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[2015] 市長挨拶

  • 町を生かし、ソウルを生かす 女性マウル(町)共同体の活性化を図っていきます。

  • [2015] 市長挨拶 SMG 796

    2015年女性政策「女性がつくり、みんなが享受するマウル共同体&社会的経済」記者説明会

    日付 2015年3月5日 | 場所 ソウル市庁ブリーフィングルーム

    こんにちは。お会いすることができて嬉しいです。今月8日は、世界女性の日でございます。私が市長に就任して以来、世界女性の日を迎えてこのように記者説明会で女性政策を発表することが一つの恒例行事となりました。この記者説明会だけは、いくら忙しくても、私が直接行うことにしております。その理由は単純です。「女性」に対する真剣な悩みと政策的支援なしでは、ソウルの明日に対する具体的な青写真を描くことができないと思っているからです。

    2012年「女性の生活を変えるソウルビジョン」の発表以来、2013年女性安心特別市、2014年女性雇用総合対策など、毎年その年に重点的に推進する特化された政策を発表し、実行してまいりました。

    その成果について簡単に申し上げますと、私が初めてソウル市長に就任した当時は、3級以上の女性幹部は一人にすぎませんでしたが、今は6人の女性人材がソウル市民のために活躍しています。女性が夜道を安全に歩く環境も整えつつありますし、非正社員として働く女性労働者を正社員化するなど、女性のための良質な雇用を創出するために頑張ってまいりました。

    それにもかかわらず、不十分な点がまだまだたくさんあります。ソウルの女性の生活をより良いものにしていかなければなりません。今年もソウル市の努力は続きます。不十分であっても、女性の生活をより良くするために具体的な取り組みを実践してまいります。

    詳しい政策内容について申し上げる前に、先日、私がチョンノ(鍾路)区にあるヘソン地域児童センターを訪れたときのお話をしたいと思います。実はクリスマスの前に地域児童センター職員の労をねぎらうために訪れたのですが、そこで行われる様々な活動を見て、むしろ私の方が大きなクリスマスプレゼントをもらった気持ちになりました。そこでは町の人々がともに町の図書館をつくり、親同士のコミュニティを通じて手作業共同体をつくるほか、高齢者向け読書会を開設し、芸術家と縫製工場の社長がともに環境にやさしいアップサイクルシャツを制作していました。子育て、教育、文化、雇用に至るまで、より良い生活が、その町やその地域からつくられていました。

    さらに驚くことは、このような事例が、この町だけのものではなかったということです。驚いた私は、注意深く観察しました。そしてその中心に、「女性」がいるということに気付きました。その発見は、より大きく実践的な発見へとつながりました。ソウル市の女性政策の方向性が、これから大きく変わると思います。「女性の生活を変えるソウル」ではなく、「ソウルの生活を変える女性」を目指します。

    それからも悩みは続きました。このような町の女性の活動と自助グループが、どうすれば持続的な雇用につながるのか。経済的に報われないボランティア活動のようなマウル(町内)活動は、シードステージにとどまり続けるしかありません。また、ある調査結果によりますと、町で働く人々の殆どは女性であるにもかかわらず、実際住民代表と社会的経済CEOの割合は、男性のほうが女性を大幅に上回っています。これもやはり問題の一部ではないかと思いました。このような問題の答えを見つけるために、イタリア・ボローニャの事例を取り上げたいと思います。

    イタリア・ボローニャの女性雇用率は64%に上ります。イタリアで最も高い地域の一つですが、その理由は簡単です。まさに市民が、日常的に協同組合に参加するからです。また、この協同組合で行われる女性の自助的な活動が、自然に社会サービス分野の雇用創出につながったからです。そのため、女性雇用率が高く、生活が安定するわけです。そうだとすれば、ソウルでは不可能でしょうか。女性が中心となっているマウル共同体を活性化し、これが社会的経済につながり、現在50%強にとどまっている女性経済活動参加率を高める、これは空虚な夢にすぎないのでしょうか。ソウル市は、このような可能性に注目しました。2015年度から私の任期中は、継続的に「女性がつくり、みんなが享受するマウル共同体と社会的経済」を推進してまいります。

    第一に、女性の町活動が社会的経済につながるように、後押ししてまいります。その手始めとして、町の女性が運営する国公立保育園を、2018年までに100ヵ所を設置します。イタリアのカラバフ(KARABAK)プロジェクトのように、地域女性が協同組合を結成し、保育園の活用や給食、住宅修理事業まで、全て社会的経済の主体が供給するモデルをベンチマークしたソウル型カラバフプロジェクトを推進してまいります。また、高齢者のデイケアにおいてもデイケアセンターを新たに100ヵ所を設置し、そのうち10%を社会的経済の主体に委託します。

    最近マスコミで報道された、給食不正問題に関する欠食児童問題も、女性の町活動で解決してまいります。いわば「お家ご飯プロジェクト」を通じて、欠食児童にオーガニックの食材を使用した食品を直接提供し、これを中心とした女性雇用共同体を拡大してまいります。

    キャリア断絶の高学歴女性のための協同組合の設立も支援してまいります。キャリア断絶の高学歴理工系女性が、協同組合を結成して放課後教室で教える「数学・科学教育遊び協同組合」のような事例を広めていきます。特に、自由学期制の導入に伴う進路教育ニーズの増加に対応するため、地域内の高学歴女性を雇用する計画です。教育庁や学校などと積極的に協力し、放課後教室だけでなく売店、制服など、学校を基盤とする様々な協同組合の更なる拡大を図っていきます。

    また、地域女性にこのような求人情報を提供するために、「社会を変える99件の女性向け求人」と題した雇用ロードショーと説明会を、町ごとに開催する計画です。

    第二に、社会的経済のシードステージとなれる、様々な女性共同体の活性化に取り組んでいきます。このような取り組みを通じて生涯周期別共同体の結成を支援し、特に更年期障害の女性のための健康共同体を支援していきたいと考えています。自治区保健所や地域女性団体、医療生協などが参加する地域女性健康生態系を造成し、地域社会の遊休空間などを活用した「女性健康カフェ」を設置するほか、運営者中心の地域女性健康プログラムを運営して、地域女性の健康を守る自助共同体の活動空間を設けます。

    高齢女性のキャリア断絶と孤独を防ぐため、「老老ケア」を基盤とした高齢女性コミュニティも2018年までに25の自治区に拡大します。孫を育てる祖父母の家庭を中心とした、高齢女性共同体の活性化にも取り組んでいきます。

    一人暮らしの女性の住居、食事、健康、生活面における困難は、お互いに助け合うことができると思います。一人暮らしの女性のためのコミュニティも、2018年までに20ヵ所以上拡充します。安全分野においても、もはや女性は受身的な存在ではありません。

    女性を安全対策の主体とする、暴力のない安全な町づくり事業を25の自治区に拡大します。また、子育ての悩みを共有する親コミュニティを2018年までに300ヵ所拡充するほか、共同育児団体も2018年までに100団体設置します。

    第三に、女性が町の中心となるよう、支援してまいります。洞マウル福祉センターの機能を見直し、女性が大半を占めている統・班長らに対する教育と役割を拡大してまいります。これを通じて地域の統・班長が、ジェンダーの観点を身につけた地域のリーダーとしての役割を果たせるように支援してまいります。

    また、協同組合や社会的企業の代表の大半が男性であることを考慮し、女性の社会的経済CEO育成課程や女性メンター制度など、女性の社会的経済人らのネットワークを強化します。小規模の女性自助グループの立ち上げから社会的経済へ発展していくまで、段階別にコンサルティングする案内者の役割を果たす社会的経済ガイドも育成します。

    第四に、女性による持続可能な町活動の基盤を構築します。洞マウル福祉センターに、女性の自助的な活動と社会的経済のシードステージにある会合を支援する、疎通と触れ合いの場を設けます。また、地域の女性人材開発センターやマウル共同体支援センター、社会的経済支援組織など、ネットワークを強化して持続可能な共同体生態系が形成されるようにします。また各圏域別に、このような共同体活動のハブとなれる施設を拡充し、女性家族施設の体系的組織化に取り組みます。

    まず、トンジャク(銅雀)区テバン(大方)洞に設置される「スペースサルリム」は、今までの女性家族施設とは全く異なる、新しい概念の施設となると思います。一方的な支援ではなく、女性の潜在力が発揮され、代案的自立経済が実現する空間となると思います。ノウォン(蘆原)区には、「北部女性起業プラザ(仮称)」を設立する計画です。手作業を中心に女性が起業できる基盤を築き、協同組合支援空間やマウルコミュニティセンターなどを通じて、工芸、女性起業、社会的経済の中心地となると思います。

    また、ウンピョン(恩平)のソウル革新センター内に、草の根女性会合の成長をサポートする、女性NGOセンターが設置される予定です。東部地方裁判所の移転跡地にも、このような計画と関連した介護労働者への支援と協同組合の活性化に向けた空間、女性と家族の休息空間が設けられます。

    このような計画が実現されれば、ソウルは大きく変わると思います。女性は時間を柔軟に使うことができるほか、地域社会へ貢献する機会も広がり、経済的補償も支払われる良質な雇用が創出され、地域社会の社会サービスの質も高くなり、町の経済も活性化されると思います。これは過剰な夢でしょうか。

    女性が主体となるこの政策も、様々なセンター同士の協力が重要です。特に国公立保育園など、委託権限を持っている自治区の協力を引き出すために、ソウル市は全力をあげて努力してまいります。また、生協やヘルパー協同組合の認可権を持っている中央政府にも働きかけてまいります。

    ソウル市は今回、町で行われる女性の活動が雇用につながるよう、戦略的に取り込みたいと思います。そのため、女性が主体となって町を生かし、ソウルを生かす持続可能な女性共同体の夢を一つ一つ現実のものにしていく所存でございます。暖かく見守っていただき、応援いただきますようお願い申し上げます。ありがとうございました。

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