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[2012] 市長挨拶

  • 持続可能な明日に向かうソウル市の転換 生命のUターン

  • [2012] 市長挨拶 SMG 1,542

    「2012 WBCSDソウル総会」昼食会特別演説

    月日:2012年10月31日 会場:ロッテホテルサファイアルーム

    「2012 WBCSDソウル総会」に参加された国内外のご来賓の皆さん、こんにちは。ソウル特別市長パク・ウォンスンです。

    世界の200を超す企業の最高経営者が持続可能な発展に向けたビジネスソリューションを議論する世界でも最高の権威を持つ、年次財界サミットがソウルで開催されることになり、大変嬉しく思います。世界の社会を革新する重要なパートナーとして、ここソウルを訪ねてくださった全ての方を心より歓迎いたします。

    今年6月、「リオ+20会議」では「私たちの望む未来」が最終声明として採択されました。これは私たち皆にもう一度機会が与えられたことを意味します。実際、1990年代に活発に議論された環境議題は21世紀に入り、様々な政治的、経済的議題に押され、議論を続けることができませんでした。そのため、過去20年間、地球環境は多くの領域において深刻な水準に悪化し、これは私たち人間だけでなく、地球上全ての生物の生存に深刻な脅威となりました。

    このような理由から、『怒れ!憤れ!』の著者ステファン・エセルは、彼の著書『参加するのだ』で新しい概念を示しました。彼によると、「持続可能な明日」も極めて人間中心の観点によるものであり、彼は私たちが手遅れになる前に、「果たして地球は存続可能なのか」という問題を基準に全ての政治懸案と経済政策を考え、各自の人生を設計すべきだと忠告しました。

    もちろん、彼の話に全面的に同意するかどうかは重要ではありません。私たちが真剣に共有すべき認識は、環境問題が私たちの持続可能な発展はもちろんのこと、私たちの生活を続ける上でも大きな脅威となっているという事実です。

    昨年の夏、地球の持続可能性を脅かす異常気候の現象がソウルを襲いました。1時間当たり113ミリという集中豪雨によりソウルのあちこちが浸水し、土砂崩れによって市民が被害を受けました。この異常気候の現象と悲劇の背後には、まさに私たち自身がいました。

    1千万人のソウル市民が消費するエネルギーの量は1700万TOEに達する一方で、ソウルの電力需要の自給率は2.8%に過ぎません。これはエネルギーの正義にも反し、エネルギー民主主義にもそぐわないことです。再生可能エネルギーの生産量もごくわずかです。エネルギー全体の1.5%に過ぎません。

    そこで、ソウル市はエネルギー転換都市に向かって巨大なUターンを開始しました。ソウルはもはやエネルギー消費都市でなく、持続可能なエネルギー自立都市に向かいます。

    そのような趣旨で、ソウルは今年4月、「原発一基削減プロジェクト」を発表しました。この政策は、韓国最大規模の原発で生産される電力量である200万TOEを減らすことを目標としています。そのためにエネルギーの節約はもちろん、エネルギー効率を上げて、ソウルの再生可能エネルギーの生産を増やし、ソウルの電力自給率を2014年までに8%、2020年に20%まで引き上げる計画です。

    このプロジェクトの成功は、市の努力だけでは実現できません。まず、今日参加された全ての方もソウルの成功のために知恵を出し合ってください。ソウルは私たち皆の「持続可能な発展」はもちろん、「存続可能な明日」のために最善を尽くします。

    ソウル市民も力を集めています。市民と市民社会団体、NGOはもちろん、様々な企業が多様でクリエーティブな方法で参加し、実現していっています。

    特に企業の参加がその中心にあります。費用の多くかかる再生可能エネルギーの分野において様々な企業が投資を約束し、また大規模施設のエネルギー効率を上げて省エネ活動に参加しています。ソウルではエネルギーガバナンスが胎動しています。

    1992年、企業の社会的責任という概念が導入された後に、多くの企業が環境経営を実践しました。しかし、今日の企業はこれを戦略的経営の必須要件として認識しています。

    これは国際的な現象です。環境保護や資源の開発など、一時は政府と公共部門が担当していた課題が今日では企業、特にグローバル企業の責任へと移行しています。企業の利潤追求と環境問題や気候変動への対応は、もはや相反するものではありません。企業はクリエーティブなアイディアで競争力とイメージを高め、社会と環境に貢献することができます。

    私たちはそのようにして、環境課題に積極的に対処し、差別化された競争力を確保して都市を改善した企業の事例を知っています。「ロンドン・アレイ洋上風力発電団地」は、企業の技術力を基に建設中の「発電グリッド設備」の代表的な事例であり、英国の48万世帯に再生可能エネルギーを供給できる見通しです。持続可能性とITサービスを統合してスマートシティをつくり、エネルギーの使用量・費用を減らして水管理システムを向上させた事例もあります。

    その他にも、開発途上国に安い太陽電池製品を提供するプロジェクトを通じてエネルギーアクセス権を改善した事例もあり、気候変動リスクを応用した保険商品とサービスを開発することで気候変動への適応を支援するなど、企業が環境的価値をもとに費用削減を実現すると同時に社会的・経済的価値を生み出す、宝石のような事例が私たちの周りにたくさんあります。

    企業の社会的責任と環境的責任が企業の利益目標と並行されることで、新しいビジネスモデルをつくり出しているのです。新しい概念の産業革命が進行中だと言えます。

    私は、今回の総会を通じ、このような先進的な事例が十分に共有され、ソウルのすばらしく能力の高い多くの企業に広がるよう願っています。

    今年10月19日、84カ国1200人の会員が参加する世界最大規模の環境機関であり地方政府の環境協力分野機関であるICLEIの東アジア本部が、ここソウルで正式に開所式を開催し、発足しました。これと併せて、ICLEI世界執行委員会(GexCom)と私が議長を務める気候変動世界市長協議会(WMCCC)合同会議を開催し、都市の行政運営に必要なエネルギーのうち、化石燃料と原子力エネルギーの使用量の低減を主な内容とする「2012ソウル地方政府エネルギー・気候宣言」を発表しました。

    これをきっかけに、ソウルは各国都市とのネットワークをより一層強固なものとし、企業、民間とのパートナーシップを通じてソウルの持続可能な発展政策を設計し、実行していきます。そのようにして、私たちは持続可能な、いや存続可能な明日のために、巨大な転換を準備しています。

    私は今回のWBCSDソウル総会において、持続可能な発展に向けた都市と企業間の革新的で新しい協業モデルが導き出されることを希望します。また、多くの企業の積極的な参加につながることを願います。そのようにして私たち皆の知恵が集まることを期待します。

    参加された全ての方に改めて深く感謝いたします。ありがとうございました。

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