新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中、国家間の移動制限によってMICE産業も大打撃を受けた。ソウル市の場合、2020年の上半期に予定されていたMICEイベントの90%が中止または延期となり、産業生態系まで脅かされている。
※ MICE産業とは、企業の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentives)、国際・学術会議(Convention)、展示会やイベント(Exhibition)を包括する複合産業であり、代表的な高付加価値産業である。
ソウル市は、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後(ポストコロナ)、ニューノーマル(New Normal)時代を迎えるMICE産業の変化に迅速に対応するため、民間MICEのオンライン化をサポートする。支援は、これまでオフラインにのみ行われてきたが、今後はオンラインやハイブリッド(オン・オフライン同時開催)まで支援範囲を拡大する。
下半期から市内で開催されるイベントを誘致するため、コンサルティング、参加者の募集を目的とする海外広報、ウェビナー(Webセミナー)、バーチャル展示会プラットフォームなどのシステム・コンテンツの制作など全段階において支援する。オン・オフラインにて同時に開催する場合、従来の120%の支援金を支給する。
またこれとは別に、国際化を目指す成長可能性のある行事やイベント、そしてイノベーションを起こす可能性の大きい展示会や企画案には上限1億ウォンを支援する。これは、低迷している展示・イベント関連企業には二度目のチャンスを提供するとともに、ソウル市の展示・イベントの多様化と競争力を確保するという趣旨である。
今後オフラインで開かれるMICEイベントでは「安全」を最優先して防疫ゲート、顔認証サーモグラフィーカメラ、熱画像カメラ、専門的な衛生・防疫サービスのような防疫インフラを新たに支援する予定。感染拡大防止や危機的状況対応マニュアルなどもすでに制作している。海外からイベントに参加する際には安心保険への加入支援および24時間外国語相談コンシェルジュサービスも韓国で初めて開始する計画である。
ソウル市とソウル観光財団は、このような内容を中心とした「ソウル型革新MICE支援対策」を発表した。単発的な支援ではなく、MICE関連企業の体質を改善する根本的な支援策を提示することで、新型コロナウイルス感染症の大打撃から一日も早く回復し、ニューノーマル時代の国際競争力を高めるという目標だ。