ソウル市長、メキシコシティに「ソウル型都市再生」伝授
中南米を歴訪中のパク・ウォンスン(朴元淳)市長が、メキシコシティで「ソウル型都市再生」を伝授した。パク市長は2019年7月8日、中南米歴訪の初日、メキシコシティ建築家協会の講堂で開かれた「ソウル-メキシコシティ持続可能な都市フォーラム」にて「人中心のソウル型都市再生の現在と未来」をテーマに講演した。 この日のフォーラムは、在韓メキシコ大使館とメキシコシティ建築家協会(Colegio de arquitectos de la ciudad de mexico)の主催で行われた。フォーラムにはメキシコ建築家協会所属の建築専門家、メキシコシティの公務員、関連学科の大学生など200人余りが参加、パク市長の発表を傾聴した。 メキシコシティは2018年12月、環境活動家出身のクラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)市長が就任して以来、持続可能な都市政策を積極的に推進してきた。そして最近ではソウル型都市再生に高い関心を示していた。 約20分間の英語でのプレゼンテーションを行ったパク市長は、「ソウル市が都市の成長と開発のみを最優先していた時代、全面撤去という方法で大規模都市開発を行った結果、共同体の解体が加速化した」と述べ、「首都としての千年の歴史と多層的な魅力を生かすためには人中心の再生が必要だった」とソウル型都市再生の誕生について発表した。 引き継きパク市長は、ソウル全域で実施している市民が主体的かつ積極的に参加する都市再生政策の事例をいくつか紹介した。そのうち600回以上の話し合いで地域住民の心配と反対を解消、開場2年目にして訪問者1,700万人を突破し、周辺商店街の活性化を果たした「ソウルロ7017」、40年余り一般人の出入りが禁止されていた巨大な石油タンクを複合文化施設として再生したマポ(麻浦)区所在の「文化備蓄基地」、70年代から80年代における電子産業の活況期の主役から技術職人と若者起業家が共存する創意製造産業の中心地として生まれ変わった「セウン(世運)商店街」、空いていた大型倉庫をリニューアルし、減少しつつあった昔ながらの古本屋29店舗が参加してオープンした韓国初の公共古本屋「ソウルチェクポゴ(本宝庫)」などが代表的な事例だ。 パク市長は講演の最後に、未来を準備するための都市再生の3つの課題として、①公共がリードする財政支援の限界を克服し、住民自ら都市再生をリードする「自立型都市再生」 ②第4次産業革命という大きな転機に備えた「スマート都市再生」 ③気候変動に対応できる「環境にやさしい都市再生」などを提示した。 さらにパク市長は、「韓国は、メキシコの貿易国のうち世界で6番目の規模であり、韓国から見てもメキシコは中南米の貿易国のうち最大規模である。したがって両国は戦略的パートナーとして緊密な関係を築いていくべきである。また首都ソウルの市長であるとともに、大韓民国市道知事協議会の会長として、両国の地方政府間の交流活性化にも積極的に努力する」と述べ、さらに「特に今日開催されたソウル-メキシコシティ持続可能な都市フォーラムを機に、都市再生分野における両都市間の友好協力関係が発展するものと期待される。そしてメキシコシティがソウル型都市再生に大きな関心を示しているだけに、政策の伝授にも積極的に取り組んでいく」と語った。
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