PM2.5の低減、交通需要の管理に優れた効果を発揮し、環境にやさしい交通環境づくりに大いに役立っている「グリーン交通地域」が、ハニャン(漢陽)都城につづき、カンナム(江南)とヨイド(汝矣島)にまで拡大する。今回の拡大指定により、大気汚染が深刻で車の通行量が多く混雑するカンナム(江南)とヨイド(汝矣島)は、公共交通機関、自転車、自律走行シャトルバスなど、スマートで環境にやさしい交通手段をもっと便利に使うことができる交通中心地区へと変身を遂げると期待されている。
「グリーン交通地域」とは、エコ交通の発展と振興のため、「持続可能交通物流発展法」第41条の規定に基づき特別対策地域に指定・管理する地域のことで、必要があると判断した場合、市長が指定することができる。
グリーン交通地域は、渋滞が深刻で温室効果ガスの排出の多い地域において、環境にやさしい交通手段の活性化や公共交通機関の拡充、緑の空間の造成、交通需要管理など、持続可能なエコ交通の発展と振興により渋滞を改善し、温室効果ガスの排出量を削減するために指定するものだ。
カンナム(江南)圏とヨイド(汝矣島)圏におけるグリーン交通地域の範囲は、ソウル市都市基本計画上の都心や商業地域など土地利用の形態、暮らしている人口など、経済活動や大規模な交通誘発施設、主な開発計画、行政洞の境界などを総合的に考慮し、カンナム(江南)地域とヨイド(汝矣島)地域におけるグリーン交通地域の範囲を選定した。
カンナム(江南)グリーン交通地域は、カンナム(江南)区、ソチョ(瑞草)区、ソンパ(松坡)区の3つの区にわたって指定され、ヨイド(汝矣島)グリーン交通地域はヨンドゥンポ(永登浦)区ヨイドン(汝矣洞)が指定される。
新たに造成されるカンナム(江南)とヨイド(汝矣島)グリーン交通地域は、高度な技術とエコ、交通需要管理が調和するグリーンニューディール時代の「スマートシティ」をリードする地域として生まれ変わると予想される。
まず、カンナム(江南)地域は、地域循環型自律走行バスや個人の交通インフラの構築、そしてこれらを統合するMaaSサービスなどが実施される予定だ。また、「環境にやさしい低速車両指定道路」の導入を検討しており、排出ガスの下位等級の運行を制限する予定でもある。カンナム(江南)地域の中でも、渋滞が深刻な道路を中心に運行制限を検討する計画で、これにより環境にやさしい交通手段に切り替えられ、温室効果ガスの排出による大気汚染が大幅に抑えられると期待されている。
ヨイド(汝矣島)地域もカンナム(江南)と同様、最先端の交通手段と公共交通機関、環境にやさしい個人の交通手段を中心に再編する計画だ。ドローンタクシーの導入に備え、ヨイドを空港と都心を結ぶハブ地域とする。今後、広域急行鉄道などとも結び、未来の交通利用環境をつくるためのテストベッドとして構想する。ヨイド(汝矣島)の内部は、ヨイド循環バスの導入、ハンガン(漢江)と結ぶ自転車とPMインフラの造成などによりエコ交通中心の環境に改編するとともに、温室効果ガス排出の下位等級の車両は運行が制限される。
ソウル市は、上記のようなカンナム(江南)・ヨイド(汝矣島)グリーン交通地域構想(案)に基づき、専門家や住民から意見を集め、関連機関との協議により特別総合対策を作っていく予定だ。