ソウル文化財団は、ソウル市民6,334人を対象に実施した「2018年文化活動に関するソウル市民実態調査」結果を発表した。同調査は、ソウル市民の文化活動の状況や変化の動向を文化政策の基礎資料として活用するため、2014年から隔年ごとに実施してきた。
今回発表した内容は、2018年10月末から11月初めまで、ソウル市居住の市民2,545人と文化活動を行っているソウル市所在の文化関連機関の会員3,789人を合わせた計6,334人を対象に実施した調査結果である。
その調査結果を見ると、ソウル市民が1年間で支出する文化活動費は平均約12万ウォン、文化活動日数は年平均6~7回であった。年間文化活動率が最も高い年代は50代(男性77%、女性88.5%)。これは20代(男性66.3%、女性66%)の文化活動率よりベビーブーマーの文化活動率が高いことを示している。
ソウル文化財団は、今回の調査結果を年齢・結婚の有無・子供の有無などを考慮しながら、①世代の変化 ②文化消費 ③文化偏食 ④文化で小確幸(小さいけれども確かな幸せという言葉の略語) ⑤生活圏の文化など5つのキーワードで分析した。
アンケート調査に回答した50~60代の文化活動率は75%以上(男性77%、女性88.5%)で、20代(男性66.9%、女性66%)より高かった。年平均観覧回数の場合、20代も50代も年平均6.7回とほぼ同じであり、統計的にも50~60代の文化活動が活発化していることがわかる。過去の高齢者とは異なり、社会活動に積極的な50~60代のベビーブーマー世代が文化消費層に進入してきている現象は、2016年以降に著しくなっている。
ソウル市民が文化活動に支出する費用は、30代男性が年平均17.3万ウォンで最も多く、年平均文化活動回数も30代男性が7.6回と最も多かった。但し、同年代であってもライフサイクル別の年間文化観覧総費用と観覧回数の差は大きかった。
一方「一人で観覧する」という回答者の割合は、どの年代でも増加しており、最近「ホンパプ」(一人でご飯を食べること)、「ホンスル」(一人でお酒を飲むこと)など韓国で流行っている生活形態に合わせ、一人で文化生活を楽しむという市民の数も各年代において増加していることがわかる。
アンケート回答者の過去1年間の経験をもとにした調査結果では、無料の文化芸術プログラムを観覧した後、有料公演や展示会も観覧したくなったという回答は40%、あるジャンルの文化芸術を観覧した後、他のジャンルも観覧したという回答は20.4%であった。この結果から文化観覧率の増加には、最初の経験が大きな影響を与えることがわかる。
ソウル市と回答者の居住地域周辺の文化的な環境の満足度を比べた結果、ソウル市の文化環境満足度は3.21点であるのに比べ、居住地周辺の文化環境満足度は2.98点とやや低くかった。このようにソウル市の文化環境より居住地周辺の文化環境の満足度が低いのは、居住地ごとに文化環境のレベルが異なることが原因と推測される。
ソウル文化財団は、ソウル市民の全般的な文化活動のレベルと満足度を知ることができる今回の調査結果をもとに「2018年文化活動に関するソウル市民実態調査」報告書を発刊し、ソウル文化財団ホームページ(
https://www.sfac.or.kr/index.do)にて公開する予定だ。