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[2014] 市長挨拶

  • 愛される市民の足、 世界一の地下鉄運営機関を目指して!

  • [2014] 市長挨拶 SMG 921

    「ソウル市地下鉄の両公社統合宣言」記者説明会

    日付 2014年 12月10日 | 場所 ソウル市庁ブリフィングルーム

    ソウル市の革新方策である「ともに革新」第1弾は「青紗灯籠」で、「清廉性をもってロングランします」という信念と、その実践方策を提示いたしました。第2弾は「甲の脱皮」で、「色々な甲乙関係を清算して革新します」ということをお約束いたしました。そして第3弾の「市民の親友」には、「投資・出捐機関が市とともに革新し、市民の親友として生まれ変わります」という覚悟が込められています。第4弾である「人事亨通」は、「人事がうまく行けば、市民の全てがうまく行きます」という私たちの願いと意志を込めた、人事革新の方策でした。

    先月ここで、ソウル市の傘下機関、投資・出捐機関に対する革新案の発表で話したように、生活の中のサービスを提供する各機関の変化があってこそ、日常も変わることができる、市民の暮らしも改善できる、という確信からこの方策が準備されました。本日発表する「ともに革新」第5弾は、ソウル地下鉄の革新、名付けて「ともにした道」です。この40年間、市民とともに走ってきた道―これからは市民のために、ソウル市地下鉄の運営機関である「ソウルメトロ」と「ソウル特別市都市鉄道公社」が、一本道を歩んでいくという意味が込められています。

    皆様、鳶(トビ)にまつわる寓話をご存知でしょうか。革新を話そうとするときによくたとえられる寓話ですが、鳶は約40歳になると自らクチバシを折り、爪を剥がし、羽を抜いてしまうそうです。この苦痛を乗り越えた鳶は、丈夫な新しいクチバシと羽が生えてきて、70歳まで生きると言われます。ソウル市の地下鉄も今年で40年を迎えました。鳶が新しく生まれ変わるように、ソウル市地下鉄も「ともに革新、ともにした道」のもとで、一新していきたいと思います。毎日680万人の市民が、ソウル地下鉄1~8号線の270の乗機を利用しています。365日3,571本の電車が、300kmに至る線路を1日も休まずに走り続けています。

    ところでこの地下鉄は別々に運営されていて、1~4号線は「ソウルメトロ」が、5~8号線は「都市鉄道公社」が運営中です。このように各自の道を走ってきたため、その財政状況もかなり厳しいです。負債は4兆ウォンにまで膨らみ、無賃輸送は年々増加傾向にあります。同じ装備を別々に購入することによって、不要な支出も増えます。地下鉄運営機関の財政状況が厳しくなれば、もう安全・便利なサービスを提供することができなくなってきます。何より市民の安全のために、どのような形であれ変化が急がれています。

    安全は地下鉄の宿命ですが、古い施設を適時に変えて整備しなければ、事故は避けられません。時間が経過すればするほど、その規模はさらに増えてきます。約40年以上の古い施設を変えようとすると、計画された予算だけ計2兆ウォンを超えます。今年ソウルメトロ2号線のサンワンシムニ駅で発生した列車衝突事故のように、地下鉄事故の再発防止のためには、安全への投資は必須です。

    市民は地下鉄に不安だけでなく、不便を感じています。スユ駅で7号線に乗り換えしようとしたある市民は、4号線の電車が遅れたせいで終電を逃したそうです。列車ダイヤが統合管理できていないため、乗り換え時間を調節しにくいのです。乗り換え通路の改善も容易ではありません。今は運営機関がそれぞれ自社の乗り換え駅だけを管理していて、お身体の不自由な方々は、さらに苦しい思いをさせられています。このように長年にわたって続いてきた課題がたくさんあります。ソウル市の地下鉄は、今こそ革新が必要です。

    10年前、ソウルの道路の上に大きな変化がありました。中央バス専用車路とバスの運行管理システム、新しい路線体系が作られ、とてもバスに乗りやすくなりました。準公営制が導入され、首都圏の統合乗り換えができるようになり、バス会社運営の効率もかなり高くなりました。ところで、公共交通を利用する市民の半分以上は、地下鉄を利用しています。今度は次の10年に向けて、地下鉄が変化を成し遂げる番です。

    本日の地下鉄の統合革新を宣言するまで、多くの悩みがありました。去る7月から経営コンサルティング、会計、労働、交通分野の専門家らとT/Fチームを構成し、これまで数回に渡って議論をしてきました。特に、労使関係者たちの声に耳を傾けました。レーバーユニオンの全面的な同意なしに、この統合事業は絶対に進められることができませんでした。これまで各界の意見を十分に受け入れ、第一に、経営革新を通じてグローバル競争力を強化し、第二に、労使がともに参加する、参加型の労使関係モデルを確立すること。第三に、より安全な地下鉄の環境を作り、第四に、利用者の利便性を高めることと決めました。

    内では愛される市民の足、外では世界一の地下鉄運営機関になってまいります。「ともにした道」というソウル市地下鉄の統合革新案には、過去のものとは確実に違う基準と原則があります。今回の革新は、人為的な人員削減やリストラといった従来の統合方式ではありません。私たちはそのようなやり方はとりません。組織の業務革新を通じて、未来志向の組織を作ります。過去のように一方通行しないで、信頼を基に透明かつ合理的に進めていきます。市の運営機関と労使がともに参加する、開かれた組織を作ります。 数えきれないほどの悩みの日々がありました。多くの人が各々話しました。しかし、今や皆が同じことを言っています。ソウル市の地下鉄は変わらなければならないと…。そしてとうとうこの席で、これまで誰も踏み切ることができなかった両公社の統合推進を、皆様の前で宣言いたします。

    統合は短期的に香港の事例を参照する計画です。MTRとKCRは、政府主導で統合されましたが、ソウル市地下鉄の両公社が抱えている、収益増大・コスト削減の問題を一気に解決しました。売り上げの向上は料金の低減につながり、地下鉄の公共性はもっと高くなりました。さらに驚いたのは、商店賃貸のような乗客輸送でない部分で、売上のシナジー効果が大きくなったという点です。これからの統合革新を通じて、我々も十分に成功させることができると信じます。

    長期的には、首都圏の地下鉄、軽電鉄、バスなど、あらゆる手段を統合し、ソウル・インチョン(仁川)・キョンギ(京畿)の500万人の住民に、統合された公共交通サービスを提供する運営主体になってまいります。フランスのパリ交通公社は、公共交通機関のバス管理も一元化し、都市環境の社会的変化にも、いつも柔軟に対応していると聞きました。ソウル市地下鉄の統合革新が行われれば、ニューヨークのMTAや香港のMTRなど、世界的な都市鉄道運営機関と規模や技術の側面で劣らない、グローバル競争力の強化が期待できます。そのために、ソウル市はまず人員再編に乗り出します。経営支援や企画など、重複する業務を統合し、人手不足で困難を抱えていた安全やサービス分野に、増員しなくても効率的に職員を配置できるものと見られます。また、電車や線路整備に必要な大型装備も共同購入が可能になり、コスト削減効果が期待できます。

    ちなみに、変動があるかもしれませんが、グローバルコンサルティング会社であるマッキンゼー社は、約500億ウォンぐらいの削減効果があると予想しました。「ソウルメトロ」は、韓国内で最も歴史の長い地下鉄運営機関であり、「都市鉄道公社」は総延長162kmという国内最大規模の運営機関です。両公社の技術とノウハウが集約されたシナジー効果は、言うまでもなく抜群なものになるでしょう。両公社が統合されれば、ソウル市の地下鉄は総延長300kmになります。それはパリや香港のよりも長く、一日平均の利用客数も680万人と、東京やニューヨークの水準を超え、グローバルNo.1の地下鉄として生まれ変わります。

    また、今私たちの主力事業の一つである、海外都市の鉄道運営事業に参画する機会も増えると思います。公共交通機関の複合乗換ターミナルの建設や駅周辺開発など、社会的投資の機会も増えるでしょう。積極的な新事業開発を通じて、運送収益と付帯収益事業を基に、「自立型公営企業」の役割モデルになってまいります。

    ソウル市地下鉄は、これまで何度も労使紛争を経験したのですが、今回の統合の革新を通じて葛藤のない、労使がともに成長する新たな労使関係モデルを構築しようとしています。参加型の労使関係が広がれば、お互いに信じて透明な経営を実現し、労使間のトラブルを防ぐことができます。 現場と経営陣の距離が縮まり、充実した現状分析で投資の優先順位を決定できると見られます。

    そこで、韓国では初めて「労働理事制」と「経営協議会」を導入する計画です。「労働理事制」は、労働組合側から理事を推薦し、企業の理事会に派遣する制度であり、「経営協議会」は経営に関する主な事案を、労働組合と協議・決定する制度です。労働者を対象に経営に参加する機会を提供することで、労働者の責任と権利を同時に保障し、経営の透明性と相互信頼を高める装置と言えます。ドイツのフォルクスワーゲンとヴォルフスブルク市は、この「経営協議会」と「労働理事制」を通じて2000年代半ば、経営危機を突破して約10年間一回のストライキもなく、グローバル企業に成長しました。米国、フランス、ドイツやスウェーデンなど、海外の先進国ではすでに参加型労使関係を導入し、目に見える成果を上げています。今こそこのような労使関係の革新、新しいモデルの導入を通じて新しい地平を開く時です。ヨーロッパに超一流企業が多い理由は、まさにこうした労使関係にあるのではないでしょうか。参加型労使関係は公社だけではなく、一般企業にも模範になって、国内の労使文化を一歩前進させるきっかけになると思います。

    次に、安全とサービス分野が大幅に改善されます。去る5月、ソウルメトロ2号線のサンワンシムニ駅で発生した列車衝突事故の要因として、管制システムの問題が指摘されましたが、今は両公社が管制システムを別々に運営しています。それが統合されれば管制センターも一元化され、緊急事態が発生してもより迅速に、一括的かつ体系的な対応をとることができます。

    また、老朽施設の総合的な管理が期待できます。必ず欠かせない施設を対象に優先順位を付けて投資できるようになり、効率的な維持・補修が可能となります。さらに、両公社が別々に保有している技術を共有することにより、安全性も画期的に高めることができます。実際に「都市鉄道公社」は、電車に高性能カメラを搭載して軌道や構造物を映像で撮影し、異常区間を確認する「トンネルモニタリングシステム」を保有していますが、このような技術が統合管理されれば、安全分野において世界一のインフラが整えられると確信します。

    市民が体感するサービスの質も改善されます。1~4号線から5~8号線に乗り換えする時、これまでは市民たちが長い間待たなければなりませんでした。今後は1~8号線全体らに対する乗換距離や最終電時刻などを考慮した、総合的なダイヤ編成が可能になります。また、地下鉄の各線が段階的に建設され、これからは乗換駅全体の動線の再整備も、総合的に行うことができます。

    地下鉄駅からも列車内の市民をもっとたくさんお手伝いできる構造が作られます。組織再構造化で発生した人員は、再教育後市民の近くで良質のサービスを提供できるよう、安全・サービス関連部署に優先的に再配置する計画です。従来のように人為的な構造調整を行わず、中長期的な効率化が可能となります。

    統合後の新たなソウル市地下鉄の姿、皆様、どのように描かれますか。統合革新が行われれば、第一に、新たな経営システムと運営システムで、地下鉄システムが一段階進化することになります。第二に、不動産および駅周辺開発を通じて、積極的な収益モデルが作られます。第三に、海外都市の鉄道運営事業に進出できる力量が強化されます。第四に、恒常的な経営赤字に陥っている公営企業が、自立型の収益均衡を保つ、堅固な企業に生まれ変わります。第五に、民主的かつ無対立の「良い労使関係のグローバルNo.1公営企業」として様変わりする過程で、大きな役割を果たすものと期待されます。

    これから統合事業は、市議会・市民団体・各界の専門家が参加する、「革新推進委員会」を軸に進められます。労使政協議会を別に設け、労働組合の意見を十分に受け入れ、段階別にコンセンサスを形成しながら推進する予定です。来年6月頃には具体的な実行計画を作成し、年末まで法的な制度を整備します。そして2016年末の完了をめどに、統合に向けた段階を着実に進めていきます。さらに今回の統合事業を、改革を控えているソウル市16社の投資・出捐機関にとってイノベーションの基準になるよう、成功的に推進してまいります。

    一人では目の前を見て突き進むことだけでも精一杯です。ともに歩けば遠くまで見られ、より良い道を見つけることができます。今やっと統合宣言をしただけです。本日、その新しいスタートを切りました。労働組合も、経営陣も、ソウル市も、一丸となって「グローバルNo.1のソウル地下鉄」を作り、市民の安全とサービスにおいてもナンバーワンになるよう、しっかり走ってまいります。

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