ソウル市の公務員Aさんは、地下鉄で移動中、急用で改札を出てトイレに行ったり、間違えて反対方面の改札に入ってしまうと、料金を二重に支払うことになるという市民の不便を解消すべく、「地下鉄で15分以内に乗り換える場合は無料で再乗車」できるようにするアイデアを提案した。ソウル市は、このアイデアを「創意行政第1号」に指定して7月より実施しており、これまでの累計利用者数は400万名(月平均100万名)で、市民の負担額は計50億ウォンが削減された。
ソウル市は10月31日(火)、ソウル市庁の大会議室にて、クリエイティブな市政事例を政府機関や他の自治体に共有・普及する「第25回革新リレー」を開催した。
第1部では、2023年の1年間に、ソウル市が取り組んだ3件の代表的な創意行政事例が紹介された。ソウル市の公務員が市民に必ず必要な支援を発掘・提案し、実行に移した政策である。
記念すべき1つ目は、創意行政第1号の「地下鉄で15分以内に再乗車する場合は乗換料金を適用」し、追加料金が発生しないようにすることで市民の不便を解消した制度改善事例で、2023年中央優秀提案コンテストで最上位の賞にあたる大統領賞を受賞している。
2つ目の事例は「温気倉庫」事業である。これまで貧困層居住地域の住民は、生活必需品を受給する際には寒い日や蒸し暑い日も行列に並ぶ必要があったのに対し、温気倉庫を取り入れることにより、個人に支給された積立金を自分に必要な物と交換する方法を採用することで、利便性を高めると同時に受給者の気持ちにも配慮している。
最後に発表されたのは、近頃、鉄筋抜きによるマンションの手抜き工事が社会問題として浮上している中、ソウル市が全国で初めて実施中の「公共工事現場を対象とした映像記録管理」だった。民間の工事現場にまで適用範囲を拡大することで、手抜き工事を確実に防止し、安全に対する市民の信頼を回復するための取り組みが紹介された。
一方、第2部では職員が創意行政を積極的に推進できるようにモチベーション向上を図る「ソウル市創意行政人事革新」が紹介され、これをいかにして組織文化として定着させるかについて話し合う「組織文化共感トーク」も行われた。