カード一枚でソウルを満喫できる外国人専用の「ディスカバーソウルパス(Discover Seoul Pass)」。サービス開始からわずか2年で販売枚数が2万5千枚を超えるなど、順調な売れ行きを見せている中、ソウル市がサービスと機能を大幅にアップグレードした改正版を(財)ソウル観光財団と共同で発売した。スマートフォンが必須の個人旅行客や20~30代の観光客を中心に、ソウル観光に欠かせない必須アイテムとして位置づけられるようさらなる普及を図る。
「ディスカバーソウルパス」は、ソウル市が2016年7月に公開した外国人専用観光パス。このカード一枚で人気観光スポットへの入場や公共交通、買い物の割引、韓流文化体験など観光客の様々な好みやニーズに合わせて利用できる。改正前のディスカバーソウルパスの購入者も、9日(水)から改正版と同じ特典を利用できる。
今回の改正で無料入場や割引特典を受けられる施設が従来の32か所から66か所へと約2倍近く拡大した。追加された施設は、63ビルの展望台とアクアリウム、ソウル艦公園、SM TOWNミュージアムなど。モバイルパスも新しく登場し、いつどこでも簡単に購入できるようになった。
公共交通においても、パスを購入するとタルンイ(24時間)、仁川国際空港~ソウル駅間の空港鉄道(片道1回)、都心シティツアーバス(1日)を無料で利用できるようになる。他の交通手段との連携により、チャージして使うT-moneyとしての従来の用途に加え機能が大幅に拡大した。
改正版のディスカバーソウルパスは大きく5つの分野を強化した。①利用施設の拡大、②モバイルパスの発売、③交通系機能の充実、④パスの券種の多様化、⑤販売場所・受取場所の拡大である。
まず、入場料の無料・割引特典が受けられる観光施設を32か所から66か所に増やした。無料入場できる観光地(21か所→36か所):国立中央博物館、ソウル艦公園、ナムサンゴル韓屋マウル、63ビル展望台・アクアリウム、COEXアクアリウム、SM TOWNミュージアム、ソウルアニメーションセンターなど。割引提携施設(11か所→30か所):ロッテワールド、ロッテタワー展望台、ソウルランド、ソウル市内免税店6か所、ケジョルバプサン(季節の食膳)、オフィスパ論峴(Ohui Spa)、江南アルムダウンナラ皮膚科、中央大学国際医療センターなど。
また、今回モバイルパスも新たに発売された。「ディスカバーソウルパス」アプリをダウンロードすれば、アプリからいつでも簡単にパスを購入し利用することができる。以前は店舗でパスを購入した後アプリに登録したりオンラインで購入し現地で受け取らなければならなかったが、モバイルパスの導入によりこのような不便さが解消される。
交通系機能も大幅に強化された。従来のT-money機能をベースに、仁川国際空港~ソウル駅間空港鉄道(AREX)の片道1回の搭乗券、都心シティツアーバス1日搭乗券、ソウル市公共自転車タルンイ24時間利用券が追加された。
加えて、24時間券(1日券)と48時間券(2日券)に次ぎ、72時間券(3日券)を新たに発売することで券種の多様化を図った。観光客が滞在期間別に最適なサービスを選びソウル旅行を楽しめるようにし、滞在期間の延長を促すためでもある。販売価格は24時間券が39,900ウォン、48時間券が55,000ウォンで従来と変わらず、72時間券は70,000ウォンで販売される。モバイルパスの価格も同額。
ほかにも、37か所だった販売場所を50か所に拡大した。
ソウル市はより多くの外国人観光客が「ディスカバーソウルパス改正版」の情報を入手し購入できるよう、加盟店、提携先、海外旅行会社などの販売先を中心に広報資料を配り、地下鉄内のPRも行う計画。
一方、ソウル市がパスの利用者の移動経路をビッグデータ分析した結果、1日券を使用する外国人観光客の多くがまず初めに京福宮を訪問し、1日の締めくくりにNソウルタワーで夜景を楽しんでいることが分かった。観光客にとってはパスを使って手ごろな値段で様々な観光施設を訪問できるという点で満足度が高く、パス加盟店の観光施設では観光客の誘致や広報効果が得られるという点で高い評価を得ていることが明らかになった。
ソウル観光財団のイ・ジェソン代表理事は「ディスカバーソウルパスのコンテンツとサービスを持続的に向上させ、ソウルを訪れる個別観光客(FIT)の必需品として位置付けられるようにしたい」とし「韓流スターや人気キャラクターなどを活用した様々なシリーズパスも展開し、所蔵価値の高い観光記念品としての商品性を強化することで、観光業界との共同マーケティングの拡大や地方との連携および協力方策も積極的に模索していきたい」と話す。
ソウル市観光政策課のキム・ジェヨン課長は「観光パスの券種が多様化し、加盟観光施設や交通系機能が拡大されることにより観光客は自分の計画や好みに合わせてパスを選択し、観光コースを設計するようになる」とし「観光客の満足度やリピート率の向上にも貢献するだろう」と語る