した雇用をつくり出します。

    それだけではありません。崩壊した地域共同体と脆弱な社会セーフティネットを、地域社会が基盤となる充実したセーフティネットに変貌させることもできます。何より協同組合が良い組織である最も大きな理由は、まさに持続可能で安定した雇用の創出に寄与するということです。経済危機が訪れても解雇は自制し、賃金を減らしてでも雇用は維持しています。

    協同組合、例を挙げて説明してみましょう。最近は共稼ぎの夫婦が本当に多いですね。家の近くに保育園が多いように見えますが、信頼して預けられる保育園はなかなか見つからないのが実状です。忘れる頃に聞こえてくる悪いニュースにお母さん方の心配は増しています。しかし、共同育児協同組合を設立すれば、親が保育に直接参加して衛生・安定などの問題を解決できます。また、何より競争的な養育環境による親子の精神的ストレスを減らし、家族の絆を強くし、子どもたちに友達と兄弟をプレゼントすることができます。子どもたちがのびのびと育つことができる環境が整えられるのです。

    非正規職協同組合はどうでしょうか?清掃、警備、建設労働者などの臨時・日雇い職とクィックサービス、代行運転、家庭教師といった非正規職労働者は、低賃金、長時間労働、不安定な雇用、社会保険加入率の低さといった様々な理由から、常に不安で、また厳しい状況にあります。しかし、例えばクィックサービスのドライバーたちが職員協同組合を設立すれば、基本運営費を共同で負担して高い手数料率を減らすことができ、努力した分収益が増えるのはもちろん雇用と労働条件を自ら決めてオーナーシップとプライドを持って働けるようになります。

    ソウル市はこのような協同組合を今後10年間で8000個に拡大して、経済規模を地域内総生産(GRDP)の5%に相当する14兆3700億ウォンに増やす計画です。

    ソウル市は共に築き共に享受する希望のソウルをつくるため、「協同組合都市ソウル」をビジョンとして市民の誰もが一つ以上の協同組合に加入し、協同組合が日常化されるソウルを目標として決めました。この目標とビジョンを達成するため、ソウル市は自らの声と権益を生かせる協同組合を設立したいと思う市民を積極的かつきめ細かく支援します。対象ごとに各段階に合わせた教育を実施し、協同組合総合支援センターと社会的企業開発センターを運営することで、協同組合とは何か、また、協同組合をどのように設立して運営するのか、AからZまで支援します。

    最も基礎的で重要な、対象ごとの各段階に合わせた教育を実施します。一般市民には協同組合に対する基礎教育を、また、組合員と協同組合の役職員には役員の責任、組織活動ノウハウなどの教育を実施し、実際に設立を計画している市民に対して、法制度から設立申告書類の作成法まで協同組合の全分野にわたる起業教育も実施します。ソウル市が今年5月から運営予定の「協同組合総合支援センター」を訪問すれば、相談、教育、コンサルティングをワンストップで解決できます。総合支援センターでは協同組合に対する基本相談から設立意志を持つ市民のための多様な教育、そして会計、税務、法律などに関する専門家コンサルティングも支援します。このような「協同組合総合支援センター」は昨年11月からソウル市内の4圏域で運営中の「協同組合相談センター」の機能を強化して開所する予定です。

    「協同組合相談センター」に11月から2月1日まで入ってきた相談は何と2750件以上に達します。市民の関心が高かっただけに、多様でクリエーティブな相談が相次ぎました。ソンス(聖水)洞の手製靴、古物商、そして癌患者の集いもありました。別名クィックサービスと呼ばれるクイックライダー、そしてホームレスを対象とする人文学教室卒業生による協同組合もありました。2月末に開所する「社会的企業支援センター」でも協同組合に対する教育と事業を支援する計画です。ここではコンソーシアム事業も支援し、ソーシャルフランチャイズモデル開発事業も推進します。

    協同組合の成長と活性化の基盤になる生態系もつくります。そのために協同組合活性化条例の改正、資本調達基盤の構築、公共調達市場への参加活性化およびサービス委託、連合会の力量強化支援などを拡大します。

    まず「協同組合活性化条例」を制定して制度基盤をつくります。この条例は「協同組合都市ソウル」を推進する制度的な根拠であり、多様な社会的経済組織が参加する連帯と共感形成の機会として活用されるものと期待しています。社会投資基金の内部基金という形で「協同組合基金」も立ち上げます。この基金は協同組合を設立しようと思う皆さんに長期低利でお貸しする計画です。また、協同組合を社会的企業に含めて公共購買を重点管理します。公共調達市場に参加することで活性化を図り、公共サービス協同組合の民間委託も推進します。民間の力量強化と協同組合の連帯を促進し、自活力を高めるために協同組合連合会も支援します。これは協同組合を活性化するためにも必ず必要です。共同事業の支援はもちろん、事務室・研修室の賃貸保証金、事務局運営費の一部支援、教育・コンサルティング事業も連携して推進します。ソウル市と自治区の地域連合会に対するガバナンス機構への参加も保障します。

    7大戦略分野の協同組合は重点的に支援し、成功モデルを可視化します。格差を解消し、社会のセーフティネットを強化して社会問題の解決に役立つ公共的な性格が強い7大戦略分野は、△共同育児△ケア△保健医療△住宅△伝統商人・小商工人△ベビーブーマー△非正規職労働者です。

    ソウル市はこれら7大戦略分野の協同組合を設立する際に、最初の段階である分野別ビジネスモデル開発を支援し、実際に協同組合を設立する時点では最大1億ウォンの空間支援、そして2年間で最大8千万ウォンの事業費を支援します。また、相談と教育、コンサルティングを優先支援し、ソウル市の政策とも積極的な連携を図ります。

    一旦設立した後も安定した協同組合運営が可能なように広報体制に戦略的に力量を集中させます。

    まず、協同組合情報ポータルを運営します。国内外の協同組合に関する総合情報を提供し、資料室として機能するこのポータルサイトは、社会的経済に詳しいコラムニストが持続的に記事と情報を掲載する予定です。市民に多くの情報とアイディアを提供することになるでしょう。

    博覧会も開催します。10月開催予定の「社会的経済博覧会」は、国内の協同組合が国際機関や外国の都市と社会的経済ネットワークを構築できるように企画しています。この中で、多く方が社会的経済のビジョンと経験を共有し、グローバルな社会的経済の連帯を結ぶことができるでしょう。

    ソウル市は4月に、対象ごとに合わせた教育プログラムを始めとして、センター設立、戦略分野ビジネスモデルの開発など、様々な協同組合支援策を稼動していきます。

    5人以上集まれば容易に設立できる協同組合、ソウル市が全ての手続きを助けます。

    お互いがお互いの糧と力と夢になる都市。

    協同組合都市ソウル、難しくありません。

    市民の皆さんがおられて、ソウル市があるのですから。ありがとうございました。