[2015] 市長挨拶

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  • ICLEI会長就任のご挨拶

    SMG 669
  • ICLEI会長就任に際して掲げる3つの中核ビジョンと役割

    • 1) 世界の各都市‐地方自治体間の共有・協力・連携強化
    • 2) 都市の温室効果ガス削減目標及び具体的な実行計画の国際社会への発信
    • 3) ソウル市のブランドイメージと持続可能な発展のノウハウの共有

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    ○ ICLEI加盟都市の市長団の皆様、こんにちは。ICLEI会長のソウル特別市市長パク・ウォンスンです。ソウル市はここ数日間で春の花が咲き、すっかり春らしくなりました。黄色いレンギョウは満開で、木蓮も花びらをちらつかせています。

    ○ また、美しい桜が街の通りを薄いピンク色に染めています。蜂が飛び交い、鳥がさえずっています。太陽と風の街、木と花、鳥と蜂、そして自然と人の街…

    ○ これが現在のソウル市の風景です。これが我が街の風景であり、地球の風景です。これからも地球は永遠に存続しなければならず、街も永遠でなければなりません。

    ○ 私たちは、先祖から受け継いだこの美しく生命力あふれる青い星を、ありのままの姿で後世に残さなければなりません。私たちは本日、この青くて美しい星、地球を守るためにこの場に集いました。ですから、私は皆様こそ地球を守る人だと思います。

    本日、ソウル市長の私をICLEI会長に選んで下さったことに心より感謝申し上げます。同時に、今年で25年目を迎えるICLEIの第9回世界総会がここソウル市で開催されることを大変嬉しく思います。

    私は本日、皆様よりICLEIのリーダーシップをとれという使命を与えられました。1千都市以上が加盟するICLEIの会長という大きな責任を感じる一方、全力を尽くして取り組めば、やりがいと誇りを感じることができると思っています。

    皆様とともに地球の再生と保全に全力を尽くして取り組んでまいります。

    ○ 私たちは、私たちの街の輝かしい未来を築くためにこの場に集いました。私は本日この場に集った私たちの絆と責任、友情と連帯が、私たちの街と暮らしをより幸せにしてくれると確信します。そう思いませんか、皆様。

    敬愛なる加盟都市代表団の皆様。世界は今、都市の時代を迎えようとしています。国境を越えて都市と都市、地域と地域、人と人が実質的なコミュニケーション、交流、協力を行う時代となったのです。

    ○ 地球運命共同体の時代を迎えた今、一都市の問題は、その国、その都市だけの問題ではなくなったのです。

    ○ ソウル市、ベルリン、北京、ニューヨークが今抱えている問題は、都市や国という垣根を越えて世界中の全ての人が取り組むべき地球レベルの課題なのです。

    ○ そうした理由から、ソウル市と北京は共同で大気汚染問題に取り組み、昨年9月にはソウル市や北京、東京都など13都市の代表がニューヨークに集まり、各都市の大気汚染物質の削減目標を掲げ、共同で対応していくという共同宣言を発表しました。

    「大統領は原則を述べ、市長はゴミを拾う」といわれますが、都市の問題は都市が、そして都市の首長である市長が主導的に解決していかなければなりません。

    ○ 都市の問題は、いかなるイデオロギーや政治的見解よりも、市民の生活に最も必要なことを、実用的な方法で解決しなければならないからです。

    私はその中心にICLEIがあると考えます。

    ○ 親愛なる加盟都市代表団の皆様。ICLEIが発足して今年で25年目となりました。世界最大の地方自治体ネットワークとして、各都市の首長の連携強化と国際社会への自治体の声の発信、そして地方自治体の役割強化にICLEIが取り組んできたことを私は十分認識しています。

    ○ 世界各都市が互いに支え合って発展するためには、新たなビジョンを描く必要があります。私はICLEI会長として、地球共同体と世界市民、そしてICLEI加盟都市のビジョン実現に向けて皆様とともに前進してまいりたいと思います。

    まず、世界の都市‐地方自治体間の共有、協力、連携をさらに強化してまいります。

    ○ これまで、国がイデオロギーの強化や国防・愛国心の強調に力を入れてきたとすれば、都市は気候変動問題に積極的に対応するとともに、市民の住宅と公共交通機関の問題の解決に積極的に取り組んできました。

    ○ 21世紀に入り、国よりも都市の価値のほうが大きくなったという世界的な学者らの主張が大きな注目を集めています。著名な政治学者のベンジャミン・バーバー(Benjamin Barber)氏は、著書『なぜ市長が世界を治めるべきか』で、国境を越えた都市間の連携を提案しています。

    ○ 現代において、気候変動や貧困、生態系の破壊といった深刻かつ危険な問題に国はまったく対応できておらず、このような問題を解決できるのは、都市、そして都市運営に責任を持つ首長だと彼は主張しています。

    ○ 「地球の生命、未来世代の運命」のカギを握るのは、各地方自治体と都市が主導する革新的な環境プログラムの開発と活発な交流だと私は確信します。

    ○ 世界は今、そしてこれから30年以上、人類史上類を見ない地球レベルの都市化が進んでいくでしょう。驚くべきはその速さと規模です。

    ○ 急速かつ爆発的に増加する都市を持続可能にすること。それこそ私の使命であり、この場にお集まりになった皆様の課題です。

    ○ そこで、総会期間中に温室効果ガス削減と持続可能な発展の原則に関する具体的な実践の意志を盛り込んだ「ソウル宣言」を発表します。

    ○ また、「ソウル宣言」の実現に向けた具体的な実行計画「ソウル・アクションプラン」を発表し、各都市にさらなる努力と参加を呼びかけます。

    第二に、都市の温室効果ガス削減目標と具体的な実行計画を取りまとめて国際社会に発信し、国際機関・政府間協議で採択してもらうことで、都市・地方自治体の存在感を高めます。

    ○ 今年は環境分野において世界的に非常に重要な年です。9月には国連の持続可能な開発目標(SDGs)が最終議論に入り、12月には新たな気候変動枠組の合意を目指す気候変動枠組条約締約国会議(COP)がパリで開かれます。昨年9月に開かれた国連気候サミットでは、ICLEI、世界大都市気候先導グループ(C40)、都市・自治体連合(UCLG)が共同で取りまとめた「首長誓約(Compact of Mayors)」が発表され、都市の役割と重要性に世界の注目が集まりました。

    ○ 今回の世界総会では、「首長誓約」の議論をさらに深めるとともに、各都市の温室効果ガス削減目標と具体的な実行計画について議論する「世界都市サミット市長フォーラム(Mayors Forum)」が開催されます。

    ○ 同フォーラムで発表される各都市・地方自治体の削減目標と実行計画を取りまとめ、都市・地方自治体のこれまでの取り組みをパリで開かれるCOP21で公表し、都市・地方自治体の存在感を高めようと思います。

    ○ また、都市・地方自治体の削減目標と実行計画を公表することで、気候変動枠組条約の締約国に参加を呼びかけます。そのためには、UNFCCCの緊密な連携と協力が必要で、環境関連の他の国際団体との協力も強化していかなければなりません。

    ○ 加盟都市代表団の皆様、そしてご来賓の皆様。私はこれから、さらに世界の各都市との環境分野における連携を強化し、その成果を共有してまいります。そして、その実現に向け、都市・地方自治体間の「市長フォーラムの定例化」を推進してまいります。

    第三に、ソウル市のブランドイメージと持続可能な発展のノウハウを世界各都市と共有し、世界の人々が幸せで豊かに暮らせるよう全力で取り組んでまいります。

    ○ ソウル市はかつてエネルギー消費型都市の代表でした。戦後の焼け野原から70~80年代の高度経済成長を経て、「ハンガン(漢江)の奇跡」を起こしましたが、都市化に伴う人口集中や車の増加などによる温室効果ガス排出量の増加とともに、ゴミや汚水、河川と地下水の汚染といった深刻な環境問題を抱えていました。

    ○ しかし、ソウル市は、急増する人口の受け入れに成功し、環境配慮型グローバル都市に様変わりしつつあります。

    ○ 私が市長に就任した2011年から3年間で「原発を一つ減らそう」キャンペーンを通じて200万toeの電力を削減し、現在は原発2基分の電力削減を目指す第2段階に入っています。省エネを推進すると同時に再生可能エネルギーの生産にも多角的に取り組み、わずか2.5%に過ぎなかった市の電力自給率は現在4.5%にまで上昇しました。2020年には20%にまで高める計画です。

    ○ ソウル市は、こうした持続可能な都市政策を加盟都市と共有し、世界各都市とともに共同発展を模索していきます。

    ○ また、ソウル市も持続可能な未来に向けた気候変動対策の責任を果たすために、市民団体や政府、地方団体、NGOなどとガバナンスを構築し、2020年までに25%(2005年比)以上、約1千万トンの温室効果ガスを削減してまいります。さらに、「エコシティ」の実現を目指し、2030年までに40%以上の温室効果ガスを削減します。

    ○ そのために、1千万人のソウル市民が参加する「1人当たり1トンのCO2削減」キャンペーンを展開します。また、省エネを促すエコマイレージ制度やICT基盤の建物エネルギー効率化事業(BRP)、LED普及などを拡大してまいります。

    ○ すでに取りまとめられた持続可能な発展に関する基本計画の具体的な推進はもとより、ソウル市の温室効果ガス削減計画の進捗状況と気候適応計画は、cCRとCDPを通じて毎年報告し、一般公開されるようにします。

    ○ ソウル市のこうした様々な取り組みとビジョンが、より多くの都市・政府の良い参考例になることを願います。

    ○ 敬愛なる加盟都市代表団の皆様、そしてご来賓の皆様。私は「ほんの一滴の雨のしずくが、やがて川となり、海となる」という言葉が好きです。また、「みんなで見る夢は現実になる」という言葉も好きです。

    私たちの小さな努力の積み重ねが、いつしか地球を動かし、地球を守り、地球を生かす大きな力になると、私は信じています。一人の夢、一人の首長の夢は、単なる夢で終わるかもしれません。しかし、多くの人、多くの都市、多くの首長が同じ夢を見るなら、その夢は現実になるでしょう。

    ○ ICLEI会長として、私は都市と地方自治体の指導力を結集し、地球の持続可能な未来と発展の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

    ○ 加盟都市代表団の皆様の積極的なご参加とご協力をお願い申し上げます。本日から開催されるICLEI世界総会が、ICLEIの会員の皆様に支えられ、新たな飛躍と発展の土台を築けるよう全力を尽くしてまいります。ご清聴ありがとうございました。

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