[2016] 市長挨拶

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  • 2016 ダボス会議グローバルシェイパーズ講演

    SMG 1391
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    一緒に見る夢は現実になります。

    2016-01-20

       

    # 1. 一緒に見る夢は現実になります。

    ダボス会議に参加された皆様、歓迎します。

    私はソウル特別市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長です。

    私は長い間、人権弁護士・市民運動家・社会運動家として活動してきました。

    そして、2011年10月、私はソウル市長に当選しました。私の当選は、大韓民国の首都であるソウルの新しい変化であり、革新でした。ある政党の候補ではない「無所属」の候補がソウル市長に当選したことは歴史上類を見ないことでした。それまで官僚や政治家出身がソウル市長に当選した前例も破りました。新しい政治に対する市民の熱望、「市民市長」に対する念願が反映された結果であったと言えます。私はそれこそ市民の力によって当選した市民の候補でした。

    私のことについて話させていただきます。

    農夫の息子として生まれました。貧しい村でしたが、幸せな共同体の中で育ちました。そして大学に入学した後、民主化デモに参加したことで刑務所に収監されてしまいました。

    学校から除籍されて刑務所に入ったんです(学校より勉強する雰囲気がもっと良かったんですよ。一度行ってみられるのを薦めます。(笑い))。

    その後、司法試験に合格して検事になりましたが、僕とは合いませんでした。それで数多くの政治的な良心の囚人、労働者、学生たちの弁論のために人権弁護士の道を選び、民主主義や人権のために働きました。

    韓国の権威主義の政権が終わって民主化を成し遂げているとき、

    私は市民社会に身を委ねました。当時の韓国社会において市民運動は絶無に等しい事でした。しかし市民の参加は何もなかった土地に芽を出し、良い木を育てて良い実を結ぶようになりました。創立初期の「国民生活最低ラインキャンペーン」を通じて福祉というのは、国家が国民に恩恵を施すものではない、国民に対する義務であることを明らかにしました。その後このキャンペーンは国民基礎生活保障制度の導入のきっかけになりました。さらに、「参与連帯」は社会革新および民生安定のための数多い法律も作りましたが、特に記憶に残るのは、約5年間念を入れて制定した「腐敗防止法」です。それもまた数万人の市民の関心と参加のおかげでした。「参与連帯」は小さい国会でありました。

    このように私は人権弁護士・市民運動家・社会運動家として活動しながら市民の小さい参加が少しずつ集まることによって社会の大きい変化を作り出すことができるということを証明してきました。

    それで私はソウル市長就任の辞として、「市民が市長です。」というスローガンを発表しました。そして市民と協力して「市民の人生を変える市長になります。」と宣言し、「協力政治」と「革新」を市政運営の原則として位置付けております。

    その結果、ソウルは驚くべき変化の道を歩むことになりました。市民と約束したことが、市民とソウルの夢が、一つ一つかなえられています。私は、今ここにこられた皆様に夢が現実になった体験談を紹介させて頂きたいと思います。

     

    # 2. 原発1基削減

    気候変動は全世界的な悩みであります。ソウルも悩んでいます。気候変動への対応の第一は省エネルギーでありますが、解決策は市民の参加しかありません。そして、私が何より上手にできることは、市民の参加を引き出すことですよね。

    ソウル市は原発1基分のエネルギーを削減することにしました。市民は自宅や学校で太陽光発電装備の設置に積極的に参加しました。日光発電所作りに参加しました。省エネルギーインセンティブを支給する「エコマイレージ」は、ソウルの人口の6分の1を越える170万人の市民が参加しました。

    そのような市民の積極的な参加によって、計画より6ヶ月も早く目標を達成しました。その結果、2.5%に過ぎなかったエネルギー自立率は4.5%になりました。約2万人の仕事を作り出す雇用創出効果も現れました。市民の参加が、200万TOEのエネルギー削減という奇跡を、目標期間より6ヶ月も早く成し遂げたのです。

    国内の地方自治体はもちろん、世界の国際機構および都市から「原発1基削減」事業を見学してみたいと言われています。それで終りではありません。ソウル市はもう「原発1基削減-第2段階」を開始しました。一緒に見る夢は現実になります。

    ▶ 「原発1基削減」の詳細ページ

     

    #3. 市民参加およびビックデータによって誕生した「オルペミ(フクロウ)バス」

    夢が現実になったもう一つの例をご紹介します。

    皆様は遅い夜にどうやって家まで帰りますか?

    ソウル市民は「オルペミ(フクロウ)バス」を利用します。遅い時間でも起きている市民のために運行しているバスです。

    ある大学生が地下鉄が運行しない深夜には家に帰りにくいとSNSにコメントしたことがあります。私はその学生の声をのがさなかったんです。そして悩みました。それも僕が市民社会で仕事をしながら習ったことです。市民の一人一人の声に耳を傾ければ、問題を解決することができる力になります。

    その大学生の声に続き多くの市民からコメントがありました。遅い時間に退勤するとタクシーを拾うことが難しいと言われました。ソウルはOECD加盟国の中でも、長い勤務時間で悪名が高い国です。それでそのような悩みを持っていた市民が多いのでした。

    ソウル市は約30億件の通話量の分析を行い、夜の12時から5時までどこに人々が多いのか見つけました。それで9つの路線を作りました。

    それで終りではありません。「オルペミ(フクロウ)バス」の運行を開始した後、私のフェイスブックに数多くの市民が数千のコメントを残してくれました。そしてフェイスブックの友達の要請事項を徹底的に把握し反映しました。今の「オルペミ(フクロウ)バス」は一日平均6千人の市民の足として重要な役割を果たしております。

    あ、私のSNSフォロワーはもう160万人を越えましたが、世界の誰にでも開かれた政策公論の場になっています。皆様も私とSNSで繋がってみてはいかがですか。

    世界中の市民の声が集まれば、世界の問題を解決することができる巨大な力になると思います。皆様、一緒に見る夢は現実になります。

    ▶ 「フクロウバス」の詳細ページ

     

    #4 市民の参加が世の中を変える力になります。

    僕は市民の力を信じています。市民の参与は世の中の変化を作り出します。

    人権弁護士として、市民運動家として、社会運動家として市民と一緒に世の中の良い変化を作り出しました。今でもソウル市長として市民と一緒に変化を作り出していきます。すべて市民の皆様のおかげです。

    特に、「市民が市長です。」というスローガンで実際にそのように市政を運営してみると、本当に楽なことが多いです。しかし、ソウル市民の一人一人の声を追うのはたいへんな事です。それでこのように私は老いていっているのではないかと思われます(笑い)。これが市長に就任する前の私だとすると、今はこうですが、もうすぐこのようになるのでしょう(笑い)。

    皆様、今の私たちは「低成長時代」、「不況時代」、「過渡期」の時代に生きています。私たちの人類の文明史については、共同体の構成員が一緒に現実を乗り切っていく「協力政治」の力を発揮したとき、その危機を乗り越えた歴史の連続でした。一緒に「変化」と「革新」の旗を高く掲げたとき、古い文明を後にし新しい文明の扉を開けて一歩前進の歴史を作ってくることができました。ソウルもそのような歴史の扉を開けていきます。

    私との短い出会いが、市民の参加が作り出す力を信じる、小さな土台になってほしいです。一緒に歩んでいけば道になり、一緒に見る夢は現実になります。ありがとうございます。

    ▶ ダボスで開かれた「世界経済フォーラム」セッションでのスピーチの詳細ページ