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[2012] 市長挨拶


「健康体温36.5度」を目指して市民の役に立つ医療政策を展開します。

公共医療マスタープランに関する記者説明会 日付:2012年7月23日 場所:ソウル医療院 今皆様の体温は何度でしょうか。健康な方なら大体36.5度前後でしょうね。ところが、ソウルの現実はこの体温を維持することすら難しい方が増えているのです。全ての市民には病気になる権利があると同時に、健康である権利もあります。しかし、これまで保健医療の分野でこの2つの「権利」は十分に満たされていないのが事実です。 市民の多くは、病気になると公共医療機関よりは民間の医療機関で治療を受けているため負担が大きく、公共医療は低所得者層などの社会的弱者に必要最低限の医療支援だけを行ってきました。しかし、本日発表させていただく「ソウル市の公共医療マスタープラン」は公共医療の対象者を「すべての市民」に拡大します。 このプランでは、全ての市民が健康を享受する権利を守れるよう予防政策を強化しました。それに加え、全ての市民の病気になる権利を保障するためにきちんとした医療サービスを提供します。それでは、ただ今よりその詳しい内容について説明いたします。 お医者さんも病気の原因が分からなければ、治療に当たることができません。ソウル市もきちんとした公共医療政策を実現するため、まずソウル市の現状を点検することから始めます。医学技術が発達して医療保険制度が定着した今日、ソウル市の死亡率は減り、平均寿命は延びました。しかし、詳しく見ますと、自治区別の死亡率にはそれぞれ顕著な差があることが分かります。お手元の資料では赤の部分が死亡率の高いところです。中浪(チュンナン)区の死亡率は人口10万人当たり469人と、最も高いです。それに対し、最も死亡率の低いところは、グレーで表示された瑞草(ソチョ)区で、335人となっております。貧富の格差が健康の格差につながっているのではないかという指摘が出ています。 病気はかかってから治療するより、日ごろから予防することがもっと大事です。韓国人に最も身近な病気の一つである高血圧。ここ10年で、食生活の欧米化が進むにつれ、高血圧患者はほぼ倍増していますが、実は高血圧は日常生活の中で予防さえすれば十分防げる生活習慣病です。こうした予防サービスは営利を目的とする民間医療機関ではほとんど不可能なので、主に公共保健機関が提供しなければなりません。ところが、1千万の人口を抱えるソウル市の公共保健インフラはあまりにも脆弱なのが現状です。2010年の医院数に対する公共保健機関の割合は0.66%と、全国平均の12.6%とも著しい差がみられます。このようにあまりにも不足している公共保健機関の施設では、市民たちに予防医療サービスを提供することはなかなか難しいです。 では、ソウル市を元気にするためにはどうすればよいのでしょうか。市民はもちろん、保健医療の専門家や保健医療関連の市民団体など約1,000人が118回にわたって討論を行い、意見をまとめました。中央政府の協力を引き出すため、各省庁や市の内外の職員たちとも幾度となく意見調整を繰り返してきました。その結果「健康ソウル36.5」を目指してソウル市が進むべき基本方向を定めました。 ソウル市は「健康ソウル36.5」の実現に向けて、次のように実行いたします。 第一に、ソウル市は市民の健康寿命をさらに延ばすよう努力します。子供からお年寄りまで自ら健康づくりに取り組めるよう精一杯支援します。 第二に、階層や地域による健康格差を是正します。自治区ごとの死亡率格差を10%以下に抑えます。そのために、365日市民の健康を守るためのきめ細かな支援策を進めるよう努力します。 まず、市民向けの健康管理サービスを行い、病気の予防と健康管理を強化します。市民に親しまれるソウル型医療サービスを提供し、市立病院の改善を行い、質の高い公共保健医療システムを整備します。市民が健康を享受する権利を、市民とともに守っていきます。市民がただ政策の恩恵を受けるだけではなく、市民自らが提案者や実行者、決定者になる仕組みづくりに努めます。 そのためには具体的にどうすべきか、より詳しい内容についてご説明いたします。 まず、市民の健康を守り、健康格差を是正するために、次の6つの政策を実行します。 病院まで行くのが困難な乳幼児や産婦などは、医療施設まで足を運ばなくても済むようにします。ソウル市が在宅医療サービスを行います。健康を損ねる最大の原因とされる喫煙を減らすため、屋内禁煙政策の実施や禁煙環境づくりを後押しします。 健康づくりのためには運動が最も効果があるというのは、誰もがご存知だと思います。しかし、それを分かっていながらも実行に移すのはなかなか難しいですね。そこで、ご近所にある体育施設を利用して身体活動の機会を増やせるよう、生活体育と保健を結び付けます。OECD加盟国中自殺率1位、高齢者や青少年の自殺率1位、そして、ニューヨークに比べ5倍も高いソウル市の自殺率は、我々が抱える実に痛ましい現実です。韓国語で「自殺(ジャサル)」という言葉をひっくり返すと「サルジャ」、つまり「生きよう」という意味の言葉になります。共に力を合わせれば乗り越えられます。すでに蘆原(ノウォン)区が良いモデルとなっております。ソウル市もこれを良い事例として参考にし、自殺率低下に向け努力いたします。地域密着型の自殺予防事業を推進し、共に生きていける心温まる都市づくりに努めます。 医療サービスの行き届かない地域に健康管理システムを構築いたします。さらに、ガンの発生原因と有害物質管理に関するソウル市の保健環境政策を策定し、脆弱な階層や地域への予防的管理措置を行います。 特に乳幼児や産婦への訪問健康ケアサービスはソウル市が市民の生涯の健康を支援するサービスです。「揺りかごから墓場まで」という言葉がありますが、生まれてからではなく生まれる前の胎児の時から健康を守ります。乳幼児、特に生涯の健康を左右する5歳未満の健康状態をしっかり管理し、生涯にかけての健康維持ができるようにします。子どもが健康であるためには、まず母親が健康でなければなりません。妊娠20週間未満、そして出産後、公共医療機関の看護師が出向いて、出産前、出産後の母親、乳幼児に専門の訪問健康ケアサービスを提供いたします。そのモデル事業を来年から始めます。 韓国人男性における死亡率のトップは肺がんです。喫煙がどれだけ体に悪いのかはご承知の上だと存じますが、受動喫煙の弊害も深刻です。我々ソウル市が受動喫煙から市民を守ります。来年から受動喫煙による被害を最小限に抑えるため、屋内喫煙の規制措置を全面的に行います。喫煙者にはそれぞれの事情に合わせた訪問禁煙クリニックを運営します。また、メディアを通じ、啓発やタバコ広告の規制など、禁煙環境づくりに尽力いたします。 「健康ソウル36.5」の実現に向けた具体的な主要課題の二つ目は、ソウルで行われる医療サービスの質を向上させることです。 普段の生活において病気になった時に、自分だけの主治医がいればどんなに助かるだろうと思ったことはありませんか。そこで、保健所の健康管理主治医が市民向けの健康管理サービスを提供いたします。保健所が遠い方のために「ソウル型保健支所」を拡充します。保健所にまで足を運ぶのがなかなか難しい方のためには、いつでもどこでも、専門家による電話健康相談を受けられる「ソウル健康コールサービス」を提供いたします。代表的な生活習慣病である高血圧や糖尿病を早期発見、早期治療ができるようにします。高血圧と糖尿病の治療や教育を受けるたびにポイントが貯まる「市民健康ポイント」制を実施し、貯まったポイントで検査や予防接種が受けられるようにします。 家族の誰かが病気になると、何より看病が大変です。そこで、これからソウル市は、付き添いサービスの提供を行い、保護者が付き添わなくて済む病院を運営します。同時に救急診療を特化し、高齢者や子ども、女性、精神疾患者向けの専門救急サービスを提供いたします。 市民の皆様にとって最も実感できる政策が、この保健所健康主治医サービスではないかと思います。健診の結果を見て、どうすれば良いか悩まれた方も少なくないと思います。その際に、保健所に足を運べば、健康主治医から健康管理の指導を受けることができ、健康クリニックでは禁煙、節酒、運動、栄養などの関連サービスを受けることができます。ソウル市民なら誰でも保健所を利用することができます。 病気の治療に重点を置く民間病院はたくさんありますが、健康増進や疾病予防に重点を置く保健機関はかなり不足しているのが現状です。地元住民の健康をケアするソウル型保健支所を2014年までに75カ所増やします。病気の予防や管理サービス、リハビリサービスを行うスタンダード型保健支所と、住民自らが生涯健康管理に取り組めるよう後押しする参加型保健支所に分けて、それぞれのサービスを提供いたします。 家族の誰かが病気になると、家族全員の生活はめちゃくちゃになってしまいます。家族の苦しみや治療費の負担も大きいですが、介護もなかなか大変です。しかし、核家族化や女性の社会進出拡大で家庭内で患者を介護することは、そう簡単なことではありません。また、付き添いは医療保険の適用が認められておらず、経済的な負担は並大抵のものではありません。そこで、看護師の数を増やし、良質の医療サービスを提供する「保護者が付き添わなくても済む病院」を運営する考えです。2012年ソウル医療院を皮切りに、全市立病院へ拡大します。 これらの政策をソウル市が一方的に作るのではなく、市民が参加し、共に健康的な環境を築き上げていくこともソウル市の重要な課題です。 そのためにはまず、医療関係者の参加や協力が欠かせません。休職や退職をした、ソウル市在住の医療関係者がソウル市の進める公共医療に参加できるよう、再就職やボランティア活動の機会を増やすようにします。 庶民の健康を守るため公共の役割を果たしている、地域の健康関連団体を活性化し、サポートします。ソウル市で活動している150余りの民間医療ボランティア団体の自発的なボランテジア活動を支援し、その内容を市民の皆様に報告いたします。また、患者の権利を守るための「患者権利オンブズマン」を実行します。市民の参加による保健政策の策定のため、市民健康会議を開催いたします。トラウマを抱えている人権侵害の被害者などには、統合的なケアサービスを受けられるようにいたします。 具体的な政策として「患者権利オンブズマン」について、詳しくご紹介いたします。医療という専門的な特性により相対的に弱い立場にある患者の権利を保護し救済するために、オンブズマン制度を立ち上げます。苦情相談や権利侵害など、医療サービスに対する不満や不便を解消するため、弁護士や医師、消費者団体などでつくる「医療に関する苦情処理諮問団」を運営します。患者や家族としては、何の病気なのか、どんな治療を受ければいいのか、別の治療法はないかなど、知りたいことがたくさんあると思いますが、医師にはなかなか聞きづらいものです。患者の知る権利を尊重し、守るよう努力します。 保健医療は個人の日常生活と密接な関係があります。日々の悪い生活習慣が病気につながります。つまり、生活環境が病気を引き起こします。 地域住民自らが健康な町づくりに参加できるよう、地域の健康関連団体を支援し活性化します。保健所(保健支所)とのネットワークを構築し、公共の役割を共同で遂行していくために協力いたします。地域の健康福祉コミュニティとしての役割を果たす医療生活協同組合、地域健康団体などに人的、物的支援を行います。 現代人は体の病気だけでなく心の病気も深刻です。特に重大な事件や事故を経験した後に、体の病気は治っても、心の傷は深く残ります。龍山(ヨンサン)火災事件や、牛眠山(ウミョンサン)の土砂崩れ、双龍(サンヨン)自動車の不当解雇、そして韓国の現代史に深い傷として刻まれている拷問被害者など、社会的なトラウマに苦しむ人たちのために、体や心のケアだけでなく社会福祉的な問題を含めた包括的なケアを行います。 このようなソウル市の公共医療政策「健康ソウル36.5」。市民の暮らしをどのように変えていくのでしょうか。 ソウルで生まれた赤ちゃんは、母親のおなかの中にいるときからすでにソウル市の公共医療サービスを受けることになります。生まれてからは母親と赤ちゃんの健康のために看護師が自宅に出向いてケアを行います。予防接種も保健所が行います。やんちゃ盛りの小学生になると、親は大変です。子どもが一生健康な生活を送るためには、食生活から歯磨きの習慣まで親がいちいち教えなければなりません。それもソウル市の公共医療サービスが行います。特に、韓国では健康な歯は人生の「5つの福」の1つといわれますが、その管理も公共医療機関の主治医が担います。働き盛りの中年層も健康管理に気をつけなければなりません。市民自らが健康管理能力を身につけられるよう、町の保健所で健診から管理まで全て可能になるシステムを整えます。病気になる前から健康管理できるよう、栄養や運動に関する相談にも応じます。お年寄りになると健康の重要性をより切実に感じるようになりますが、従来の認知症支援センターを高齢者健康増進センターに名を変え、全てのお年寄りに健康サービスを提供します。訪問看護師の数を増やし、寝たきりや体の不自由なお年寄りに医療サービスを提供します。 このように「ソウル市公共医療政策-健康ソウル36.5」は「揺りかごから墓場まで」ではなく「おなかの中から墓場まで」のライフサイクル全体にわたって、市民の健康状態を把握し、ケアします。 「健康ソウル36.5」が順調に進むよう、市政全般について、健康影響評価(ヘルス・インパクト・アセスメント)を行い、事業評価システムも構築します。また、持続可能な政策の実現に向け、優秀な人材を確保するための方策を講じ、ソウル市健康委員会を設置、運営します。 政策実行のカギとなるのは予算です。ソウル市の保健分野予算は、世界の同規模の都市に比べると、はるかに少ないのが現状です。2011年現在、世界大都市の保健予算の割合は、東京7.5%、シンガポール4.7%、ニューヨーク2.3%に対し、ソウル市は1.3%でした。これを受けて、ソウル市の保健予算を2012年1.3%、2013年1.8%、2014年には2.3%と、徐々に増やしていきます。 私は本日この場で、ソウル市の公共医療マスタープラン「健康ソウル36.5」を発表しました。生老病死は人間なら誰でも避けては通れない人生の過程です。ところが、世の中には貧富の格差や暮らしの格差だけでなく、生老病死にも深刻な格差が存在するようになりました。これからソウル市は全ての市民に対し、健康に暮らせる権利を保障します。 それに加え、病気になる権利も保障します。事前に病気を予防し、病気になった時には最大限の保健医療サービスを提供することで、患者として享受すべき権利と治療を保障します。 本日、この場がソウル市民の生老病死を変える第一歩になると思います。ご清聴、ありがとうございました。
SMG 982

図書館都市ソウルを通じて市民の力を育てます

「図書館・読書文化活性化総合対策」記者説明会 月日:2012年7月16日 会場:ソウル市庁西小門庁舎ブリーフィングルーム これまで数多くの会議を通じてソウル市の公務員と関係機関、教育庁、読書文化に関心を持つ各団体と共に取り組んできました。他の様々な政策もそうですが、市民の参加、市民団体との持続的関係がなければ、完全な政策は出てこないし、持続することもできないと思います。市民が提案し、市民と共に悩み、共につくったのです。 都市の品格を決めるのは何でしょうか?皆さんに聞いてみたいと思います。摩天楼も重要で、交通も重要でしょう。公園も重要でしょう。けれども、都市の品格をよく表すものは図書館ではないかと思います。「その都市の過去を見たければ博物館に行き、未来を見たければ図書館に行きなさい」という言葉があります。その都市の常識と価値をつくる仕事だと思います。常識と価値が尊重される社会こそ、品格ある社会です。 日本には皆が連合した研究所があります。市民力を育てよう、市民の力を育てよう。 世界の多くの国の市民に対して知的な力をテストしたら、果たして何位になるだろうか。そのようなものが私は図書館だと考えています。実際、これまでソウル市には、図書館政策がなかったと言えます。教育庁がソウル市から分離していく時に図書館も一緒に切り離されました。ただし、ソウル市として推進したものに、8個の区域に分けて拠点中心図書館をつくろうという施策がありました。 私は市民生活の隅々に密着した図書館をつくるべきだと考えています。有名な国際都市の古本屋の地図を描いてみろと言われれば描けるほどです。ワシントン、ニューヨーク、ロンドンなど…どこに何があるか、大体分かります。あまりにも古本をたくさん買うので、仲介商かと聞かれたこともあります。なぜなら、その国の人は本をたくさん買いません。近くに図書館があるので本を買う必要がないのです。 自治区の複数の図書館がネットワークしてコミュニケーションを図れる密着型図書館をつくることが重要です。五つの目標があります。第一に、徒歩10分圏内に図書館をつくるのです。ソウル市公共図書館を880万人が利用しなければならない状況です。小さい図書館も748カ所ありますが、主に住民センターや婦女会が運営していて、まず支援もあまり受けられず、専門性も低いのが現実です。 家から10分の距離にちょっと出かけるように図書館に行ければどれくらい良いでしょうか? 外観が華やかでなくて、小さくても中身が充実した図書館になるようにします。2030年をめどに1372カ所に拡大します。もちろん遠い未来かもしれませんが、遠い目標に向かって今から歩き始めてこそ到達できると思います。 二番目は、市民が本を読むようにすることです。33%、10人中3人が本を一冊も読まないという統計があります。このままでは未来がありません。2007年度には12.7冊だったのにかえって減りました。もちろんスマートフォンなどができましたが、私は読書が人間を成長させて価値をつくるのだと考えています。私がブラジルのクリチバ市に行った時、「知識の灯台」を写真に撮りました。所得格差が深刻化すると、クリチバは図書館をつくり始めました。古代エジプトのファロスの灯台に影響を受けてつくったそうです。この図書館が運営するプログラムです。封筒があって中にはある詩人の詩がたくさん入っています。その詩人について全て理解できるようになっているのです。詩の同好会をつくって互いに交流もしています。詩を読む市民がそれこそ品格ある市民だと思います。クリチバはこうした多様なプログラムが100個以上運営されています。公共学校、文化学校の役割を担い、貧民層の教育もしています。 ソウル市も年齢別、階層別に多様なプログラムをつくって提供するようにします。ホームレス、高齢者など疎外されている弱者のためのプログラムも用意します。点字本も提供します。そして図書館に行ったのに読みたい本がなくて戸惑ったことがあると思いますが、これからはそうしたことがないようにします。公共図書館の蔵書を市民一人当たり2冊以上になるソウルをつくります。 四番目に、図書館で地域特性を生かしたオーダーメード型地域プログラムをつくって提供します。 子どもたちの保育プログラム、若者の就職プログラム、社会人の再教育プログラムなど、多様なプログラムを準備します。 最後に、一度利用した市民が図書館を再び訪れるようにする、再訪する図書館をつくります。今は満足度が66.5%ですが、これを90%まで引き上げます。不満を早期に修正して満足度を高めるようにします。 これを具体化して実行する実行方法を申し上げます。まず、図書館を活性化するために、専門知識を持った司書を拡充します。公共図書館と小さい図書館のコンソーシアムを構成して活性化します。二番目に町の図書館を拡充します。市費を拡大して、毎年公共図書館を8カ所以上増設し、特に低所得層が密集する地域に図書館を建設する場合には、現在の40%から50%に市費支援を引き上げます。寄贈による小さい図書館を活性化し、図書停留所を実施します。ご存じのように、私は5万冊の本を使用できるようにスウォン(水原)市に寄贈しました。私がソウル市長になると知っていたらもちろんソウル市に寄贈したでしょうが、既に、ソウル市長になる前に約束していたことなので、水原市に寄贈しました。鉄鋼王カーネギーも図書館を寄贈しました。名士による小さい図書館、旅行する図書館は本を寄贈してくだされば、移動して運営する図書館とする計画です。第1号名士図書館の主人公はどなたになるでしょうか? そして読書文化を活性化するために、ブックフェスティバル、多様な学術活動なども進める計画です。ゆりかごから墓に入るまで本を読む文化をつくることが重要でしょう。それで人生初の証明証は図書館の会員証になるようにします。私も貧しい田舎で図書館部に属していました。それが今の私をつくったと思います。 こういう多様な意見を取りまとめて運営する運営組織が必要ですが、そのためにソウル代表図書館を運営する計画です。ソウル図書館ネットワークを構成し、協力諮問を求めて、教育庁ともネットワークして、自治区の図書館ネットワークも活性化していきます。 そのための予算を今年160億ウォン配分し、来年には210億、2015年には310億まで増やします。今後ソウルの図書館政策はソウル代表図書館がリードしていくでしょう。ソウルの情報の中心、また、図書館の中心図書館となるでしょう。ソウル市図書館整備サービス委員会を構成して運営します。 ソウル代表図書館は今年の秋に開館予定です。地域の公共図書館を総括し、支援協力する機能を遂行し、特化した専門情報・資料の支援機能を遂行して、公共図書館の基本機能も遂行します。ソウル代表図書館を通じてソウル市民の皆さんが本を読む自負心を高められるようにします。 ビル・ゲイツは「私をあらしめたのは公共図書館だった」と話しました。町の公共図書館が一人の人間をどう変えていくのか、如実に示しています。図書館都市ソウルを通じて、市民の力を育てます。
SMG 1,285

皆様の生の声を聞くことができてよかったです。

「聴策」を積み重ねる 日付:2012年6月5日 場所:ソウル市庁・西小門別館大会議室  「聴策(市民の意見に耳を傾け、それを政策に反映すること)ワークショップ」は、これまでの市政運営の現況を、市庁のすべての室や局、政策パートナーらと共有し、自由に意見交換をすることで問題点を見つけ出し、発展方策を模索する場でした。 皆様のお話を聞くと、とても重要な政策的アイデアがたくさん出てきます。このような機会がなかったら、私がどうやって現場の生の声や専門家の話、そして市民の苦しみについて聞くことができたでしょうか。ここで全て聞けますから、私にとっては本当に有意義な場だと思います。もちろん、全ての人の話を全部聞くことは不可能です。一言でも言いたい気持ちは誰にでもあるはずなのに、それができなくてやむを得ず、ただ人の話を聞いて帰るしかない方もいます。でも、それはまだ始まりの段階に過ぎず、そうやって持続的に議論を積み重ねるからこそ、一つの政策が完成します。たぶん、公務員の立場からすると、とても大変だったとは思います。こういう仕事は今まではしなかったからです。ただ、机に向かって仕事するだけにとどまると、いくら頑張っても後でその政策が発表されると、現場の人たち、専門家、そして市民にとってはピンと来ないのです。それは当然な結果かもしれません。そういう人たちの意見が反映されていないから、その政策は実効性に欠けるものになってしまいます。今問題となっている政策はまさにそうして作られたからです。政策がうまく完成できるためには、結局このようにやるしかありませんし、またその実効性を保障するためにはそうなるしかないですが、ソウル市の公務員の皆様がそのことに気付いて、いままさにそれを学んでいる段階にあると思います。 先ほど図書館政策について伺いましたが、実は、障害者政策や非正規雇用問題などは、すべて現場の声と専門家や市民団体の意見にずっと耳を傾け続けてきたからこそ、関連政策が発表されると、周囲からお褒めの言葉をたくさん頂戴するわけです。そして、政策が発表されたからといってすべてが解決できたわけではありません。結局、その新しいガバナンス体制が構築されることで、その政策をこまめにチェックし続け、もっと発展させていく過程を経ていくわけです。図書館ネットワークが作られたのも、こういう観点から見ると、ユン課長がとても素晴らしいことを成し遂げたと言えます。なぜなら、そのネットワークをこれからずっと築き上げていくことになるからです。 私は、良き行政とはまさにこんなことを言うのではないかと思います。また、先ほどフィードバックがきちんと行われていない、という指摘もありましたが、実際に私も聴策ワークショップが終わると、そこから出た意見やアイデアを忘れてはいけないと思って、関連実務者たちに私がメモしたことや感じたことをできるだけ伝えようと心がけます。私はいつも職員たちに「いつまでも抱え込まないで、早く進めなさい」と言っています。 一人で抱え込んでいると、3か月いや1年経っても進みません。必ずしなければならないことなのに、どうすればいいのかわからない、だから、また別の聴策ワークショップを開いて再び話を聞いて、またそれを上司に渡してはフィードバックしてもらう。そういう過程の繰り返しだと思います。一度で終わることではなく、私は聴策ワークショップが終わると、またもう一度そのワークショップを開きます。それが実践できるかどうか、短期的な課題か、長期的な課題か、それを検討していくうちにフィードバックの時期はやや遅れることもあります。先ほど区長がおっしゃったように、できるだけ早く進める。遅れたら検討中だということでも話してくれたほうが良い、ということです。一つの問題が完全に解決できてから、それを発表するのではなく、初期段階、中間段階というように、すべての段階で報告し続ける、そういうシステムが定着すればと思います。 先ほど、イ・ウンエ代表が本当に重要なことを話してくださったと思います。「聴策ワークショップ」をソウル市庁が主導して行うより草の根レベルで行い、その過程で担当公務員を招いて一緒に話し合うと、もっと実現できる可能性が高くなるのではないかと思います。その時は私も感動を受けました。終始すごい盛り上がりを見せました。私がその時、恩平(ウンピョン)消防署にお任せしたいと話したはずです。なぜなら、これほど一所懸命に頑張っている人たちがたくさんいらっしゃる地域で、こういうことを一つ任せると、どんどん広がると思ったからです。本当にうまくいくと思います。 先ほど、「直接民主主義」という表現を使われましたが、実は簡単なことではありません。ソウルという一千万人もの人が住む都市にとっては、このようなことが時にはムダだと思われがちだからです。しかし、私はこのような過程が形式的なものに終わるのではなく、実質的に役に立つのですから必要なことだと思うのです。本日、皆様からいただいた貴重なご意見は、私たちがしっかり受け入れて、改善すべきところは改善して下半期にはもっとうまくいくよう最善を尽くします。ご清聴、ありがとうございました。
SMG 959

ソウル市が満塁ホームランを打てるように、共に悩みましょう

野球発展のための聴策討論会 月日:2012年6月4日 会場:チャムシル(蚕室)野球場 今日、様々な困難についてお話がありました。現職市長として申し訳なく思います。 果たして現在の球場を、アマチュアとプロの間でも話が出ていますが、まず球場をどうしたらよいか。一部改築して使えるようにするのか、またはちゃんとした施設をつくるべきか。つくるとしたら、資金や場所はどのように工面するのか、容易な問題ではなさそうです。 皆が額を突き合わせて考えるべき問題だと思います。私はこのことを決してどこか一つの機関、一人の責任だとは思いません。私はパートナーシップがとても好きです。今、例えば一部は球団の責任もあるでしょう。ソウル市だけの責任ではありません。施設の運営、ソウル市と力を合わせて球団をつくること、管理すること、市民が楽しめるようにすること、みな一緒にパートナーシップを持って行動しなければなりません。 今の社会は過去とは異なり、お互いに対話してコミュニケーションを取る手段がたくさんありますが、それをうまく活用できないでいます。今も色々な放送局で放送されていて、ツイッターで生中継もしているのですから、これを活用できそうです。 野球と野球ファンのためにできることを考える議論は今日からスタートです。例えば、フェイスブックに今デザインがどのようにソウル市を変えていくのか載せました。野球についても、ファンたちと野球専門家がいくらでも意見を出すことができると思います。 私は体育やスポーツが本当に重要だと考えています。例えば医療費用の場合も、肉体的に運動し、精神的に楽しめば病院に行く回数が減ります。病院に行く費用の5%、1%だけでも体育施設に投資すれば、そのほうがずっと効果的だと考えます。そのような側面から考えてみる必要があります。 ソウル市に対する厳しい批判もありましたが、野球ではいつも9回裏2アウト後の満塁ホームランということが起こりえます。ソウル市が満塁ホームランを打てるように、皆さんと共に悩み、解決していければと思います。
SMG 1,161

ソウル市は女性が安心できる安全な街になるでしょう

ソウル市女性安心帰宅スカウト発隊式 月日:2012年5月27日 会場:ソウル市庁多目的ホール 「女性安心帰宅スカウト」に選ばれた皆様に感謝申し上げます。 ソウルのどこかで犯罪事件が起きたと聞くと、恐ろしくなりますよね。残念なことに、昨年ソウル市で起きた強姦や強制わいせつなどの性犯罪は4900件を超えます。 街の安全は市民の基本権であると思います。ソウル市は安全な街をつくるために、まずソウル警察庁と連携してしっかりした治安の維持を目指します。また、犯罪を防止する都市デザインを導入して犯罪が起きにくい環境をつくり、未然に防止する活動にも注力しています。 犯罪を防止する最大の力、その一つの軸は市民です。市民同士の関係が深く、町の中に監視の目が多くなれば、犯罪発生率は低くなります。 本日の「女性安心帰宅スカウト」は、市民の力で犯罪を防止すると同時に新しい雇用を生む一石二鳥の事業です。特に「女性安心帰宅スカウト」に女性の皆様がたくさん応募されたと聞いて心強いです。皆様のおかげで女性は安心でき、ソウルは安全な街になりそうです。よろしくお願いいたします。
SMG 1,019

大雨に目覚めても皆が共に元気で幸せなソウル

2012年ソウル水害安全対策記者発表会 月日:2012年5月21日 会場:ソウル市庁西小門庁舎ブリーフィングルーム 市民と共につくる2012年ソウル水害安全対策、安全が市民の幸福の基本です。その基本のためのソウル市の対策を申し上げます。 今年2012年夏、雨期の予想です。予想を超えて安全を図るためです。降水量が平年より少ないという嬉しい見通しですが、この通り信じられるかは分かりません。大気が不安定で局地的に大雨が降る時があるそうです。遠くチェジュド(済州島)の場合を見てもそうです。つい先日、今年4月に「水爆弾」にあいましたね。道路が流失してあちこちに被害が発生しました。4月の過去最高値を記録しました。ハルラサン(漢拏山)の場合、一日に581mmが降ったほどですから。不安定な大気による大雨は場所を選んでいません。 それでは先に水害の発生現況を見ましょう。正確に把握してこそ備えることができます。現況を見る前に環境を確認したいと思います。1時間当たり30ミリ以上の大雨が平均3~4回だったのが2010、2011年には5~6回以上に増えました。不透水率はもっと驚く数字です。1962年度に8%だったのが2010年には何と48%です。それに比べて人口と資産はソウルに集中していますね。浸水に弱い地域にある地下住宅は何と4万世帯に及びます。 2012年のソウルの水害現況です。34の主な地域で発生しました。人命被害は18人、浸水被害件数は1万4806件、被害額は308億ウォン以上に達します。まだ癒えてない傷であり、人生の苦しみとなっています。昨年最も多く雨の降った地域は、7月27日クァナク(冠岳)区ナムヒョン地域でした。1時間当り113ミリ。3時間で何と218.5ミリ降ったのです。 具体的に2012年今年、水害に弱い主な地域での水害防止対策を見てみます。気候環境と都市環境の変化により、きめ細やかな対策が必要な時です。そのために次のような過程が当然のことになりました。水害現場の地域住民に確認し、市民団体と大討論会を開きました。専門家と熟議を繰り返し行い、日本の防災の現場を見学しました。全ての関係者と聴策ワークショップを開きました。関連機関と協議して業務協約を結びました。2255人と対話しました。再度確認し、再三会議を行いました。 そのようにしてつくったのがトリムチョン(道林川)地域水害防止対策です。この地域では、昨年最大で1時間当たり113ミリの雨が降り、3327カ所が浸水しました。このためソウル市は、地域住民に昨年8月6万トン規模の雨水貯留施設の導入を約束していました。しかし、地域住民と地域の市民団体、ソウル大学といった関連機関の間で意見が分かれていました。雨水滞留施設について様々な意見があふれました。方法は一つしかありませんでした。「青い共同体暮らしの基盤」など24の市民団体と繰り返し協議しました。ソウル大学と協議した回数だけでも8回を超えます。今年5月1日、現場にも行ってきました。 ついに合意に至りました。ソウル大学の正門前に6万トン、ポドゥルコルに1.5万トン、工大滝に1万トン規模の貯留施設をつくることにしました。この場を借りて、合意してくださった全ての方に感謝申し上げます。ソウル市の立場では不便な点もありました。しかし、特に市民団体は公務員が見逃していた点などを事前に注意深く把握しておられました。工事は時間がかかるので、今年この地域の対策としては、カンナム(江南)環状高速道路の工事現場を利用して雨水を貯留する計画です。 次は、クァンファムン(光化門)地域です。この地域は、人命被害はありませんが、最近繰り返し浸水が起きています。したがってソウル市は、今年8月4日、地下に深さ40メートルの雨水トンネルを設置すると発表しました。しかし、費用もたくさんかかり、環境にやさしくなかったのです。他の方法はないか綿密に検討しました。 方法を見つけました。施設の改善により対応能力を向上させます。浸水の原因と指摘されてきたC形の下水管渠の限界を克服するために、クァンファムン(光化門)地域の施設改善を計画しました。長さ100メートルの雨水受けを拡充し、長さ140メートルの下水ボックスを改善する方法です。国家の象徴とも言える地域ですが、人命被害など市民の暮らしに直接的な被害は大きくありませんでした。予算を削減し、環境を考慮する方法を選択しました。 もちろん光化門地域でも市民と専門家の意見を取りまとめる過程を経ました。追加の大規模施設を導入する必要性についても意見が分かれていました。しかし、水環境を考慮した環境治水が究極的な目標となりました。 もう1カ所、シンウォル(新月)地域です。この地域は平均して約4千世帯が毎年繰り返される大雨で浸水被害にあっています。市民の苦痛が大きいです。新月地域でも市民団体、専門家と何度も浸水の解消方法について議論しました。下水ボックスや雨水貯留槽を利用する方法、チェムルポ(済物浦)トンネルとの連携、京仁地下車道を活用する方法まで全部議論しました。しかし、結論的にこの地域は平坦な盆地型の地形構造となっているので、雨水貯留排水施設以外の方法は活用できないと判断しました。工事進行期間があるので、この地域の今年の水防対策は、ソウル市の水防対策と水循環改善対策を併行していきます。新月地域に設置される雨水貯留排水施設の場合は、技術提案の最低価入札をするターンキー方式で進行します。6月初めに発注します。全国初の試みです。不合理と不条理を根絶できるものと期待します。また、事業の全過程は市民オンブズマンに公開されます。それだけでなく根本的な治水策である水循環改善対策も並行して策定します。 2012年、市民と共にする水害安全対策には、今申し上げた三ヵ所の地域だけでなく、ソウル全域と34の浸水に弱い地域を含む長期的な計画も一緒に盛り込まれています。管渠通水能の拡大、雨水ポンプ場の新設・増設、雨水貯留槽の新設と河川の整備、水循環の改善などです。この全ての施設は2021年の完工を目標としています。直ちに解決できる問題ではありません。そのため、今年2012年の水防対策において市民の参加と献身的な行政サービスが切実な状況です。 それでは、土砂崩れの再発防止対策をお話します。 まず、ソウル市は土砂崩れと関連して対策と追加補完調査を併行します。2011年7月27日、ウミョンサン(牛眠山)で土砂崩れが発生しました。牛眠山の12地域で発生し、死者16人、負傷者50人という大変な被害を残しました。消すことのできない大きな痛みとなりました。ソウル市は緊急対応措置を取りました。土砂崩れ発生後、2011年11月25日まで韓国地盤工学会が原因調査を行いました。復旧工事は現在91%進行し、5月末の完了を控えています。しかし、牛眠山の土砂崩れをめぐって様々な要求が現在も出されています。そのため、官民合同のタスクフォースを今年1月から稼動しています。また、補完対策も追加で施行しています。土砂崩れが発生した合計12カ所に対して大韓土木学会が原因に関する追加・補完調査を実施しています。土砂崩れを管理する専門の担当組織の新設も計画し、検討しています。 また、ソウルは四方が山です。残りの167カ所の土砂崩れ憂慮地域に対する措置も欠かせません。土砂崩れ危険地域の全数調査の実施と被害予想地域の住民に対して予報・警報メール発信システムを構築しました。 それでは、改善された水害安全対策について申し上げます。 今年の水害安全対策は、市民の積極的な参加が中心となるでしょう。まず、浸水に弱い地域の下水管渠の水位モニタリングシステムを構築します。浸水に弱い地域の下水管渠の水位をモニタリングするために23カ所に追加で設置します。2011年に20カ所に既に設置しました。このように収集された下水管渠の水位資料は、ソウル市災害状況室とリアルタイムで連携して運営されます。実質的な浸水警報や避難予報において直接の情報になるでしょう。河川に急流が発生した際に自動通知するシステムを構築しました。また、16の河川・渓谷に非常用のはしご34カ所を設置し、非常時に安全地帯への避難ができるようにしました。危険な状況に備えて災害危機情報を活用していきます。 市民の皆さん、ダウムのアゴラと共に水害情報を活用したコミュニティマップを構築します。また、SNSを通じて市民の皆さんがいらっしゃる地域の雨の被害状況や予想状況を教えてください。もちろん既存の災害放送などはこれまでと同様に活用されるでしょう。 市民の皆さんは、大雨が降った時の市民の行動要領を必ず事前に熟知してください。ソウル水害防止に特化したホームページが近々オープンします。お気に入り登録をしてください。既存の屋外電光掲示板や地下鉄の放送、デジタルビュー、町内会などの情報も十分に熟知し、水害に関する全ての状況を担当公務員と話し合ってください。防水板など浸水防止施設も設置します。本格的な雨期に入る前に、住宅8624世帯、商店6000カ所に追加で設置します。昨年までに1万8549世帯に既に設置しました。 今年のソウル水害対策の柱です。担当の公務員が危機状況を伝えて、共に対応します。浸水住宅1万8000世帯に約1万1000人を配置します。この方々は水害安全対策を広報し、危機時の非常連絡や対応を担当してくださいます。1万1000人の119水防緊急機動団、可搬式の揚水機3500台、水害に弱い34の地域に配置された現場機動班も市民の皆さんと共に行動します。 雨水受けや下水管渠の浚渫・改善も主な対策です。雨水受けの改善は2011年に2855カ所が既になされて、2012年に3000カ所を改善する計画です。雨水受けの浚渫は今年48万カ所を目標としています。下水管渠の改善は、雨期の前に20キロ、水害に弱い地域で1033キロの浚渫を計画しています。 今年はそんなことがあってはなりませんが、万一、大規模被害が発生した場合には、全ての人材と装備を投じます。ソウル災害安全ネットワークの人材28万人が動員されます。ここには関連機関、軍部隊、警察、韓国電力、KT、義勇消防隊の皆さんといった民間団体の支援が共に行われます。人材と装備は各段階に合わせて支援されます。 大雨の音で真夜中に目覚めても、皆が共に元気で幸せでいられるソウルをつくります。災害安全対策本部の本部長は私、パク・ウォンスンです。5月15日から10月15日まで5カ月間、24時間常時運営します。最善を尽くします。そして市民の皆さん、よろしくお願いいたします。 自然の力を100%防ぐのは難しいとしても、ソウル市は水害対策に最善を尽くします。 市民の皆さんのご協力をお願いいたします。また支援してくださる関連機関と市民団体、市民の皆さんにも感謝とお願いを申し上げます。ありがとうございました。
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1千万ソウル市民の農園に幸福をつくる行政

2012自治区行政優秀事例発表会の挨拶 月日:2012年5月10日 会場:人材開発院 こんにちは。パク・ウォンスンです。まず受賞された6の自治区にお祝い申し上げ、惜しくも選ばれなかった自治区の職員の皆さんもご苦労さまでした。また、現場評価団としてこの場にご参加くださった保護者チャムソリ(真の声)団、図書館の関連団体とソウル市立大学生の皆さん、そして市政モニター団とボランティアメンバー、また、住民自治委員と各分野の専門家評価団の皆さんに感謝申し上げます。そしてお忙しい中、ご参加してくださったノウォン(蘆原)区、ウンピョン(恩平)区、ヤンチョン(陽川)区、ヨンドゥンポ(永登浦)区、クァナク(冠岳)区の区長をはじめとする自治区職員の皆さんにも心より感謝申し上げます。 「ここにいらっしゃる皆さん全てが、今日一日ソウルの主人公です」。1千万ソウル市民の農園に幸福をつくる10の貴重な作品、舞台ではオーディションに臨む俳優のように真剣にまた面白く本当に渾身の力で感動を演出してくださいましたし、また、それに対して市民の皆さんは熱い関心と反応を見せてくださり、大きな祝祭の場となることができました。本当に盛り上がりました。公共機関がつくり出す行政サービスがTV番組「私は歌手だ」や「スーパースターK」のオーディションに並ぶほど夢中になって、その中で笑いと希望が生まれたことに驚いています。 実は今日は1番も、ビリもないということをよくご存じでしょう?皆さんが注ぐ情熱、そのジーンとくる感動がつながって、市民皆が夢見る以上の大きな幸福を感じる強固な希望の垣根をつくってくださいました。そこに順位が何の意味がありますか。 そして、今日の指定テーマが小さい図書館でしたね?ご存じだと思いますが、私はこの分野に大きな関心があります。もちろんこれまでも良い取組みをなさっていますが、今後もさらに大きな関心を注いで努力されるようにお願いいたします。 「ある国の過去を見るには博物館に行き、ある国の未来を見るには図書館に行きなさい」という言葉があります。 私たちの町で簡単に行ける楽しい図書館、差別も障害もなくてひたすら元気な未来を夢見ることができるそのような図書館をたくさんつくってください。また、愛情を持って花畑のようによく耕してください。子どもたちの将来、ソウルの未来を創造する希望の産室ですから。ハンガリーの貧しい家で生まれて学校も通えず、アメリカに渡って一日16時間厳しい労働に従事した青年が、気楽に本を買えるお金がなくて嘆いていましたが、「図書館では無料」という事実を知って人生を変えていきます。毎日4時間、町の図書館に行って片っ端から本を読みました。この青年が後に新聞記者になり、アメリカ議会議員になって、また、コロンビア大学に言論大学院を設立しました。皆さんもよくご存じのピューリッツァ賞の起源となったジョゼフ・ピューリッツァーのエピソードです。私たちの周囲にも、未来を見通せず挫折する子どもたちが多くいます。彼らに「奇跡も無料で借りることができる」という事実を教えてあげてください。 そして今日の自由テーマで5個の自治区が発表しましたが、最近の流行語で「本当に感性を刺激されました」。雨期が近づいていますが、クロ(九老)区の水害低減の取組みが今年はもっと大きい結実を結ぶことを願います。また、ウンピョン(恩平)区の放課後プログラム、ヤンチョン(陽川区)の電子行政の優秀事例、ノウォン(蘆原)区の自殺予防事業やヨンドゥンポ(永登浦)区のホームレス管理対策まで、全部私が関心を持って見守っていた事業なので、嬉しかったです。私たちが暮らす都市の安全、福祉、文化を担う大切な努力が、今後も全ての住民の生活の質を高める基礎となることを願っています。 今後ソウルの奇跡をつくるこのイベントが、回を重ねるごとにさらに熱い熱気と声援でいっぱいになることを願い、それだけ市民の幸福指数が高まって職員の皆さんは仕事の楽しさを感じるきっかけとなったらと思います。夏が近づくにつれて、忘れていた暑さを思い出しますね。10日も経てば、太陽の光が豊かで万物が次第に生長して満ちるという意味の「小満」という節気を迎えます。皆さんの日常にもすばらしいこと、幸せな気運が満ちるようにお祈りします。ありがとうございました。  
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漢陽都城は市民が完成します、歴史を完成します

漢陽都城の保存・管理・活用総合対策記者発表会 月日:2012年5月7日 会場:ソウル市庁西小門庁舎ブリーフィングルーム 愛する市民の皆さん、今、ハニャン(漢陽)都城はソウルを包み込み、市民の歴史となります。600年の歴史がよみがえるのです。 市民の皆さん、漢陽都城は世界最長の600年という長い期間引き継がれてきた唯一の都城遺産です。漢陽都城は初めから人本主義を根幹とする歴史です。「国の都城である国都と民を保護するために築造した」と実録三峰集に記録があります。王朝と民を保護する役目を果たしていたのです。そのように漢陽都城は、国民の生活の基盤、人生の舞台となってきました。その時間が600年です。また、漢陽都城は自然と一体化した歴史景観として世界でも代表的な事例です。 この全ての価値を基礎にして、2012年4月20日、ユネスコ世界遺産の暫定リストの登録対象に確定しました。今日の私たちと漢陽都城の600年の歴史が共に成し遂げたことです。 それでは、漢陽都城を大事にする方法は何でしょうか? 今年1月31日、専門家と市民、ソウル市職員と記者の皆さんと一緒に漢陽都城を巡りました。その時、みんな多くのことを学びました。そのため、漢陽都城の保存・管理・活用総合対策をつくることが当然の流れになりました。 次のような内容で、共に考えていきたいと思います。 まず、漢陽都城の六百年史です。漢陽都城の誕生は民の業績でした。1396年、太祖の時に初めて築造しました。五道の民19万人が98日間全力をつくしました。そのようにして漢陽都城は新しい都の象徴となりました。1422年、世宗の時には改築をしました。そして、都城は国家体制を完成する象徴となりました。八道の民32万人が38日間作業しました。1710年、粛宗の時にも改築が行われました。国力回復の象徴となりました。壬辰倭乱と丙子胡乱、二大戦乱の被害を受けた後に国を再興する作業の一環でした。 漢陽都城はただつくられた訳ではありません。仁・義・礼・智、儒教の哲学を根拠に、外四山と内四山の人文学的意味を十分に把握して建築し、四大門と四小門を設けました。こうして漢陽都城によって全国八道と都城がつながり、交流が生じました。 漢陽都城は私たちの人生とかけ離れた建築物ではありませんでした。私たちの生活、私たちの遊びともなって今日まで続いています。朝鮮時代の漢京識略には、「城内の人々が二人一組で城周辺を回り、景色を見物することを巡城と言う」と書かれています。日本植民地時代の記録にもあります。「巡城は、雨が降ろうが風が吹こうが、一日で終えてこそ利き目がある」「チョンノ(鍾路)の商人は自分の店の幸運を祈るためにこっそり巡城をすることがあった」。おもしろい記録でしょう?現在でも都城をひと回りする巡城を楽しむ市民はたくさんいます。 それだけではありません。漢陽都城はそのまま国民の人生と朝鮮の文化芸術となりました。朝鮮水墨画の巨匠の真景山水でも主要な素材として描かれました。歴史の大きな舞台となったのです。 しかし、漢陽都城は侵奪されました。日本の皇太子の交通の便宜を図るという名目で、崇礼門城壁が撤去され、鉄道をつくるという名目で興仁之門の城壁が撤去されました。1914年、総督府高官の官舎を建設するために西小門が撤去され、敦義門は交通の便宜を図るという名目で、米17袋分の木材として売却されました。東大門運動場を建設する時に二間水門は毀損埋没し、保守費がないという理由で恵化門の門楼が取り壊されました。 解放独立後も漢陽都城は忘れられた存在でした。都城を毀損して自由センターが建設され、都城は建物の築台となりました。開発の波の中で敬遠され、残っていた城壁は私有地の築台や塀になりました。 しかし、歴史は必ず前進します。1975年のサムチョン(三青)地区の復元を始めとして、76年にソンブク(城北)地区が復元され、2009年には東大門歴史文化公園地域まで、合計1万2344メートルに及ぶ都城が復元されました。現在の復元中の区間は1156メートルです。道路・私有地になっている区間と復元が不完全な区間に対する再解釈や再復元に関することなど、私たちに与えられた課題は依然多く残っています。 もちろん、保存努力にもかかわらず、一部不完全なままの復元は確かに存在します。セメントで目地施工をした区間もあり、城郭に石を置いて上段をセメントで塗り固めてしまった区間もあります。考証が行われていない城壁の高さもあり、世宗区間に粛宗の刻字が置かれている、つまり世宗時代に改築された区間に粛宗時代の刻字が書かれた石が置かれているのです。最も悪い復元は、中途半端な復元です。その理由は、私たちより有能な子孫に対して本当に完全な復元の機会を奪ってしまうからです。そうした状況にもかかわらず、全体的には城郭の円形がよく保存されています。 漢陽都城は地形と一体化した独創的な築造技術を有しています。自然の一部として自分たちを認識した先人たちの哲学がよく反映されている都城です。地形と一体化した独創的な築造技術が使われました。 そのおかげで私たちは、伝統と現在がうまく共存している今日の漢陽都城を遺産として受け継ぐことができました。 だから私たちにも義務があります。漢陽都城を最善を尽くして回復し、子孫に残すという責任です。 今から、私たちの誓いを申し上げたいと思います。でもその前に、尊敬する記者の皆さん、親愛なる市民の皆さん、お願いしたいことがあります。必ず一度、気候がもっと暑くなる前に、都城を巡城してみてください。一日にぜんぶ回ると欲を出さなくてもかまいません。そこに上がってみれば、ソウルが違った姿で目に映るでしょう。ソウルが感動となり、愛となって近づいてきます。そこに上がれば、私たちのソウルが、ソウル市民の暮らしのどこが誇らしく、どこが苦しいのか、全部見えます。ソウルという空間が、ソウルの都市計画の中で何が欠けていて、どこが美しいのか、街並みをなぜ保存して、私たちはなぜ共生を目指すべきなのか、わざわざ誰かに説明を聞かなくてもひと目でわかります。 今ソウルがどのあたりに来ているのか、これからはどのように進むべきか、私たちの中で共同の答えを見つけることができます。そのように漢陽都城は、私たちに大きな気づきをくれる一冊の歴史の本のようであり、一編の詩のようで、よくつくられた一冊の報告書のようでもあります。 私はそれを全てのソウル市民と共に読み、また、その先を書いて行きたいのです。さあ、私たちの誓いです。 まず、2015年までには途切れた都城を全部つなぎます。その過程で真正性と完全性を調和させて復元します。そのために、復元が難しいところは、少なくとも城跡があることを表示します。つなげるところは上部を形づくり、道路などでつなぐのが難しい区間は城跡を表示します。都城の涙として跡を残すのもよいでしょう。そうすれば、子孫は少なくとも私たちの心を遺産として受け継ぐでしょう。都城にふさわしい城郭道を整備します。古い木と樹木を整備指針に従って段階別に整備し、伝統技術を利用して城郭道をつくっていきます。 私たちの誓いの二番目です。漢陽都城は市民と共につくります。漢陽都城は王朝と共にその昔、民が完成した業績です。現在でもその意味を受け継いでいきます。八道出身の市民が漢陽都城の名誉巡城官となるでしょう。担当区域の管理を受け持つことになります。漢陽都城で人々が手をつないでいくなど、市民が主導するイベントを行います。 2013年10月頃になるでしょう。10月に開催する理由は、漢陽都城の完成日が太祖実録に陽暦10月26日とあり、世宗実録地理志には陽暦10月31日とあるのが確認されているからです。その期間に合わせて市民の皆さんと共に漢陽都城の竣工を記念しようと思います。また、漢陽都城と調和する村をつくります。都城と私たちの生活空間、地域と村のすてきな調和を創造します。チャンス(長寿)村の共同体を守り、ソンブク(城北)洞の集住地域は韓国式家屋の村として生まれ変わるでしょう。これには強制性はありません。住民と市民が決めて主導するでしょう。 軍部隊と民間施設の移転を十分な協議を通じて推進します。このために何より最初に市長公館を移転します。色々な意見を聞きました。しっかりと検討し、準備中です。2013年3月頃と予想しています。私有地区間は2015年以降、持続的に買い取って復元します。 漢陽都城のための私たちの誓いの三番目です。都城を専門的に担当する運営管理体制が運営されます。市民と専門家からなる諮問会議が構成されます。また、漢陽都城に関する研究所と博物館が設立される予定です。そしてこれら全てのものを総括する漢陽都城都監が新設されます。これは朝鮮時代から呼び名が続いてきた職責です。4級公務員に該当する漢陽都城の都提調がその責任を負うでしょう。組織の長が都提調と呼ばれていたのです。世宗の時に、都城修築都監は左議政または領議政が引き受けたそうです。だから、誰が引き受けるとしても出世は間違いないでしょう? 私たちの誓いの四番目です。そのようにして回復した漢陽都城を子孫のために未来の遺産として譲ります。着実に準備して段階を踏み、漢陽都城は2015年にはユネスコの世界遺産になります。これは漢陽都城の持続的な事後管理をするスタートとなるでしょう。 そうやって共に切り開いていく漢陽都城の明日です。漢陽都城は首都ソウルの都市計画、そのパラダイムを転換するでしょう。ソウルという空間は、これまで乱開発と開発利益の対象に過ぎませんでした。これは私たちの尊厳を自ら傷つける価値観です。 ソウルはこれから歴史を回復した文化コンテンツの都市として生まれ変わります。これは私たちの自尊心となり、新しくまた別の意味でソウルの成長エンジンとなるでしょう。 漢陽都城は死んだ遺物ではなく生きた歴史になります。ユネスコ世界文化遺産の登録が最終目標ではありません。今日の私たちの生活、私たちが都城と共に散歩し、運動し、恋愛し、商売をし、勉強し、思索して、そのおかげで力と勇気も得て、昨日を振り返り明日を見通す全ての記録が都城の歴史となるでしょう。そのようにして明日の子孫に私たちの生活が続くでしょう。 それだけありません。漢陽都城はソウルを訪れる観光客を2千万人に増やす土台となるでしょう。現在のソウル市の外国人観光客の数は年間で886万人です。今でも市民が考える数以上の外国人観光客が都城を巡城しています。漢陽都城は私たちだけの文化遺産にとどまりません。より多くの世界市民が訪ねて愛する真の意味での世界文化遺産として、その位置を確立するでしょう。 明日の都城のために私は今日宣言します。漢陽都城はその昔民がそうしたように市民が完成します。600年のときを回復して歴史を完成します。漢陽都城は、私たちの生活に溶け込み、市民を幸せにし共同体意識を回復する首都ソウルの新しい象徴となります。 明日の漢陽都城は、私たちの生活を物質万能の疲弊感から人本主義の温かさに回復させる大きな空間となるでしょう。 私たちの漢陽都城は、市民が完成します。歴史を完成します。ありがとうございました。
SMG 916

大学生の住宅問題の解決には私たちの意志と熱意が重要です

大学生の住宅問題の解決に向けた政策ワークショップ 月日:2012年5月3日 会場:ホンイク(弘益)大学伽藍ホール キャンパスはやはり気持ち良いものですね。皆さんこの季節のようにかわいらしくて健康的で明るい人ばかりです。ありがたいものです。お招きくださった3大学の学生会長団、学生の皆さん、パネリストとして参加してくださった先生方、中央省庁の関係者の皆さんに感謝申し上げます。 大学生の生活費に占める住宅費の割合は50%です。住居だけでなく、暮らしの質も心配しないわけにはいきません。この問題の解決は、大学が本来の機能を果たす上でも重要な条件になります。学生には夢見る責任と義務があります。それが学ぶ機会を得た者の社会的道理であると考えます。しかし、現実は就職の準備に追われるだけです。しかし、学生が主体となって自らの学習環境を変え、夢見る環境にすることのできる余地もあるはずです。本日はその話をしようと思います。 皆さん、スウェーデンの3坪のミニ住宅をご存じでしょうか。中に入ると室内は2階構造になっていて、2階は寝室、1階には大学生が勉強できる机とリビングキッチン、トイレがあります。100軒以上建設するそうですが、学生用マンションの賃貸料70万ウォンよりも安い40万ウォンです。これを導入しようというのではなく、重要なのは私たちの意志と熱意、そしてユニークな企画です。 大学生の住宅問題が取り上げられなくなるまで、この問題を皆さんと一緒にに、ユーモアを交えながら、粘り強く取り組んでいくつもりです。
SMG 829

ソウル市は世界の気候環境首都に向かって第一歩を踏み出します

原発一基削減総合対策発表 月日:2012年4月26日 会場:ソウル市庁西小門庁舎ブリーフィングルーム 今日私は、「原発一基をなぜ減らすのか」を申し上げる前に「原発一基を減らす意味は何か」をまず申し上げようと思います。 「原発一基削減」は、価値と政策の明らかな転換です。これまでソウルがエネルギー節約都市にとどまっていたとすれば、今後ソウルはエネルギー生産都市に向かいます。これは市民全ての持続可能な人生のための価値ある投資であり、私たちの時代精神を共存共栄に向けて舵を切る作業です。 ソウル市が原子力発電所を一つ減らそうとする現実的な理由をお話します。ソウルの電力自給率は2.8%に過ぎませんが、電力需要は増加しつつあります。ソウルと地域間のエネルギー平等と正義においても深刻な不均衡を見せているということです。また、先の福島原子力発電所の大事故は、隣国に済む私たちに大きな教訓を残しました。私たちが成し遂げてきた全てのものが一瞬のうちに消え去るかもしれないという恐れが、市民の認識の中に広く広がりました。環境問題もまた皆が認識しています。気候変動による被害は、世界市民の共同の課題となりました。予期せぬ電力不足の事態も考慮しなければなりません。ソウルはこれに対して確実な対策を確保しなければなりません。 これから始まる2014年までの「原発一基削減」は、こうした全ての時代的状況に備えるソウル市行政のスタートです。電力自給能力を向上させ、安全で持続可能なエネルギーを確保し、窮極的には温室効果ガスを削減するためのものです。そして私たちの近い将来のための、次世代のための美しい投資であるのです。 では、ソウルは一体どのくらいの量のエネルギーを消費しているのでしょうか?2011年の推計値を見ますと、ソウルのエネルギー消費量は約1700万TOEで、全国の8.1%に該当します。消費分野別では、家庭と商業が58%、輸送部門を合わせると89%が消費されています。エネルギーの種類では、石油36.9%、都市ガス33.4%、電気25.1%で、全体の95%を占めています。 ソウルのエネルギー消費は引き続き増加しています。金融危機による経済危機が起きた2008年と2009年の2年間はエネルギー消費量が減りましたが、2010年に4.4%、2011年には7.9%増加しました。一方、電力消費量は経済危機の時も持続的に増加する様相を見せています。エネルギーを思う存分使う生活が無駄遣いではなく豊かさだと認識され、それがこれまで私たちが描いてきた幸せな日常だったせいかもしれません。 では、ソウルのエネルギー生産の現状は果たしてどうでしょうか。ソウル地域の再生可能エネルギーの生産量は、全国の3.3%に過ぎません。全国のエネルギーの8.1%を消費していることと比較してみなければなりません。再生可能エネルギーの生産は、今後ソウル市がエネルギー自立基盤を確保するために一層努力すべき分野です。 再生可能エネルギーは1990年代から世界的なトレンドとなっています。英国、ドイツ、フランスなど世界の主要国は、再生可能エネルギーの普及を中長期課題としています。発電差額を支援し、義務割当制を実施し、投資税額を控除するなどの再生可能エネルギー普及促進案を策定して施行しています。 その結果はどうでしょうか。ドイツの環境首都であるフライブルクは、回転型太陽光住宅を建設し、消費量の5倍から6倍に達する電力を販売しています。英国のトットネスは、原子力エネルギーはもちろん、石油エネルギーからの独立計画を策定しました。省エネルギー、断熱、太陽光の設置など再生エネルギーへの「トランジションタウン運動」の成功的な事例となりました。 さあ、私たちはどのようにしたらよいでしょうか。ソウル市は「原発一基削減」のスタートを市民の意見から見出しました。 省エネルギーからエネルギー生産拡大の方法に至るまで、市民たちは準備ができていました。既に行動しておられました。ソウル市が市民から勇気と知恵をもらいました。 この6カ月間、専門家諮問団会議、市民ワークショップ、市民大討論会、市民アンケート調査等を通じて、市民団体、企業界、学界、宗教界、言論界など社会の各界各層の意見を聞いて、原発を一つ減らす知恵を集めるべく最善を尽くしました。 先進的な環境都市に比べて一歩遅れたかもしれません。しかし、もっと上手にすることができます。 ソウル市は今日、世界の気候環境首都に向かって待望の第一歩を踏み出します。原発一基削減の希望のビジョンでもあります。 エネルギー自立基盤構築の一環として、電力自給率は2014年に8%を達成し、2020年にこれを20%に引き上げます。このためにまず2014年までに200万TOEに相当するエネルギーを削減します。ここには、現在国内で運営中の最大規模の原子力発電所であるヨングァン(霊光)原発5号機で生産される電力量に相当するエネルギーも含まれます。原発一基削減の具体的な目標は、41万TOEのエネルギーを生産し、159万TOEのエネルギーを削減することです。エネルギー生産の内訳を見ると、太陽光、水素燃料電池、バイオガス、下水熱などを利用して電力2392GW-h、熱エネルギー20万TOEです。エネルギー削減の内訳は、建物エネルギーの効率化、LEDの普及、省エネルギー等を推進し、電力6750GW-h、石油・都市ガス121万TOEです。 政策分野を申し上げると、6分野に分けられます。再生可能エネルギーの生産拡大、建物部門エネルギーの効率化、環境配慮型高効率輸送システムの構築、エネルギー産業の雇用創出、省エネ型空間構造に再編、省エネを実践する市民文化の創出という6分野で推進されます。 先に申し上げた10大核心事業等に市費6360億ウォンと国費2320億ウォンがそれぞれ投入され、民間で2兆3760億ウォンを投資します。合計で3兆2240億ウォンが必要とされます。分野別では再生可能エネルギーの生産拡大に2兆7360億ウォン、建物エネルギーの効率化に3320億ウォンが必要で、事業費全体の95%に該当します。 「原発一基削減総合対策」の推進により期待される効果を申し上げます。 第一に、733万トンの温室効果ガスの削減が予想されます。これはヨイド(汝矣島)面積の約1630倍に達する7330平方キロメートルの山林をつくるのと同じです。 第二に、エネルギー削減量200万TOEを原油輸入量に換算すると、毎年2兆800億ウォンの経済的便益が発生します。これは2016年の経済的便益です。総事業費3兆ウォンは2015年のうちに全額回収されます。 第三に、4万件のグリーン雇用が創出される見通しです。就職活動中の若年層はもちろん中高年層の方にも実質的に役に立つでしょう。 エネルギー需要の削減と再生可能エネルギーの生産拡大を通じた「原発一基削減」総合対策を計画通り推進できれば、2014年までに原発を一つ減らすことができます。一歩進んで2015年から毎年一つずつ原発が減ることを期待します。市民意識はより一層高まっているでしょうし、エネルギーの節約と生産が普及していて、社会インフラもたくさん構築されていると予想されるためです。 「原発一基削減」総合対策は、その趣旨に鑑みて何よりもソウル市民の幸せな参加が前提とならなければなりません。また、ソウル市と中央政府が一致協力して持続的に推進しなければならない事業です。 原発一基削減の核心は、ソウル市民の皆さんです。市民の皆さんのエネルギーの節約と生産に対する認識と実践がソウル、ひいては大韓民国を持続可能な明日へと導くでしょう。その誇りを持てるようにソウル市は全ての行政力を動員します。 また、ソウル市の努力に対して中央政府からも全幅の惜しみない支援を頂けるようお願いいたします。ソウル市も中央政府と協力して明日に向けたエネルギー政策に努めます。ありがとうございました。
SMG 1,193

就任半年目、私のあだ名は「ウォント」です。

就任半年に際しての挨拶 日付:2012年4月26日 皆さん、私のあだ名が何かご存知でしょうか。最近一つつけてもらいましたが、それは、「几帳面ウォンスンさん」です。もう一つありますが「ウォント」って聞いたことありますか。(韓国語で)朴元淳がまた何かやっちゃった、という意味だそうです。必ずしも良い意味とは限らないでしょう。私のことを信頼できない方々は「朴元淳市長がまた何かやっちゃったな」と思うかもしれません。 本日は、私が市長に就任してから6カ月となる日です。これからは、今現在ソウルの市政について信頼できずにいる方までもがもっと信頼できる、良い意味での「ウォント」になることをお約束します。私が選挙運動期間中にも繰り返してお話したことですが、市民が辛い時や苦しい時、あるいは絶望に陥っている時、直接慰めや励ましの言葉をかけるような市長になりたいと思います。それは私の幾多の公約としても示され、今まで実践に移してきたことだと思います。これまで自動車に乗って移動した距離がだいたい約1万1,240kmでした。それは釜山まで3回往復できる距離です。もちろん、私自身が行事に参加するのはできるだけやめようとは心がけています。この数字を見て、もっと多くの市民に会い、もっと多くの現場へ出向いて、そこで市民が直面している厳しい生活を自分の目で確かめなければならないと思いました。 「希望オンドル・プロジェクト」で徹夜で二日間市民の生活現場を目にし、29万人に至る恵まれない人たちもこのプロジェクトを通じて支援を受けています。そして、この数字は自分でも誇らしく思います。ところで皆様、0(ゼロ)、この数字が何を意味するかご存知でしょうか。今年の冬にソウルで凍死した人が一人もいなかったという意味の「0」です。ソウル市の公務員や民間団体の皆様に感謝申し上げます。また、5,000という数字は、必須予防接種に対して支援する金額です。この数字に関してはもっと増やしたいものです。肺炎や脳髄膜炎の予防接種は10万ウォンを超えますが、いまだ支援の対象にはなっていません。そして、111という数字があります。ソウル市立大の授業料を意味する数字です。この数字には、親の負担を少しでも和らげることができたらという願いが込められています。58万7千人、これは環境配慮型給食(環境に優しい食材で作る給食)の無償化による恩恵を受ける子どもの数です。1,150は非正規労働者から正社員になった人の数字です。668は、私が様々な人たちと個別的にお会いした数字です。「聴策(市民の意見に耳を傾け、それを政策に反映すること)ワークショップ 」は22回開かれました。このワークショップが行われる2時間の間、最後まで一度も席をはずさず皆様のお話を全部聞きました。2,769人に至る各界の専門家の方々のお話を聞きました。「市民発言台」を通じて発言してくださった方は149人です。「ウォンスンさんのソウル物語」というインターネット放送の番組を通じて私と会った市民が約47万人です。私のツイッターのフォロワーの数が今日で37万人になりましたが、市長就任後に30万人増えたのです。これはつまり、私に何か話したいことがある方、聞いて欲しいと思う方の数字ともいえるでしょう。一日に954件ほどの意見が自分のツイッターに投稿されます。もちろん、職員の皆さんがそれだけ熱心に耳を傾けないといけないということです。未支給の給付金額が2億8千万ウォンにも上ります。「高額滞納者マンツーマン徴収制」で、なんと9億2千500万ウォンを徴収することができました。これらすべては、ソウル市で働く公務員の皆様がこまめにチェックしてくださったおかげだと思います。 これらの数字は、私と皆様がこの半年間どれだけ頑張ってきたのかを証明してくれるものです。まだ始まったばかりで、所懐などを述べる段階ではありません。しかし、その6カ月は決して短い期間ではありません。これまでの時間は、数々の人事や報告を通じて、ソウル市政を把握し、多様な事業を推進できる基盤を整える時間でした。
SMG 1,441