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[2015] 市長挨拶

  • いきいきとした豊かな都市へと導く 都市再生 都市と行政を市民に返します!

  • [2015] 市長挨拶 SMG 785

    「ソウル駅7017プロジェクト」記者説明会

    日付 2015年1月29日 | 場所 ソウル市庁ブリーフィングルーム

    お会いできて嬉しいです。本日、私は全世界の都市で都市の富と健康、持続可能性に対する答えとして取り上げられている都市再生、その中でもソウル都市再生のスタートになる「ソウル駅7017プロジェクト」についてお伝えし、これをともに成し遂げていくために社会のより多くの分野、構成員たちと、より積極的なコミュニケーションを始めたことを、記者の皆様に申し上げたいと思います。

    私は今年の民選6期のソウル市長選挙で、ソウルの進むべき道は「都市再生」であると宣言しました。ソウル駅高架はソウル都市再生のシンボルであり、「車両の道」から「人の道」に、「ただ通り過ぎてしまう空間」から市民たちが「留まる空間」に生まれ変わらせることを、市民の皆様にお約束しました。

    本日この場で、これまでの議論の経過や現在の悩み、市民たちとともに描いていく未来を、具体的な内容とともに記者の皆様に申し上げたいと思います。皆様も一緒に作る「ソウル駅7017プロジェクト」に向けて、たくさんの助言をお願い申し上げます。

    私たちは、ソウル駅を中心とする地域活性化に対し、長く悩んできました。特に、ソウル駅高架に関する議論は、2006年から始まりました。45年間ソウル市民と栄辱をともにしたソウル駅高架は、急激に老朽化しました。

    2006年12月に安全性評価結果でDの判定を受けて撤去が決まり、2008年には北部の駅勢圏開発と連携して、代替橋梁の設置や撤去時期を決定したりもしました。しかし、2014年1月に床面のコンクリートが落下し、安全性に深刻な問題が提起されました。ソウル駅高架は寿命が尽きたのです。早期撤去を検討しながら、古くからの問いを再び投げかけました。撤去することだけが正解だろうか? 他の世界有名都市のように、都市再生を図ってみることはできないだろうか?

    これまで構造安全性やデザイン、事業効果分析などの専門家の検討結果を経て、再生が可能という判断を下しました。申し上げたように、ソウル駅高架リサイクル方案を、民選6期の公約に採択しました。これを市政運営4ヵ年計画に反映し、去る2014年9月都市再生の代表的な模範事例であるニューヨークのハイラインパークで、記者の皆様と市民の皆様を対象にソウル駅高架リサイクル方案を提示したことがあります。

    ソウル駅高架の活用案についての議論過程で、市民とマスコミがおっしゃった、特にナムデムン(南大門)市場の商人やチュンリム(中林)洞、フェヒョン(会賢)洞などの周辺地域住民たちの懸念について、よく理解しております。今まで一緒に案を講じるために、ナムデムン市場の商人及び周辺地域住民たちと面談し、市民討論会や専門家フォーラム、事業説明会、アイデア公募展を開催するなど、様々な努力を尽くしてきました。もちろん、困難もたくさんありました。専門家フォーラムが反対市民の強力な抗議で、白紙に戻されたりもしました。しかし、ソウル市は経験によって知っています。このような反対意見を、もっと大切に聞くことが必要であるということです。

    立場の異なる様々な意見を最後まで聞くことが、答えを見つける最も良い方法であることを知っています。そうして見つけた答えは、行政の効率性と持続性を保証することができるからです。関連区議員、区庁長、市会議員及び生計が直結しているナムデムン市場の商人や周辺地域住民たちと、地道に面談を重ねました。これからもその声に耳を傾けてまいります。

    今までコミュニケーションをとった結果をもとに、争点事項を導き出しました。多くの方がコミュニケーションの問題を提起され、交通や安全性の問題など、様々なことについて心配していらっしゃいました。その中でも、コミュニケーションの不足を、最も大きく指摘されました。コミュニケーションが不足しているという指摘と批判を謙虚に受け止め、皆様の声にさらに耳を傾けてまいります。例えば、新年の日の出イベントをチェ・チャンシクチュン(中)区庁長とともに行い、その日はトッククを食べた後、チュン区庁の他の方々と一緒に集中的に議論をしました。またお会いして報告し、相談に乗っていただきたいと思います。

    今後、さらに市民中心のコミュニケーションを強化させて頂きます。地域住民、市民、専門家、関連区庁がともに行う、開かれた意思決定システムの市民委員会を運営し、オーダーメイド型の代案を設けてまいります。特に、高架の再活用を考える市民社会・青年ネットワーク組織である「高架散歩団」は、ソウル駅高架の市民開放イベントとアイデア公募展を企画し、参加しました。また、近隣の建物主との協議を主導するなど、市民主導のコンテンツを生産して共有し、広げる中で重要な役割を果たすものと期待しています。また、高架フォーラムと高架レポート、高架パーティーでつながる有機的なプログラムを施行します。ソウル駅高架に対する市民の愛情や関心の度合いを高めるほど、もっとたくさんの話を聞かせてくれると信じています。市民主導型、市民参加型モデルを構築してまいります。ナムデムン市場、フェヒョン洞などに地域別の現場市長室を運営し、私が直接政策討論会や市民大討論会など各界各層の意見をまとめて、2015年5月に具体的な計画を再度発表します。専門家ともコミュニケーションをとります。国際建築設計コンペティションを通して、国内外の著名な専門家のアイデアを集めます。設計の具体化のための下絵として使用します。

    少し前にご覧いただいた国際建築設計コンペティションには、国内の著名な建築家や専門家たちが入っています。こんなに多くの方々がソウル駅高架について様々な意見を持っており、また一部では反対する方々がいらっしゃるのが事実です。それにも関わらず、なぜソウル駅高架が再活用されるべきなのか、それがソウルの中で、ソウル市民の生活でどんな意味を持っているのか、またどうやって生まれ変わるのかをお話ししようと思います。

    今、全世界の都市は都市再生と人中心の時代に移っています。全世界的に都市のパラダイムが変わってきており、メガシティからメタシティに変化しているのです。歴史的記憶のない美しさは、存在できないからです。

    ソウルは、開発から再生に転換しなければなりません。記憶の保存が必要な時です。単純なランドマークの建設から脱し、連携を通じた共有価値を実現すれば、さらに良い人生と都市の付加価値につながるでしょう。

    世界の多数の都市は老朽化したり、衰退した既存施設を撤去せずに再活用し、既存の物質中心の都市開発から脱して持続可能で人間のことを考える都市再生を追求しています。閉鎖された都市鉄道を公園として再活用したニューヨークハイラインパークは、周辺商圏を活性化させました。フランスのプロムナード・バイロンプロジェクトも、線路の3分の1を残して散策路にしました。地下の閉鎖空間を地下公園にしたニューヨークのロウラインパークもあります。まだ完成はしていませんが、ニューヨークの新しい観光名所として、人生の名所として誕生することが明らかです。閉鎖鉄道を船形公園として再生したフィラデルフィア・リーディングヴァイアダクトもあります。これだけではありません。車が速度を出すことのできる地域ではなく、歩行が活性化した地域になってこそ、経済的に発展できるというのが専門家たちの普遍的な意見です。

    英国のジュビリーウォークウェイは、ロンドンの主要なランドマークを連結して、ロンドンの主要観光地間を10~15分で徒歩移動ができるようにしました。日本の横浜の開港の道は、歴史的資源を歩行専用の散策路として活用し、観光資源化することに大きく貢献しました。都市、海、建物をすべて連結しました。こうした海外事例は、私たちにとって重要なヒントになり得ます。このような点を反映して、民選6期の政策を昨年発表しました。

    民選6期のソウル市は、プカンサン(北漢山)からチョンミョ(宗廟)やハンガン(漢江)を結ぶ道を完成させ、22の城郭村を再生する都市再生政策と、自動車中心から人中心の都市として変化する歩行友好都市政策を推進しています。ソウル駅高架は、この政策的な絵の一部分です。ソウルの関門であるソウル駅を中心に、周辺地域をするソウル型都市再生の大きな絵を描いていきます。ソウル駅高架が再生されれば、ソウル駅とナムデムン、ミョンドン(明洞)をはじめ、周辺の様々な文化空間とハニャン(漢陽)都城を実質的に連結する媒介になるでしょう。

    ソウル駅は、私たちの歴史文化財です。ソウル駅は、どんな思い出がある空間ですか? 1970年代の私たちのお姉さんとお兄さん、お父さんとお母さんが豊かに生きようとする熱望一つで、田舎からソウルに震える第一歩を踏み出した場所です。私も1973年の冬に、鞄一つ持って上京しました。1980年代は、市民たちの熱い民主化への熱望が溶岩のように噴出した空間です。韓国近現代史の核心的な場所であり、ソウルの関門でもある、ソウルという都市の近代性を象徴しています。

    しかし、結局は孤立されてしまいました。ヨーロッパの都市の駅は、あえて例を挙げなくてもいいほど都市の一部に溶け込んでおり、都市発達の歴史となりました。しかし、現在ソウル駅は島のように孤立しており、長い時間の力も、「1日の利用客39万人」という潜在力も、周辺地域に浸透していません。ソウル駅と周辺地域との通行の不便は、文化の断絶と地域の衰退をもたらしています。ソゲ(西界)洞からソウル駅を経てナムデムン市場までは3つの信号機、6回の横断歩道の利用などで最大25分かかります。ソウル駅による周辺地域の断絶は深刻な状況です。

    ミョンドン、スンニェムン(崇礼門)、ナムデムン市場、カトリック・ヤキョン(薬峴)教会、韓国銀行などのソウルの観光スポットは、ソウル駅によって断絶され、その相乗効果が発生していません。また、ソゲ洞地区単位計画、国立劇団の敷地計画、ソソムン歴史文化公園などの計画が、それぞれ個別的なレベルで推進されています。これからは変化が必要です。ソウルの関門としてソウル駅のアイデンティティを回復し、断絶された都市空間を統合して周辺から駅を含む統合再生の媒介体として転換が切実な時です。

    今後は、ソウル駅高架を周辺地域再生と復興の信号弾として活用しなければなりません。ソウル駅高架を通じて人々が集まり、その人々が留まって、その人々が活力にならなければなりません。そしてその活力が周辺に広がっていかなければなりません。1970年に作られたソウル駅高架は、2017年に都市再生という顔でまた生まれ変わります。産業化と民主化の象徴となる近代化の時間の中で、持続可能な未来のための道を開き、新たな時間を開きます。そして、その道は人の道になるでしょう。1970年代の通り過ぎてしまう自動車の道から、留まって存在する17本の人の道として生まれ変わります。ソウル駅高架は、どの都市の施設物より魅力的な高さと位置、展望を持っています。高さ17mのソウル駅高架は、ソウル駅一帯を高付加価値のエリアとして作る都市再生の触媒になるでしょう。

    この17本の人の道は、トェゲロ(退渓路)、ハンガンデロ(漢江大路)、ソウル駅広場、北部駅周辺、マンリ(万里)洞周辺の歴史・文化・ショッピングを連結する、新しい徒歩観光コースになります。これと連携してナムデムン市場の活性化、北部駅勢圏の活性化、チュンリム(中林)洞などの立ち遅れた地域の再生などを総合的に推進します。低迷しているナムデムン市場一帯への新たな活力を模索するため、ナムデムン市場総合発展方案を2016年までに策定します。ナムデムン市場を密かに訪れて隅々まで見たことがあります。このままなら時間の問題で、衰退は避けられない状況です。変化と再生が必要であり、活性化が必要です。衰退するナムデムン市場を再生して活性化します。トェゲロ周辺は、留まる人が増えて通過する自動車は減るでしょう。車線を調整してスペースを確保し、このスペースを観光バス駐車スペースと操業車両スペースとして活用します。そうなれば、ナムデムン市場の商人たちはかなり便利になるでしょう。

    ソウル駅高架のD級判定後になくなった、6つのバス路線を生かして、空港バスを新しく投入します。シティツアーバス経由など、公共交通機関を大幅に増やします。より多くの人がナムデムン市場に流れるようにします。立ち遅れた地域については地域別の土着産業を活性化し、地区単位計画、チュンリム洞清掃車庫地の移転などを積極的に支援し、ソウル駅一帯の総合発展計画も一緒に立ててまいります。

    チュンリム洞の清掃車庫地は美観上の問題があり、臭いのせいで地域からの苦情が多いです。この問題が完全になくなって、この地域が芸術活動の本拠地となれば、全く新しい姿に生まれ変わります。ソゲ洞もナムサン(南山)の展望が良いですが、今はとてもくたびれて老朽化しています。ソウル駅と関連してみると、新しい変化とコンセプトが必要な状況です。国立劇団の敷地があるのですが、交通の断絶などで光が当てられずにいます。これからはソウル駅高架による完全に新しい姿を探します。この地域で防災産業が再活性化されるよう、色々と工夫します。北部駅勢圏と関連し、ソウル市とコレイル、民間事業者が協力体系を構築して、都心圏マイス産業の拠点として育ててまいります。ヨンドン(嶺東)圏国際交流複合施設とともにマイス団地として育ててまいります。

    ソウル駅高架の再活用は、歩行人口の大幅な増加をもたらし、ソウル駅と週辺地域の連携性を拡大するでしょう。これを通じて建物とナムサンが連結して、周辺商圏も再跳躍する機会を迎えることになります。新たなソウルのグリーンベルトが構築されることを期待しています。

    2014年にソウル研究院と大韓国土都市計画学会が行った、妥当性調査の経済性分析結果は1.83で、発生する便益の方が生じる費用より大きいと分析されました。ソウル駅高架を利用すれば、ソゲ洞からナムデムン市場まで歩行環境が改善され、徒歩の移動時間が最大14分まで短縮されます。そうすると周辺地域の歩行人口が増え、ナムデムン市場、ミョンドン、マンリ(万里)洞文化観光特化通りなどは、売上増加が見込まれます。ナムサンとトクスグン(徳寿宮)、イヌァンサン(仁王山)、ヨンサン(龍山)公園など、グリーンベルトの効果も生じるでしょう。ソウル駅高架の利用車両の約60%が、単なる通過目的の車両です。ソウル駅高架の再活用によって予想される交通渋滞を予防するため、迂回経路の事前案内システムを設けます。近距離の迂回経路も作ります。チュンニム(中林)洞とヨムチョン(塩川)橋交差点を改善し、チルペロ(七牌路)車道を再分配するなど、都心の東・西方向の幹線軸を補強するようにします。また、北部駅勢圏と連結して鉄道横断橋梁を設置するなど、様々な交通対策を講じます。老朽化したソウル駅高架については、コンクリート地面を変えて柱を補修・補強し、安心できる高架として生まれ変わらせます。安全事故予防のための対策も検討します。

    ソウル駅高架の潜在力は無尽蔵です。ストリート公演場及びイベント会場、散歩スペース、雪ゾリ場、簡単な健康管理スペースなど、様々な空間として活用されるでしょう。市民の皆様と一緒に作ってまいります。市民の皆様にアイデアを募集したところ、すでに多くのアイデアが集まってきました。ソウル駅高架運営戦略の基本計画を、5月までに策定する予定です。引き続き共有してコミュニケーションをとってまいります。

    世界の都市は外形的成長だけを追求した開発時代から、富と健康、持続可能性に対する解答として都市再生を選択しています。今やこれは新たな発展の触発剤でもあります。その道を「ソウル駅7017プロジェクト」で始めます。都市と行政を人に戻します。それが私たちの新しい力となるのです。

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