安全においては譲歩がありえません

ヨンドゥンポ(永登浦)消防署安全点検現場

月日:2012年12月26日
会場:永登浦消防署

最高の専門家の立場から見て、目に見える問題を全般的に再点検してみてください。火事あとの火の用心よりも、事前にいつもこのように準備していくことが重要です。

今日の主なテーマである超高層マンションを見ても、建設が続いている状況で、先日もプサン(釜山)ヘウンデ(海雲台)の火災事故は、大きな人的被害には至らなかったものの、示唆する点が大きいです。そのような事故があったにもかかわらず、私たちがきちんとした備えをしていなければ、大きな問題でしょう。その後、装備などの改善はありましたが、依然こうした問題があるので、ソウル市内の高層ビルだけ別途業務委託をするといったことも検討してみてください。それは決して財政の浪費でないと考えます。バルコニーも日本ではみなマンションに設置されています。ところが私たちの場合は、それも全部居住空間として使っているでしょう?万一、これが、事故が起きたらすぐに住宅全体に火災が広がって、避難できる空間がありません。

安全においては譲歩がありえません。また、報告を受ける時はみなきちんと対処できると思うのに、事故が起きてみると問題が出てくるでしょう。現場が重要です。事故が起きたのに作動しないという問題があるでしょう。時には不正ともつながっています。形式にとどまらず、実質的に作動するか、それをしっかり見なくてはなりません。駐車場の場合も自分たちの管内の駐車場をいつも見て回ると良いですね。何回も見ていれば、問題が集中しているのはここではないかと気づくことができます。プクチョン(北村)のような場合は、狭いので路地の奥まで入れません。例えば、あちらから入れば、その路地までは行けなくても隣の家まで行くことはできる、このような形でソウル市内全ての家がこういうふうに設計ができていなければならないという話です。ある家は行けて、ある家は行けないのではしごが必要だ、このような形の設計が各ケースに合わせて、家ごとに行われる必要があります。ソウル市内全域、どんな所でも火災が起きたら、そこにはこのように行くのがよい、このように想定ができていなければなりません。

弱い地域もあるでしょう。そういったことを番地ごとに、建築物ごとに全部整理しておけば、検索するだけで出てきます。この地域はどんな地域で車両はどのように止めればよくて、どのように接近し、どんな装備が必要だという情報が整理されているのか、ということですね。ソウル市内全ての住宅をみな分析し、現場へのアクセス、消火方式、こういったものを全部整理して、実際に即して表示し、総合的に整理されてしかるべきではないでしょうか。例えば、任意で一カ所を決めて、その現場がどんな様子で、どのように消防車や装備が接近できるか、どんなものが不可能か、把握できているかということです。国会、ソウル市長公館、こうした場所だけでなく路地のような場所でもどこで消防車を止めるのが最も良いか、このようなことがいつも準備できていれば容易になるでしょう。

最近のようにIT技術などを通じて全数化すればどうでしょうか?現場に合うように消防車が接近できる道路を赤で表示し、例えばある家は建物はあるが車両が入れないとすれば、最も近いところはどこか、車はどのように入るのかなどです。

私たちは、報告はいつもうまくいっています。ところが事故が起きてみると不十分だったことが分かります。だからこそ現場で常に点検してください。例えば、地下鉄の消火器を使ってみると実際には使えないものも多くあります。新聞にも大きく出ていたでしょう。そんなことがないようにしてください。

今日、超高層が重要だと申し上げましたが、比較的最近は事故がありませんでしたが、事故はいくら注意しても起こることがありますから。さきほど63ビルディングでも申し上げましたが、私たちは建築においてガイドラインがきちんとあるのは事実ですが、技術は絶えず発展しています。政策博覧会をするようにと申し上げたのもそのためです。企業は良い機材・資材をつくってもソウル市の誰に話せばよいか分からないと嘆いています。創造的革新は常に起きているのに、ソウル市が受け入れる方式がかたくなだという意味です。それで政策博覧会を通じて誰でも提案できるようにしようというのです。ウィキペディア時代なのに、消防資材でも良いものを発明してソウル市に提案したいけれども提案するところがないのですから。ソウル市ではこういうことを誰もができるようにしましょう。私たちは2年前にやった、3年前にやったと言って満足してはいけません。

外国の事例も調べて、ロンドン、ニューヨークなどの都市では、これをどのように発展させているのか見る必要もあります。水防と関連する生活安全ガバナンス、これも消防において大変重要だと思います。初期の予防が一番重要で、火災が起きても初期に自ら行動することが重要ですよね。初期に広がってしまうと消火は大変なので、入居者や住民は言うまでもなく、協力システムがきちんと作動しているのか見なければなりません。そのような面で義勇消防隊やこうした方々の役割が大変重要だと思います。この方々に対する教育、訓練などが実際的に行われるといいですね。

生活安全ガバナンスが消防において活性化すれば本当に良いですね。事故が起きた後に、逆に確かめていくとこれが間違っていた、これが足りなかった、そう思うでしょう。過去のインチョン(仁川)カラオケ事故、シーランドの事例などを見ても、こういったことがつながっているでしょう。また、不正と関わっているケースも多いですね。幹部が重要だと思います。時々は現場を抜き打ち検査するなどして、ソウル市では一切このような事故が起きないようにしなければなりません。

安全は黙っていても守られるものではなく、本当にしっかりと点検して予防した時に得られる結果です。安全は運によるものではなく、努力によるものです。




市民の幸福増進こそ人権の拡大です

「ソウル市人権委員会」任命式

月日:2012年11月27日
会場:ソウル市庁懇談会場

ご多忙のなか、人権分野の代表の皆様をこの場にお迎えして「ソウル市人権委員会」を発足することとなりましたことを非常に嬉しく思うとともに、皆様に感謝申し上げます。本日のこの会合は、本委員会の正式なスタートであると同時に、人権都市ソウルに向けて歩み出す意義深い時間となるでしょう。

私には忘れられない人生の瞬間があります。市長候補時代に「ソウル市民権利宣言」を発表したときです。クァンファムン(光化門)広場で遊説しているとき、様々な分野の方と市民がたくさん集まってくださり、笑顔でとても喜んでくださいました。

人権は、暮らしの中で保障されるべき大切な市民の権利であり、これを保護・増進するのは市長の重要な責務です。ソウル市がすべきあらゆること、法・行政制度の革新や普遍的福祉の拡大、市民への細やかな配慮、市民の暮らしをよくするための経済成長など、最終的にはすべて人権の拡大に寄与する事項です。市民の幸福の増進こそ市民の権利と人権の拡大なのです。

ソウル市は、今年初めに人権専任チームを新設し、9月の組織再編で人権担当官という専門部署に格上げしました。そして、人権委員会と市民オンブズマンである市民人権保護官を設置し、人権教育など人権政策のあり方が盛り込まれた人権基本条例を制定・公布しました。現在はソウル市の人権政策の道筋となる人権政策基本計画を策定中です。

今年7月にソウル市の人権政策に対する多くの市民の声を聞きました。その市民の声を市政に反映させ、市民の人権保護を増進する政策を掘り出して推進していくには、人権委員会の皆様の協力が欠かせません。思いやりの心で基礎づくりにご協力ください。ありがとうございました。 




ソウル市の「スマート・ガバメント」は「信頼される政府」

第2回世界都市電子政府協議体総会の歓迎晩餐会での祝辞

日付:2012年11月12日
場所:スペイン・バルセロナ

お会いできて嬉しいです。ソウル市長で世界都市電子政府協議体議長の朴元淳でございます。本日、盛大な晩餐会を主催してくださった尊敬するジャビエル・トリアス(Xavier Trias i Vidal de Llobatera)バルセロナ市長、第2回世界都市電子政府協議体総会にお越しいただいた各都市の市長及び代表団の皆様、そしてIT専門家とUNPAN(国連行政ネットワーク)、ワールドバンク関係者の皆様、本日こうしてお目にかかれて大変光栄です。

世界都市電子政府協議体は、2008年の市長フォーラム、2009年のCIO(情報化統括責任者)フォーラムを基盤とし、2010年には創立総会を行い、明日は「Smart Government with all」というテーマで、第2回総会を開催するに至りました。会員都市の熱いご関心とご声援に支えられてきたからこそ、本日このような場を設けることができたのではないかと思います。

私はソウル市長に就任してから、まだ1年しか経っていません。この1年間私は、ソウル市を「スマート・ガバメント(Smart Government)」にするために、たくさんの努力を傾けてきました。まず最初に、ソウル市で作成される文書や会議の内容を公開する「情報公開2.0」を実施しました。スマート技術を基に「ソウル情報疎通広場」を立ち上げ、ソウル市関連の公共データを自主的に公開しました。従来は、情報公開の申請をした市民のみがソウル市の情報を知ることができましたが、この「ソウル情報疎通広場」の新設で、市民が申請しなくても自動的にソウル市の公共データが市民に提供されるシステムを作ったのです。

さらに、11月1日にはソウル市に「ソーシャルメディア・センター」を設立しました。スマート技術を基盤とするツイッターやフェイスブックなどを中心としたソーシャルメディアを通じて、ソウル市の行政のパラダイムを変えることです。同センターを通じて寄せられた市民の意見は、即座に担当部署へ伝えられ、それに関する議論や解決に至るまでの過程を全ての市民に公開します。去年の夏、ソウル市では1時間当たり30mmの集中豪雨が起きる災害が発生しました。その時に大いに役に立ったのがソーシャルメディアでした。ツイッターやフェイスブックなどを通じて災害の状況が瞬時に広がり、それを基に、災害システムが稼動し、大きな被害を防ぐことができました。同センターは市民と直接コミュニケーションをとり、市の行政が市民により早く、それぞれのニーズに合わせて提供される効果があるだけでなく、こうした災害の状況においてもメディアとしての重要な役割を果たします。

「情報公開2.0」と「ソーシャルメディアセンター」によるソウル市の「スマート・ガバメント」の実現は、市民との信頼関係を築くことにつながります。都市で行われる行政を市民に公開し、それに関する市民の意見を積極的に反映することで、都市と市民の間でコミュニケーションがうまく取れるようになり、その過程で信頼はさらに深まると思います。即ち「スマート・ガバメント」=「信頼される政府」ということです。

こうした「スマート・ガバメント」の信頼構築は、都市と都市間の問題を解決するのにもそのまま適用できることと確信します。現代社会では、国や民族の境界を越えて世界全体が共に悩み、共に解決すべき問題が山積しています。歴史的な経験や国家間の利害の衝突によって合意点を見出すのがなかなか難しい国家体制に比べ、都市と都市の協力は、はるかに自由で効率的です。

増えつつある都市の諸問題の解決と市民のニーズに応える行政を供給するためには、都市間の協力や共有ネットワークの構築、継続的に発展するIT新技術の活用が鍵となります。

本日と明日の二日間、 都市間のグローバルネットワークの構築と電子政府のデジタル力量の強化という、二つの面において皆様のお役に立つことができれば幸いです。

本日、私たちの出会いがいつまでも皆様の記憶に残りますよう、バルセロナでの美しい思い出をたくさん作っていただければと思います。素敵な時間をお過ごしください。ありがとうございました。




分かち合う人生、みんなで築く経済

社会的企業博覧会

月日:2012年11月8日
会場:SETEC

このところ不況が続き、生活が苦しいと感じていらっしゃると思います。かつて生活が苦しく辛かったとき、先人たちは共同体を基盤に互いに協力して困難を克服する知恵を持っていました。

現代の私たちの生活はかつてに比べて便利になりましたが、協力して社会問題を解決する人生の知恵はむしろ退歩しているように思います。過度の競争により多くの人は人生に疲れ、社会の葛藤と格差はますます深刻になるばかりです。

社会的企業は、そうした社会問題の解決を最優先の目標として公共の義を追求しつつ持続可能なビジネスも併行して行う企業です。政府の手が及ばない公共の領域でより効果的に社会サービスを提供し、営利企業の方式では解決しにくい雇用、環境、社会的葛藤といった問題を共同体との協力と様々な革新的方法を通じて解決する企業がまさに社会的企業です。

本日から始まる「社会的企業博覧会」が、様々な社会的企業を紹介するとともに、職業体験の場を設けて社会的企業に対する認識を新たにし、私たちが抱える諸問題を競争ではない協力によって解決する機会になることを期待します。

今回の博覧会には100社を超える社会的企業と共有企業が参加し、特に都市農業やエネルギーの効率化、危機にある若者、住宅問題など様々な領域でソウル市が直面する社会問題の革新的な方法での解決を目指す社会的企業のプレゼンテーションも同時に行われます。

ソウル市は今後、こうした革新的企業の発掘を続ける一方、社会的企業に対する公共購買の活性化や人材育成、インフラ整備など持続可能なエコシステムの構築に向けて引き続き取り組んでまいります。

最後に、今回の博覧会が、市民の皆様にとって社会的企業に対する理解を広げる機会となり、社会的企業家にとっては飛躍の機会となることを願っています。

この場にご出席の社会的企業家や関係者の皆様の革新的でクリエイティブな努力を通じて、みんなで築く経済、分かち合う人生をソウル市民全員が実感することを願いつつ、皆様の積極的なご参加とご関心をお願い申し上げます。

私はいつも皆様のそばで応援しています。ありがとうございました。




若者と朴元淳市長との出会い

共につくる若者政策ワークショップ

月日:2012年11月6日
会場:ソウル・パートナーズハウス

皆さん、とても良い意見がたくさんあるので、十分に検討したいと思います。特に、青年問題連席会議という提案は、若者政策を担当する部署の職員と若者代表が定期的に会って話し合うことの必要性を感じさせます。

先ほど皆さんから、健康問題、食の問題、雇用問題といった様々なテーマで話がありました。そのテーマについてもう少し踏み込んで対話と討論をしたいと思います。そして連席会議、これは私たちが受け入れる必要があると思います。なぜなら会議を通じて皆さんのアイデアをもう少し詳しく聞き、私たちがどうすれば具体的に実現できるかを考え、また、できることはできる、もう少し検討が必要なものは検討が必要だと回答し、お互いに話し合える会議の場になればよいと思いました。また、その会議の一つは、皆さんが起業して困難だと感じたこと、それも一つのテーマとして最後に取り上げたらよいのではないかと思います。

先ほど起業支援センターの支援は以前とは違い、1年ではないかとおっしゃいましたが、2年まで支援します。それから、3年以上経過した若年起業家の社会的企業は、カンソ(江西)とクロ(九老)の二カ所では特別に起業スペースも支援しています。ですから、各段階に合わせた起業支援を行っていると申し上げたいです。そしてもう一つ、私たちは現在、社会投資基金をつくっています。1千億ウォン程度の規模で。投資プログラムを実施し、おそらく大韓民国で初めて本格的な社会投資銀行の役割を果たすでしょう。

それからもう一つ、皆さんがつくったサービスをソウル市が買ってくれたら良いとおっしゃいましたね。それは既に実施しています。それで私たちは購買エキスポも開催しています。そして社会的企業や障害者による企業、または小企業が生産する商品3兆ウォン相当です。ものすごい規模だと思いませんか。ところが商品・サービスの数が足りないのです。ソウル市が必要とするものはたくさんあります。ティッシュペーパーから、例えば掃除などです。サービスまでです。ですから、私は皆さんが多くのことに挑戦をすることを願っています。現在、青年社会的企業支援センターが、カンナム(江南)ガーデンファイブの近くにあります。そして、カンブク(江北)社会的起業支援センターは、かつてマポ(麻浦)区庁があった場所で、先日行ってみたら、非常に良い商品とサービスをつくっていました。もちろん現実的に多少の問題があるかもしれませんが、そうしたことは私たちがデザインやテクノロジーなどの面でもう少し支援していけばよいと思います。デザイン財団東大門に行けば、「デザインタグ」というソウルデザインのブランドがあります。そこの商品も、「このレベルならニューヨークのマンハッタンでも売れる」と思えるほど、すばらしい出来でした。それを見て私は決心しました。つくってくれたものはみな売りますと。それで流通を大幅に強化することにしました。SBAソウル通商振興院、これはソウル市傘下の機関ですが、ここで若年起業家の企業や社会的企業、また、先ほど申し上げた小企業、障害者企業、主婦のアトリエから生まれるハンドメイド商品などの専門販売を本格的に開始しました。

先ほど店舗がほしいとおっしゃいましたね。それで今、地下鉄の地下道や商店街の約20%を公共目的の公共型商店街にすることにしました。その中にはもちろん障害者企業も入りますから、若年起業家に全てあげられるわけではありませんが、若者にも必ず資格が与えられるでしょう。それだけでなく、若者や障害者がつくったものを皆さんに販売してもらい、売れた場合の手数料を20%程度に多く配分し、それ自体が一つの職業になるようにします。そういった商品を販売することは親切な行為です。社会的弱者や貧しい人がつくったものを販売するのは善なる行為なのですから。ですから、これを一種のホームフランチャイズ方式で行うつもりです。いずれにしても、現在いろいろな変化が起きています。さっきおっしゃったことはもう1年前、2年前の話ですね。

今新しい変化がたくさん起きていて、先ほど現場で誰でしたでしょうか。コ・ソンホさん。すごいですね。それだけの情熱を持っていれば、できない事はありません。ああ、チェ・ソンホさん、遠くにいて聞き間違えました。チェ・ソンホさん。先ほどとてもすばらしいお話をされました。

ソウル市がいくら良いパッケージ政策を掲げたとしても、良し悪しは皆さん次第で決まります。ただし、先ほど皆さんが指摘されたように、ソウル市はには官僚的手続きという問題があり、不十分なことがあるかもしれません。だからこそ、皆さんがこうして集まり、経験し、「ソウル市のこれがおかしい」と指摘してくれれば、私たちはいつでも正す用意があります。

この場に雇用政策官のカン・ビョンホ局長がいます。皆さんの後にいます。ここにいるソウル市の幹部はみな立ってください。皆さん聞きましたね。キム・サング局長、全員挨拶してください。全員聞きましたね。はい。

本日の会合はともて有意義だったと思います。ここにしっかりメモしてあります。小さな字でたくさん書きました。そして、明日にも話すべきことは、別の手帳に書きました。私はメモが上手です。しかし、肝心なことはメモを上手にとることではなく、いかに実践するかです。

「一輪の菊を咲かせんがために春からコノハズクはあんなにも鳴いたようだ」という詩があります。長い歳月をかけて皆さんが悩み、合意してきたことと重なる部分がありますね。多少気が早いと思われる意見もあり、すぐに実践しなくてはと思わせる意見もあり、私たちが悩んできたことと同じ意見もありました。議論をしてまた次回、このような会合をもう一度持ちましょう。 




障害者雇用への参加と支援が必要です

障害者雇用促進協約締結での挨拶

月日:2012年11月5日
会場:ソウル市庁企画状況室

ソウル市議会のキム・ミョンス議長と常任委員長、そして韓国障害者雇用公団のイ・ソンギュ理事長と支社長をはじめとする16の投資・融資機関の皆様。ご多忙中のなか、障害者の雇用促進に向けて力を合わせようという意義深い席にご出席くださり、心より感謝申し上げます。

雇用こそ最大の福祉というのは、障害者の皆さんが誰よりも切実に感じていらっしゃると思います。ソウル市職員の障害者雇用率は全国平均の3.83%に対して0.34ポイント高い4.17%ですが、民間部門の雇用率は1.97%と全国平均の2.25%に対して0.28ポイント低いです。全国250万人の障害者のうち40万人はソウル市で暮らしています。

就職難がますます深刻化するなか、障害者の就職はさらに厳しくなっています。その対策として、実質的かつきめ細かな地方政府の取り組みが必要です。そのためにソウル市では、障害者の公務員雇用目標を法定雇用率(3%)の二倍の6%と高く設定しています。そして、その実現に向けて新規人員の10%を障害者から採用することを計画し、今年の新規の職員採用で採用人員全体の10%にあたる80人を障害者から採用しました。最終合格者814人中80人が障害者です。

また、民間部門の障害者の新規雇用促進に向け、障害者就職博覧会を開くとともに障害者雇用統合支援センターを設置し、今年8月末時点で障害者750人の就職に成功しましたが、しかし、まだ道半ばです。

しかし、本日の協約締結により、市議会の積極的な参加と支援、韓国障害者雇用公団の体系的な研究と調査のノウハウなどを共有することで相乗効果が生まれ、さらに大きく実を結ぶものと期待しています。

協約に定められた共同取り組みの事項が実務レベルに発展すると信じています。市議会と韓国障害者雇用公団の積極的なご参加とご協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。




私はこの地の住民として参加しました

ウンピョン(恩平)ニュータウン現場市長室

月日:2012年11月1日
会場:恩平ニュータウン現場市長室

パク・ウォンスン市長 私はこの地の住民として参加しました。この街に住んでどのくらいになりますか。

おじいさん 5年になります。

パク・ウォンスン市長 不便なことはありませんか。

おじいさん チングァン近隣公園の周辺にはあずま屋が一つもなくて憩いの場所がありません。チングァン近隣公園は、町の住民なら必ず通る場所です。幼稚園生や小学生たちも遠足で訪れます。

パク・ウォンスン市長 9日までここにいますから、必ず立ち寄って見てみます。

パク・ウォンスン市長 ウンピョン(恩平)区はいろいろ難題の多い区の一つです。額が同じであれば脆弱な区に財政支援するようにしています。ウンピョン区のニュータウンは、生活上不便な点が多いようです。交通など何十もの問題と未分譲マンション問題があります。私がここにいれば、もっとたくさんお話が聞けますし、散歩をしたり、飲食店に行ったりして住民の近くにいれば、解決策が出てくるのではないかと思います。

婦人会長 1団地が700戸、2団地が300戸で、主に若い世代の人たちが住んでいます。けれども、ここは商圏が十分形成されていないので不便が多いです。大衆浴場もありません。交通の面でも新しい道路が必要です。

パク・ウォンスン市長 私がここから通勤してみればわかりますね。

SH公社マーケティング室長 40坪台はたくさん売れました。50坪台と60坪台が多く残っています。

パク・ウォンスン市長 結局、面積が問題ですね。

SH公社マーケティング室長 40坪型は2,500戸以上ありましたが、そのうち3戸残っています。50坪型は1,657戸以上のうち188戸残っていて、60坪は848戸のうち427戸ですから、半分は残っています。60坪台が問題です。供給時期が不動産景気の低迷期にあたりましたので。当初は1カ月に20戸売れましたが。

パク・ウォンスン市長 その後はあまり売れなかったのですね。

SH公社マーケティング室長 価格を下げたら少しは分譲できました。段階別に下げました。

パク・ウォンスン市長 SH公社の物件だけでなく、他の建設会社も事情は同じでしょう。

SH公社マーケティング室長 私どもの調査では、ソウル市内に4,500戸です。建設後に未分譲ではなく、着工時に未分譲ですから。つまり工事中です。完工時にはほとんど分譲されるでしょう。すぐ前の4棟が75戸ですが、丸ごと空いています。行ってみましょう。

パク・ウォンスン市長 SH公社が保有する物件のメリットは何ですか。それを把握しておけば私もPRできます。

SH公社マーケティング室長 ウンピョン(恩平)ニュータウンは、環境を売り物にできる地域です。それにもかかわらず、住宅面積が広すぎて需要に合わず今こういう状況です。それで値引きもしていますが、全般的な地域の活性化が必要です。入居された方々はプライドを持っているので、それを満たしてあげる必要があります。

パク・ウォンスン市長 周辺環境、景観、空気の質が必要ですね。

SH公社マーケティング室長 完工して2年になるので、建物が色あせて古く見えます。それで今リフォームを計画しています。

パク・ウォンスン市長 便宜施設の不足と不便な交通が解決できれば、多く分譲されるでしょう。それは時間の問題でしょうが、必要ですね。ひとまず買っておいてもよさそうなのに、今はその余力がないのですね。

SH公社マーケティング室長 インフラの状態を見て入居する人が多いのに、いつまでもインフラが整備されないので、待ちくたびれたようです。町自体は良いです。町にはゴミがありません。真空のゴミ収集設備があり、餌がないので野良猫も寄りつきません。購入するには良い物件ですが、インフラがないのでうまくいきません。

パク・ウォンスン市長 問題は、面積が広いと家族が多ければいいのでしょうが、この大きさだとオフィスとして使う以外は考えにくいと思います。私が市長室を設けたのはメゾネットタイプの部屋なので、相対的にここよりも人気が高そうですね。しかし、ここに夫婦で、または4人家族で住むには広すぎるでしょう。もっと別の需要を開発する必要があります。




持続可能な明日に向かうソウル市の転換 生命のUターン

「2012 WBCSDソウル総会」昼食会特別演説

月日:2012年10月31日
会場:ロッテホテルサファイアルーム

「2012 WBCSDソウル総会」に参加された国内外のご来賓の皆さん、こんにちは。ソウル特別市長パク・ウォンスンです。

世界の200を超す企業の最高経営者が持続可能な発展に向けたビジネスソリューションを議論する世界でも最高の権威を持つ、年次財界サミットがソウルで開催されることになり、大変嬉しく思います。世界の社会を革新する重要なパートナーとして、ここソウルを訪ねてくださった全ての方を心より歓迎いたします。

今年6月、「リオ+20会議」では「私たちの望む未来」が最終声明として採択されました。これは私たち皆にもう一度機会が与えられたことを意味します。実際、1990年代に活発に議論された環境議題は21世紀に入り、様々な政治的、経済的議題に押され、議論を続けることができませんでした。そのため、過去20年間、地球環境は多くの領域において深刻な水準に悪化し、これは私たち人間だけでなく、地球上全ての生物の生存に深刻な脅威となりました。

このような理由から、『怒れ!憤れ!』の著者ステファン・エセルは、彼の著書『参加するのだ』で新しい概念を示しました。彼によると、「持続可能な明日」も極めて人間中心の観点によるものであり、彼は私たちが手遅れになる前に、「果たして地球は存続可能なのか」という問題を基準に全ての政治懸案と経済政策を考え、各自の人生を設計すべきだと忠告しました。

もちろん、彼の話に全面的に同意するかどうかは重要ではありません。私たちが真剣に共有すべき認識は、環境問題が私たちの持続可能な発展はもちろんのこと、私たちの生活を続ける上でも大きな脅威となっているという事実です。

昨年の夏、地球の持続可能性を脅かす異常気候の現象がソウルを襲いました。1時間当たり113ミリという集中豪雨によりソウルのあちこちが浸水し、土砂崩れによって市民が被害を受けました。この異常気候の現象と悲劇の背後には、まさに私たち自身がいました。

1千万人のソウル市民が消費するエネルギーの量は1700万TOEに達する一方で、ソウルの電力需要の自給率は2.8%に過ぎません。これはエネルギーの正義にも反し、エネルギー民主主義にもそぐわないことです。再生可能エネルギーの生産量もごくわずかです。エネルギー全体の1.5%に過ぎません。

そこで、ソウル市はエネルギー転換都市に向かって巨大なUターンを開始しました。ソウルはもはやエネルギー消費都市でなく、持続可能なエネルギー自立都市に向かいます。

そのような趣旨で、ソウルは今年4月、「原発一基削減プロジェクト」を発表しました。この政策は、韓国最大規模の原発で生産される電力量である200万TOEを減らすことを目標としています。そのためにエネルギーの節約はもちろん、エネルギー効率を上げて、ソウルの再生可能エネルギーの生産を増やし、ソウルの電力自給率を2014年までに8%、2020年に20%まで引き上げる計画です。

このプロジェクトの成功は、市の努力だけでは実現できません。まず、今日参加された全ての方もソウルの成功のために知恵を出し合ってください。ソウルは私たち皆の「持続可能な発展」はもちろん、「存続可能な明日」のために最善を尽くします。

ソウル市民も力を集めています。市民と市民社会団体、NGOはもちろん、様々な企業が多様でクリエーティブな方法で参加し、実現していっています。

特に企業の参加がその中心にあります。費用の多くかかる再生可能エネルギーの分野において様々な企業が投資を約束し、また大規模施設のエネルギー効率を上げて省エネ活動に参加しています。ソウルではエネルギーガバナンスが胎動しています。

1992年、企業の社会的責任という概念が導入された後に、多くの企業が環境経営を実践しました。しかし、今日の企業はこれを戦略的経営の必須要件として認識しています。

これは国際的な現象です。環境保護や資源の開発など、一時は政府と公共部門が担当していた課題が今日では企業、特にグローバル企業の責任へと移行しています。企業の利潤追求と環境問題や気候変動への対応は、もはや相反するものではありません。企業はクリエーティブなアイディアで競争力とイメージを高め、社会と環境に貢献することができます。

私たちはそのようにして、環境課題に積極的に対処し、差別化された競争力を確保して都市を改善した企業の事例を知っています。「ロンドン・アレイ洋上風力発電団地」は、企業の技術力を基に建設中の「発電グリッド設備」の代表的な事例であり、英国の48万世帯に再生可能エネルギーを供給できる見通しです。持続可能性とITサービスを統合してスマートシティをつくり、エネルギーの使用量・費用を減らして水管理システムを向上させた事例もあります。

その他にも、開発途上国に安い太陽電池製品を提供するプロジェクトを通じてエネルギーアクセス権を改善した事例もあり、気候変動リスクを応用した保険商品とサービスを開発することで気候変動への適応を支援するなど、企業が環境的価値をもとに費用削減を実現すると同時に社会的・経済的価値を生み出す、宝石のような事例が私たちの周りにたくさんあります。

企業の社会的責任と環境的責任が企業の利益目標と並行されることで、新しいビジネスモデルをつくり出しているのです。新しい概念の産業革命が進行中だと言えます。

私は、今回の総会を通じ、このような先進的な事例が十分に共有され、ソウルのすばらしく能力の高い多くの企業に広がるよう願っています。

今年10月19日、84カ国1200人の会員が参加する世界最大規模の環境機関であり地方政府の環境協力分野機関であるICLEIの東アジア本部が、ここソウルで正式に開所式を開催し、発足しました。これと併せて、ICLEI世界執行委員会(GexCom)と私が議長を務める気候変動世界市長協議会(WMCCC)合同会議を開催し、都市の行政運営に必要なエネルギーのうち、化石燃料と原子力エネルギーの使用量の低減を主な内容とする「2012ソウル地方政府エネルギー・気候宣言」を発表しました。

これをきっかけに、ソウルは各国都市とのネットワークをより一層強固なものとし、企業、民間とのパートナーシップを通じてソウルの持続可能な発展政策を設計し、実行していきます。そのようにして、私たちは持続可能な、いや存続可能な明日のために、巨大な転換を準備しています。

私は今回のWBCSDソウル総会において、持続可能な発展に向けた都市と企業間の革新的で新しい協業モデルが導き出されることを希望します。また、多くの企業の積極的な参加につながることを願います。そのようにして私たち皆の知恵が集まることを期待します。

参加された全ての方に改めて深く感謝いたします。ありがとうございました。




ソウル発展の力になってこられた高齢者の皆様、今度はソウルが力になります

「幸せな老年期、人生二毛作都市ソウル高齢者総合計画」記者説明会

月日:2012年10月30日
会場:ソウル市庁ブリーフィングルーム

ソウル市は高齢者100万人時代となりましたが、高齢者の皆様の現実は決して余裕のあるものではありません。大学生に尋ねたことがあります、「ソウルのお年寄り」といえば何を思い浮かべますかと。最も多かった回答は、「チョンロ(鍾路)」「チョンミョ(宗廟)」「タプコル公園」でした。私も宗廟広場とタプコル公園の周辺に行きましたが、1千人以上いるお年寄りの大半は、囲碁や将棋を楽しんだり、それを見物したりしていました。私は悩みました。どうすればソウルのお年寄りが一日一日を楽しく生産的に過ごせるだろうかと。そして、その悩みの結論を本日発表する「高齢者総合計画」に盛り込みました。

本日発表する内容は、スタートに過ぎません。これから更に工夫してソウルのお年寄りが安定して生きがいのある「第二の人生」を送れるよう、最善を尽くして取り組んでまいります。

今の高齢者世代は、朝鮮戦争や産業化、民主化などの過程で、近現代史の変化と試練を耐え抜いてこられた方々です。青年期にそうした経験をしてこられたのです。そしてまた、国家発展の主役として韓国を世界15位以内の経済大国に押し上げ、スポーツや文化、外交など様々な分野で世界における韓国の地位を高めてこられた世代です。私たちはそれを忘れてはいけません。

しかし、その見返りはどうでしょうか。現在ソウルで暮らすお年寄りの暮らしはどうでしょうか。高齢者の数は100万人を超えましたが、一人暮らしの高齢者は20%にも上ります。高齢者の貧困率は45%で、OECD加盟国の平均の3倍、自殺率はOECDの中で最高という実情です。社会の無関心のために、ソウルで貧困、病気、孤独、無為という老年期の4大困難に直面しています。

しかも、今後は元気で能力のある若々しい高齢者が急増する見通しです。経済成長と医学技術の発達、ベビーブーマー世代が老年期を迎えることがその背景です。その人口は約240万人に上ります。ソウルは、世界のどの都市よりも高齢化が急速に進み、保健、福祉、安全、雇用のニーズが増加し続けています。今こそ高齢者の暮らしは苦しいものという考え方を改めなくてはいけません。高齢者が幸せに暮らしてこそソウル市民も幸せに暮らせると考えなくてはいけません。ソウルの高齢者の権益保護と所得保障、健康を守るために社会的な関心と責任が必要な時です。それは私たちの義務でもあります。

従って、ソウル市の高齢者政策は変わります。高齢者の年齢や健康など類型別にニーズを把握し、それぞれに合わせた特化政策を取らなくてはなりません。ベビーブーマー世代と中年世代に政策の対象を拡大し、大規模施設を中心とする支援よりも既存の地域資源を共有・連携して、実質的に高齢者の暮らしを支援することに政策の焦点を合わせてまいります。各政策も統合的かつ戦略的な方向性で連携して効率を上げ、持続可能な高齢者福祉の新しいパラダイムをつくってまいります。

こうした高齢者総合支援の策定に向け、今年4月に「引退後の第二の人生設計をどうすべきか」というテーマで政策ワークショップを開きました。これが出発点でした。ソウル市は高齢者福祉館や敬老堂などの施設を視察し、高齢者や福祉専門家、高齢者団体の会員、福祉施設の職員などから、計22回にわたり500人以上の意見を聞きました。そして最終案を取りまとめました。

「ソウル高齢者総合計画」は、政策対象の拡大、各個人に合わせた特化政策、地域資源の連携・共有の新たな3つのパラダイムに基づいて策定されました。「ソウル高齢者総合計画」は、第二の人生設計を支援すべく、各個人に合った職場を提供し、一人暮らしの方の世話を充実させて元気な老後を支えていきます。高齢者専用住宅を供給して高齢者が暮らしやすい環境を整備するとともに、活気に満ちた余暇・文化生活を支援し、尊重と世代統合の文化を形成する計6分野、35の事業で構成されています。このうち、新規事業が21件、拡大・強化事業が14件あります。全ての事業を有機的に連動させて高齢者の参加を促し、福祉の好循環を生み出すことによって幸せな「老年期人生二毛作都市ソウル」をつくってまいります。

ソウル市は今回策定した総合計画をもとに、市民の高齢者に対する印象と理解度を高め、高齢者に対するポジティブなイメージが現在の54.8%から2015年には63%まで向上するよう取り組んでまいります。また、就職率は2015年を目処に30%、福祉施設の利用率は17%、療養・介護サービスの利用率は10%に上昇させ、10万人当たりの自殺率が64.4人から58.4人に下がるよう取り組んでまいります。ソウル発展の力となってこられた高齢者の皆様に、今度はソウルが力になる番です。




「人が中心となる都市、ソウル」を目指します。

2012SIBAC歓迎晩餐会での挨拶

日付:2012年10月25日
場所:恵化洞(ヘファドン)市長公館

SIBAC(ソウル国際経済諮問団)総会のためにソウルにお越しいただいたドミニク・バートン議長及び委員の皆様、諮問役の皆様を心から歓迎いたします。そして、SIBAC総会やソウルに強い関心をもたれ、ご出席いただいた関係者の皆様にも深くお礼申し上げます。

遠路はるばるソウルまでお越しいただきましたが、ご不便はありませんでしたか。ソウル市民の一人として、ソウルにお越しくださった皆様に、心安らぐ楽しい時間をお過ごしいただければ幸いです。

SIBAC委員の皆様にこうしてお目にかかったのは初めてですが、この一年間、ソウルを始め世界各国ですでに何人かの方にお会いし、たくさん助けていただきました。世界中でソウルのことならと、誰よりも先に手を差し伸べてくださる皆様がいらっしゃるからこそ、ソウル市長としても本当に心強いです。

韓国では、大切な人が自分の家に来ると「ポソン(靴下)のまま飛び出す」という言葉があります。靴を履く時間さえもったいないくらい早く会いたいという嬉しい気持ちで迎えるという意味です。そういう嬉しい気持ちを込めて、遠くからはるばるお越しくださった大切なお客様が少しでも疲れを取ることができればと、そして少しでも早く親しくなりたいと思って、私が過ごしている公館にお招きすることになりました。ここソウル市長公館は、1940年に本館が新しく建てられ、当初は最高裁判長の公館として使われ、1981年からはソウル市長の公館として使わせていただいております。。

約3週間前に私は「オープンハウス・ソウル(Open House Seoul)」という行事を開き、普段は「部外者立入禁止」であるこの公館を市民に開放し、自分の愛蔵品も紹介し、出席してくださった市民の方々と楽しい時間を過ごさせていただきました。

これほど多くの意味を持っている場所ですが、まもなく周辺の漢陽都城城郭の修復工事のために引越ししなければなりません。しかし、ここは公園か図書館などの形で、市民にお返しする計画です。今度は市民向けの空間として立派に変身した公館をお見せすることができると思うと、今から楽しみです。

明日になると、私がソウル市長に当選して1年になります。今回の総会のテーマが「公共、民間、市民間パートナーシップのロールモデルとしてのソウル」ですが、コミュニケーションや共感、交流を通じて、市民と共にする開かれた市政を実現するという市長としての私の目標を改めて確認し、将来像を描く意義深い場になると思います。

民選による5番目の市長としての私の目標は「人のためにある都市」を目指すことです。人や福祉のための投資を通じて、市民の暮らしの質の向上や都市の持続可能な発展を成し遂げられる「人が中心となる都市、ソウル」を作ろうと思います。ソウルが変化を遂げていくためには、今、何を考えなければならないのか、また何を努力しなければならないのか、などについて忌憚のない意見交換をしていただければと思います。

明日、総会が始まると一日中ハードなスケジュールになるかもしれませんが、今はそのことは考えず、ごゆっくりお食事を楽しまれ、韓国で最も美しい季節といわれる秋を思う存分満喫していただければと思います。ご清聴、ありがとうございました。




この1年間、市民の皆様のおかげです。

就任1周年の記念挨拶

日付:2012年10月24日

就任1周年を迎えて
市民の皆様のおかげです。

親愛なるソウル市民の皆様、こんにちは!ソウル特別市長、朴元淳でございます。私が市長に就任してから1年が経ちました。本当に短いようで長く、長いようで短い時間でした。

今年に入ってから私は後漢書の皇甫規伝に出てくる「水能載舟亦能覆舟」という言葉をずっと胸に刻んでそれを心がけています。水は舟を浮かべることができるが、一方で舟をひっくり返すこともできるという意味です。時代を超えて「民意の力」の大切さを悟らせてくれる言葉です。

一年前にソウル市長に就任した際、私は「ソウルという大きな船の船長は市民の皆様です」とお話しました。私はこの言葉を自ら証明して実現するためにこの1年間、最善を尽くしました。「市民中心」「現場とのコミュニケーション」はまさに「朴元淳号」が導くソウル市政を特徴付ける最高のブランドであり、最高のキーワードでした。

私は就任後、三つの重点公約を最初に実現しました。これは「まず、私たちの生活を守ってくれ」という市民の「命令」があったからです。その命令は「私の人生を変える初めての市長」という私の選挙スローガンとも合致したからです。実は、普遍的な福祉への市民の皆様の熱い思いに突き動かされ、私は前面に立つことを決心したのです。崩れ落ちる生活基盤を立て直し、頼れる拠り所を作ってほしいという市民の皆様の切実な思いがあったからこそ、私が韓国の首都ソウルを守る「番人」になれたのではないかと思います。

そうしてまず、就任初日に59万人の子どもたちに環境配慮型給食(環境に優しい食材で作る給食)の無償提供を実施しました。体にやさしい食べ物を安定的に供給するために「広域の環境配慮型給食統合支援センター」を立ち上げました。この無償給食の実施は、長期的には都市と農村間の交流拡大につながり、ひいては子どもたちの食育にも貢献すると思います。

二番目に、市立大の授業料半額化を実施しました。これは、授業料100万ウォン台を可能にし、その中には授業料0ウォンの請求書もあり、話題になりました。これは韓国社会全体に大きな影響を与えました。現在の大統領選立候補者らはこの問題を重要な政策として取り扱っています。市立大の学生の生活も変わりました。奨学金貸付申請者が40%以上減り、ボランティア活動への参加者が約二倍も増えました。授業料の半額化実施は入学制度の改善にもつながっています。新しい入試の要綱の確立で、競争中心の人材選抜ではない、共に生きていく社会に貢献できる創造力豊かな若者を育成します。

三番目に、非正規労働者の正社員化を始めました。1,133人の人が喜びに満面の笑みや嬉し涙を浮かべたことは、今でも脳裏に焼きついています。こうした正社員への転換は引き続き拡大していきたいと思います。現在、市の間接雇用労働者の雇用安定と待遇改善策について委託研究を行っております。この研究の結果を年内に発表する予定です。これには市と共に働く民間部門として、雇用安定性を拡大できる策も含まれます。市民の皆様、労働環境の安定は、市民が幸せになる上での土台となるものです。さらに、内需促進と庶民経済活性化の根幹でもあります。何よりも、大事な市民権を確保することにおいて、決して譲ることのできない第一の条件です。

一年前、私がソウル市長に当選したことは、新たな政治革新だと言われました。「市民寄りの市長」の登場という意味から、世間の注目を集めました。しかし、それは今の時代が作った現象の一部に過ぎなかったのです。ここ一年、ソウル市政の本質は「行政の革新」にありました。

第一に、行政の革新は「現場主義行政」によって遂げられました。現場中心の行政を行うためにこの一年間、私とソウル市の職員は渾身の力を振り絞って努力しました。机上で行われるだけの行政、縦割り行政から抜け出そうということを、ただのスローガンに終わらせないよう頑張りました。「聴策(市民の意見に耳を傾け、それを政策に反映すること)ワークショップ」を通じて現場の声に耳を傾け、反対意見など様々な意見をもった専門家の方々にも出席いただき、最後まで活発な討論で盛り上がる有意義な時間となりました。このように、市民と専門家グループ、ソウル市の行政が協治、即ちガバナンス体制の構築を成し遂げました。これまで、合計39回にわたって行われた「聴策ワークショップ」で約5,200人の市民にお会いすることができました。

「ソウル市報勲(国のために尽くした者の功績を称え、報いること)総合計画」も、現場主義の行政を行う過程の結果として打ち出されたものです。6月6日顕忠日(戦没者追悼の記念日)の顕忠院(ヒョンチュンウォン)参拝に続き、独立有功者(国の独立のために献身した人)とベトナム戦争に参加された元兵士の自宅を訪れました。そこでその人たちの声を直接耳にして「我々がこうした方々の生活を守ることができないとしたら、誰が国と公共のために献身できるのだろうか」という思いを新たにしました。その後、様々な報勲団体の方々と話し合い、ソウル市政において初めてソウル市公務員の幹部が報勲団体の事務室を訪れました。こうして、ささやかながらもそうした方々の献身に報いる方法を見出すことができました。

ソウル市の政策はほとんどの場合、このような過程を経て行われます。やはり、現場の声を聞かなかったら不可能だったはずの政策です。「障害者・希望ソウル総合計画」も、ソウル市の公共医療政策である「健康36.5」も、そして「ソウル市民の福祉基準の目安」「共有都市、ソウル」も同じです。何より「ニュータウン出口戦略」は現場の声と多様な意見を集約、取りまとめなかったらできなかったはずです。

私は、自分を支持してくださった市民の市長でもありますが、支持していない方々の市長でもあります。市政の中心軸は、左翼と右翼の対決、貧富の差、地域の格差、世代間のギャップなどをバランスよく調整できる「釣合い重り」になる必要があると思います。調和をなすための調整、それこそが行政の力ではないでしょうか。

第二に、行政の革新は「開かれた行政」で可能になりました。IT技術の発達で「開かれた市政2.0」の実現が可能になりました。「情報疎通広場」の設立でソウル市の公共データを市民の皆様と共有できるようにしました。情報こそが資産です。市民の皆様が求める前に、積極的に共有された行政関連情報は新しい付加価値を生み出すことと期待しています。それだけでなく「史官制度」を設け、市長が日常的に行う行政をきめ細かく記録し、行政の全ての過程を記録として残すための事業別白書を発行することにしました。また、政策の実名制を運営しており、さらには、インターネット放送である「ライブソウル・ライブウォンスン」を通じて、市長室まで市民の皆様と共有しております。これら全ての過程は、市政の合理性と透明性の確保につながると思います。

第三に、新しい情報伝達システムを活用した行政革新を成し遂げつつあります。「ツイッター行政」です。SNSによる行政が世界で初めて実現しました。今年7月には鍾岩洞(チョンアムドン)崇礼(スンレ)小学校前の歩道に設置されていた衣類回収ボックスが通学路における子どもの安全を脅かすと、ある若いお母さんが送ってくださったツイッターのメンションが、担当の室と局へ伝えられ、すぐに解決しました。「政治や行政には全く関心がなかった自分にとって、本当に大きな感動でした」とそのお母さんからの嬉しい言葉は、ソウル市政を行う上で大きなやりがいになりました。

このように、ツイッターだけでなく全てのニューメディアによって寄せられる市民からの苦情を一括で処理し、その結果を隠さず公開するSMC(ソーシャルメディアセンター)が設置される予定です。ソウル市の行政革新は、一歩ずつ進歩を遂げていくと思います。位置基盤、増強現実、音声認識など、新しい技術の変化をすぐに行政と結びつけることで、災害への備えや危機管理対応システムの基盤ができるでしょう。それだけではありません。ソウル市の室や局の長の皆様とも、モバイルコミュニティである「ソウル宝物倉庫」を立ち上げました。その中で数多くの提案と意見が自由に交わされ、お互いへの励ましや応援の声が次々と寄せられています。協業も自然に行われております。それはおそらく、机上で行われるだけの行政と縦割り行政の弊害をなくす上で、最も大きな効果をもたらす行政革新ではないかと思います。

これら全ての行政革新もやはり、市民の皆様のおかげです。「革新しなさい、まずは市民の生活に目を向けなさい」という時代のニーズが、ソウル市政を革新の道へ導きました。こうした行政における革新によって市民の「参加型行政」は、その方法がより具体化しつつあります。市民の皆様こそが政策の設計者になったといえます。来年度のソウル市予算の中で500億ウォンは「住民参加予算」として執行されます。ソウル市の将来像を盛り込む都市計画「ソウル2030」も「ソウルプラン市民参加団」が共に描いてくださいました。ハード中心の都市計画に、市民の生活の計画が加わったのです。

そしてこの一年、我々は福祉、安全、雇用の三つの目標に向かって、市民の皆様の力で、市民の皆様と共に歩んできました。市民の生活に具体的に役立つこと、市民の皆様に実質的に力になることに市の人材と予算を投資しました。市民の皆様の知恵を集めました。

第一に「ソウル市民の福祉基準の目安」を発表しました。これは自治体初の市民のための福祉基準の目安で、ソウル市民の福祉憲章としての役割を果たせると思います。所得、住居、介護・ケア、健康、教育を中心に韓国社会の普遍的な福祉を実現していく上での呼び水になると思います。市民の皆様は、今の時代における最高の先行投資は、人への投資だということを理解してくださいました。市民の皆様のおかげで実現した「ソウル市民の福祉基準の目安」。最善を尽くして育てていきます。

第二に、市民の生活における安全を守ることが、都市の安全を守ることにつながります。我々は都市安全の基礎を整えました。「災害及び安全管理基本条例」を制定し、市民中心の災害管理体系を構築しました。コミュニティ・マッピングを実行させ、携帯メールなどによる土砂崩れの予報を知らせるなど、予報・警報体制を構築し、都市の安全確保における市民参加の間口を広げました。特に、災害への備え関連予算は7,588億ウォンと、前年比で2,795億ウォンの予算が追加執行されました。どんなに頑張っても全ての災害を防ぐことは不可能であり、安全な都市づくりには多くの時間や財源が必要ですが、市民の皆様の安全が都市が存在する第一の理由だということを肝に銘じております。

第三に、安定した雇用こそ市民が幸福になるための基盤です。今年5月、非正規労働者の正社員化が始まりました。それに加えて、これからは持続可能な良質の雇用創出により、希望に満ちた経済の活性化を実現するよう取り組みます。国内外における先行きへの見通しが不透明である上、これまでの諸事情も決して良いものではありませんでした。雇用創出に向けて最善を尽くしてきたつもりですが、残念なところが多いのも事実です。しかし、ここで立ち止まることはしません。企業と大学間の人材連携システムを通じて、それぞれのニーズに合わせた人材養成プログラムを運営し、若者たちの夢がかなう「青年雇用のハブ」をつくります。また、共有と連携による社会的経済の実現を通じて良質の雇用を生み出していきます。あらゆる手立てを講じて零細商人を守り、昔ながらの市場や商店街を元気にするために手を尽くします。観光とエンターテイメント産業、MICE(Meetings, Incentives, Conventions and Exhibitions)産業の拡大を通じて、ソウルの成長エンジンを強化してまいります。

尊敬するソウル市民の皆様、皆様のおかげで我々は多くのことを成し遂げることができました。公共賃貸住宅を着実に供給し、債務削減のためにも努めています。ソウル市では公共賃貸住宅を、2012年の目標18,516戸から、9月現在、1万6千戸をさらに供給し、合計4万戸の公共賃貸住宅供給を実現させました。同時に、ソウル市と関連投資機関は、債務削減に向けて最善の努力を尽くしています。
しかし、ここ一年間、挫折し絶望することもありました。間違った政策を見直す作業は本当に難しく、大変な労力がかかりました。特に、20兆ウォンにも達する債務額に対しては、私は自分の知恵の限界を感じ、自分自身を責めたりもしました。長引く不況や税収減少、まだまだ制限が多い地方分権による限界と、そこからくる悔しさや無念さはもはや日常的なことになってしまいました。なすべき事は多く、したいことも多いですが、現実の壁にぶつかり、もどかしさもありました。

しかし、振り返ってみますと、その過程においてぶつかるあらゆるハードルは、スピードの出しすぎを防ぐ役割を担ってくれました。ゆっくりではあるものの、最後まで行政の革新を成し遂げ、市民一人ひとりの幸福度を高めてまいります。また、その過程において直面する危機の瞬間を市民の皆様のおかげで、うまく乗り越えることができました。皆様の支えと励ましによって「市民の利益」と「ソウルの未来」という二つの基準で、そして常識と合理という観点から、あらゆることに対応することができました。市民の皆様、本当にありがとうございました。

私は再び現場に戻ります。今年11月1日に、恩平(ウンピョン)ニュータウンに市長室を臨時に移動させます。そこで、SH公社が建てた売れ残りのマンションをどう処理できるか、また入居者のためには、どうすればよりよい生活環境を整えることができるのかについて考えます。その答えを出すために熟慮を重ねます。この問題だけでありません。これまでもそうだったように、これからも様々な市民生活にかかわる懸案や、伝統市場、若年失業、高齢者の孤立問題、保育問題などについて自ら現場を歩き回りながら、答えと解決策を見出すために市長室を移す「移動市長室」を行います。

私がソウル市長になってもう一年となりますが、この場をお借りして感謝と尊敬の意を込めてお礼を申し上げたい方がいます。それは、ソウル市の職員の方々です。皆様がどれだけ献身され、苦労されてきたのか、私はよくわかっています。私のような細かくてうるさいリーダーの下で、よくも我慢し、与えられた任務を責任をもって遂行してくださいました。皆様のような良き仲間に出会えたのは、私の人生において大切な宝物といえます。

親愛なるソウル市民の皆様、私にはいつも支えになってくださる皆様がいます。合計3,430人の方の名前がここに書かれています。全てソウル市政に参加してくださった方です。1日市民市長、名誉副市長、聴策ワークショップに参加された市民の方々、ウォンスンさんのソウル物語に出演された市民の方々、市民作家の方々、希望の種プロジェクトに参加された市民の方々、私のツイッターに意見を送ってくださった方々など。そのほかにもたくさんいらっしゃるはずです。ソウル市の幸せは、全て市民の皆様のおかげです。

市民の皆様、私たちは皆それぞれ違う音を出す楽器です。しかし、我々は壮絶な演奏をする一つの大きなオーケストラです。弛まず参加し続け、忌憚なく指摘してください。私もソウルというオーケストラをうまく指揮するよう頑張ります。本日、この一年を振り返ってみましたが、私はこれからの一年を楽しみにしております。我々がどんな美しい音色を奏でるのかが楽しみです。希望と喜びにあふれる毎日、最善を尽くす毎日になるよう努力します。ひとえに市民の皆様のおかげです。市民こそ市長です。ご清聴、ありがとうございました。




地下鉄の歴史の中に、ソウルの深い歴史が溶け込んでいます

「ソウルメトロ30年史」発刊祝辞

月日:2012年10月22日

私も時々地下鉄を使って出勤します。市長になるまでは毎日利用していたありがたい交通手段でした。そのように時々であっても朝、出勤途中に地下鉄を行き交う多くの市民の足取りに出会います。そこに市民の人生があるためです。

このようにいつもソウル市民の皆さんの足である地下鉄を運営してきたソウルメトロが30年史を発刊すると伺いました。並大抵の深い歴史ではありません。であれば、その地下鉄に込められた1千万市民の人生の物語もどれほど深いものなのかと想像してみます。

1981年に創立されてから、ソウルメトロは最も多くの市民が利用する1~4号線を運営し、市民の足となって生活の基盤を支えてきました。30年という期間をソウルの成長と共に駆け抜けてきました。地下鉄と共に都市が拡張され、生活圏が統合あるいは分離し、今日では地下鉄を中心に新しい文化が形成されるなど、ソウルメトロはソウルの成長・変化とその軌道を共にしてきました。

30年という歳月を経ながら世の中が変化したように、地下鉄も大いに変化しました。路線が9個に増え、乗車券も交通カードに変わりました。地下鉄にホームドアが設置され、様々な便宜施設が増えました。同時にサービスも進化し、市民と共につくり出す地下鉄の風景も過去とは全く異なる姿を見せています。

ソウルメトロの30年の歴史が詰まっている資料集には、地下鉄の話はもちろん、ソウルの成長と歴史の主人公である市民の人生がそっくり溶け込んでいます。それで市民のことをいつも考えている市長として、より一層この本の資料が意味あるものに感じられます。これまで地下鉄を通じて続いてきた変化の良い流れは、より良い地下鉄、より良いソウルをつくる上でも立派な基礎になるだろうと考えます。それだけでなく、全ての市民が希望を歌うことができる幸せなソウルをつくる強固な力になるでしょう。