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[2015] 市長挨拶

  • 最も安全かつきめ細かい 福祉生態系を構築します。

  • [2015] 市長挨拶 SMG 643

    「訪問する洞住民センター」、ともにする協約式&洞長リーダー教育

    日付 2015年5月12日 | 場所 ソウル市庁大会議室

    こんにちは。皆様、お会いできて嬉しいです。皆様の同僚、パク・ウォンスンと申します。「訪問する洞住民センター」、ともにする協約式と洞長リーダー教育にご出席いただきました総括建築家のスン・ヒョサンさんをはじめ、建築家の皆様ならびソンドン(城東)区長、ソンプク(城北)区長、トボン(道峰)区長、クムチョン(衿川)区長、そして79名の洞長に心より感謝申し上げます。本日、「訪問する洞住民センター」の第一歩となる協約式を行うことができ、大変嬉しく思っております。現在、ソウル市と保健福祉部が、普遍的な福祉のために様々な福祉サービスを行っているにもかからわず、2014年2月ソンパ(松坡)区で発生した母子3人無理心中事件をはじめ、同年10月チャンアン(長安)洞で一人暮らしの高齢者が自殺するなど、何ともやるせない事件が相次いでいます。

    無償教育及び基礎年金の全面拡大やソウル型基礎保障制度の施行などで福祉業務や福祉予算が急増し、洞住民センターに全ての福祉業務が集中したことで、洞住民センターの肝心な役割である福祉サービスが停滞しています。また、業務過重による福祉職業務員の相次ぐ自殺など、残念な事件もありました。

    福祉予算や福祉業務が急増していますが、これまでサービスが疎かになった理由は、社会福祉に係る人員が足りず、疎外された貧困家庭を訪問する、サービスを受ける側を中心とした福祉行政が行われなかったからです。そこでソウル市は、どうすれば疎外された隣人を見つけ出し、市民の日常の中で必要な福祉サービスを受けることができるか、どうすれば我々民族固有の分かち合い文化や地域共同体文化を回復させることができるかについて、長い間悩んできました。

    悩みに悩んだ末に見つけ出した答えは、非常に近いところにありました。それはまさに、常に住民の一番近いところで常に生活をともにしてきた洞住民センターとそこで働く人々が、この問題を解決できるカギであることに気付きました。これから洞住民センターは、単純な行政の空間を超え、住民との意思疎通を図りながら、より良い未来へ進むための希望と夢の場でなければなりません。

    そのため、「ともにある協約」の推進は国内の優秀な建築家らが集まり、住民コミュニティーと福祉中心の新しい洞住民センターのモデルを提示する、貴重なきっかけとなると思います。本日の協約を通じて今後、洞住民センターの設計に関連した全ての建築工事において、行政と建築家が相互尊重と信頼に基づき、協力していくことになると思います。

    訪問する洞住民センターの中核となるのは、まさに人です。その中でもこの事業の成否のカギをにぎるのは、まさにこの場にお集まりの1段階79名の洞長の皆様です。皆様は、我々職員のリーダーであり、洞を変えていく担い手です。洞長がまず変わらなければ、洞職員も変わりません。洞職員が変わらなければ、住民の生活も良くなるはずがありません。

    私は、自分自身に、また我々全員にもう一度問いたいです。我々は果たして住民の要望にきちんと応えているのか、前とは違う変化の道を歩んでいるのかと。たとえ短い教育時間であっても、一千万人のソウル市民の幸せを見つけるために大海原を航海する大きな船の船長になったつもりで、自ら答えを探してみる貴重なきっかけとなればと思います。

    行政の最前線で現場の声を聞き、走りまわりながら、直接政策を実施する洞長の皆様のご苦労はお察しいたします。住民に歓迎されることもあれば、非難されることもあるでしょう。また、住民の自宅に出向き心を開いてもらうことが容易でないということも、誰より私自身が良く知っています。苦しんでいる隣人を見つけたとしても、制度的に今すぐ助けることができない場合もあると思います。洞のために、希望通り動いてくれる住民が一人もいない場合もあると思います。

    それでも、洞長の皆様には協力していただきたいです。福祉対象者の把握はもちろん、町の民間資源をくまなく調査する地域調査員となり、民間福祉機関だけではなく、地域の郷友会や人の助けになりたいと思っている方々を、全員知っておいていただきたいです。福祉対象者と民間資源をつなぐことがこの事業の中核であり、また洞長の皆様にその役割を果たしていただく必要があるからです。

    スウェーデンやフィンランドのように、所得水準が高く福祉制度が行き届いている北欧型福祉と、我々の福祉とでは、基本的に置かれている現実が異なります。また、無償教育や授業料の半額化の場合、政治と経済論理がぶつかり合って我々社会の大きな争点となり、葛藤をもたらしました。(昨年、スウェーデンの1人当たりのGDPは、5万9,700ドルで、韓国の2万5,900ドルの2倍であり、韓国の福祉財政支出が2000年代以降急増したにもかかわらず、OECD加盟国に比べてまだ半分にも達していません)

    区長ならび洞長、そして建築家の皆様! 我々がともにつくっていく「訪問する洞住民センター」の目標は、住民一人ひとりのニーズに合った福祉を実現し、人と人でつながる最も安全かつきめ細かい福祉生態系を構築することです。

    私は、それがソウルの「最も偉大なインフラ」を整備することだと思います。偉大なことは、決して一人で成し遂げることはできません。お互いに協力し調和をなすときこそ、個々人の能力を合わせたときより、より大きな力を発揮することができます。

    ソウルをより豊かで美しくするためには、公共の力だけではなく、音楽家や詩人のような芸術家や様々な分野の学者、またこの場にお集まりの建築家の皆様のように、自分の分野に精通した専門家と市民の皆様の積極的な参加が必要です。ソウル市は今後、市民や行政、民間の専門家がともに協力し、ソウルをより安全かつきめ細かい福祉がしっかりと行き届く都市にしてまいります。

    愚問賢答という諺は、皆様ご存じでしょう。その一般的な意味とは異なり、ソウル市では「我々の問題は、現場にその答えがある」という意味で使われています。訪問する洞住民センターは、100を投資して1,000を得なければなりません。制度的な福祉は、100を投資して100を得ますが、「訪問する洞住民センター」はともに分かち合う隣人が一人二人増えていき、町と福祉生態系が整備されれば、100を投資して1,000、いや10,000を得ることもできます。

    我々が望む町共同体と福祉生態系の整備は、一人二人の福祉プランナーや町役場の職員が一人で頑張っても不可能です。町と福祉に対する洞長の理解と協力があってこそ、初めて実現することができます。洞長は地域住民の福祉と町の生態系を良く理解し、職員と住民を励まし、地域資源を調査し、その力を結集して組織化できる能力を持っていなければなりません。洞長の皆様、私もできる限り協力しますので、自信を持って取り組んでください。

    本日の協約式と教育は、新しい洞住民センターの基礎を固め、我々の決意と覚悟を新たにする重要な出発点になると思います。本日という日が、行政と民間がともに、そして現場で住民と十分な意思疎通を図り、信頼を築いていくきっかけとなればと思います。皆様が変われば、ソウルも変わります。ソウルが変われば、大韓民国が変わります。私は本日この場にお集まりいただきました区長ならび洞長、そして建築家の皆様の偉大な力を信じております。皆様、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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