ソウルの博覧会

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資料基準日:2017年1月2日
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国際連合の経済社会局による2014年世界都市化展望報告によると、現在、世界の人口の54%が都市に居住しており、2050年には先進国人口の86%、開発途上国人口の64%が都市に住むことになる。都市はすでに全世界的な問題であり、人類の幸福な生存をゆさぶる差し迫ったイシューであることを再確認できる内容である。また、先端通信技術時代とグローバル経済時代において、国は個人の幸福と安全を全的に保障できなくなった。最近広まっている世界経済の危機は、国が個人を保護するというよりもむしろ紛争の原因になっていたり、時には内部の権力争いによって国民の平安を脅かすこともあることを明らかにした。個人の力量には限界があるため、切実に連帯が必要である。この連帯の最終的な組織体こそがまさに普遍性を前提とする都市である。

都市の本来の価値は、イタロ·カルヴィーノが表現したように、「偉大な記念碑的建築にあるのではなく、街角、窓格子、階段の欄干、街路灯の柱や旗竿、そして壊れたり削られたりした多くの痕跡たち」にある。都市の真実は、私たちの日常的な風景に宿っている。このような言説の背景には、都市が匿名性を前提に形成された共同体であるという前提がある。互いに知らない人々が集まっては別れる都市の物理的な空間、即ち広場、公園、通り、建物の合間、そしてデジタル仮想空間の組織と構造は、都市共同体の成敗を分ける都市の本質である。ソウル都市建築ビエンナーレが追及する価値も、イメージよりも叙事、美学よりも倫理、完成よりも生成というより人文的かつ民主的な都市構造の構築に近い。

なぜ、ソウルビエンナーレなのか。ソウルは1000万人が住むメガシティであると同時に、悠久なる歴史を持つ歴史都市である。美しい山水のおかげで2000年前に韓国の首都となり、ユーラシア大陸の末端に位置する太平洋沿岸とその先をつなげる地理的要衝の地でもある。20世紀、日本の帝国主義による植民地支配及び戦争の惨状を経ながら焦土と化したソウルは、今や世界経済圏の先頭都市として成長している。だが同時に、西洋の資本と文化を無分別に取り入れたため、ソウルのアイデンティティが失われた状態で現代化という不慣れな包装に包まれたまま世界都市に編入してしまった。

しかし、失われることのない自然と歴史は、この都市を復元させる原動力である。都市は生命体と同じで、ソウルは潜在する固有性を取り戻す変化を重ねている。世界の東西イデオロギーの紛争によって分断した韓国が統一されれば、――多くの人々がその日は遠くないと言っている――ソウルは全く新しい局面に直面するだろう。

世界の都市が膨張を続けると、私たちは幸せになれるのだろうか。過去の都市膨張過程で発生した環境破壊、社会的不平等、都市犯罪などを見るに、未来に楽観的態度をとるのは難しい。そのため、もう一度問おう。健康な暮らしを続けるためには、どのような都市を築くべきか?都市の空間と組織、開発と再生、建築と技術、都市環境、都市経営と連帯などは、私たちの時代が再び問うべき重要な都市の議題である。歴史と伝統、経済と文化、政治と理念など、都市をつくり上げる全ての要素が混ざった都市、再び新しい姿を模索する都市、ここソウルでこのような緊迫する論議を始めたいと考える。

スン·ヒョサン(承孝相)
ソウル都市建築ビエンナーレ運営委員長

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ソウル都市建築ビエンナーレ(ソウルビエンナーレ)は、建築と都市を媒介に世界の都市の懸案と未来像に積極的に連携·参加する国際イベントである。ソウルビエンナーレは社会学、地理学、経済学などの学問とともに文学、公演、映画など芸術全般に至るまで広範囲な分野を包含させることで、現代の都市に対する深い論議を繰り広げる。また、大衆、専門家、芸術家、建築家、政策立案者などさまざまな分野の人々と活発に交流·協業して、革新的なデザインと政策的な代案を導き出すことを試みる。

テーマ 共有都市 Imminent Commons
総監督 ペ·ヒョンミン(裵炯敏)、アレハンドロ·ザエラ=ポロ
イベント開催日 2017年9月1日~11月5日
メイン展示場 トニムン(敦義門)博物館村、トンデムン(東大門)デザインプラザ(DDP)
現場プロジェクト ソウルの歴史と産業の現場 ‐ ウルチロ(乙支路)、セウン(世運)商店街、トンデムン(東大門)など
主催 ソウル市、ソウルデザイン財団

ペ·ヒョンミン(裵炯敏)、アレハンドロ·ザエラ=ポロ
2017ソウル都市建築ビエンナーレ共同総監督

ペ·ヒョンミン(裵炯敏) は建築士、批評家であり、かつキュレーターで、またソウル市立大学建築学部教授でもある。MITで建築史、理論、批評における博士号を取得した。フルブライト奨学金制度の支援学者に2度選抜され、ロードアイランド·スクール·オブ·デザインとワシントン大学で講義を行い、MITとロンドン·メトロポリタン大学の招聘教授を歴任した。代表的な著書は、『The Portfolio and the Diagram』、『感覚の断面――スン·ヒョサン(承孝相)の建築』、『韓国建築概念辞典』などである。2度にわたり(2008、2014)ヴェネツィア·ビエンナーレ韓国館のキュレーターを歴任し、本展示の作家としても参加(2012)した経験がある。また2014年にはヴェネツィア·ビエンナーレの最高栄誉である金獅子賞を受賞した。アジア文化殿堂の協力監督とクァンジュ(光州)デザインビエンナーレ主席キュレーター(2010‐2011)を経て、モクチョン建築アーカイブ委員長、未来ソウル諮問団、大統領直属のアジア文化中心都市造成委員として活動している。

アレハンドロ·ザエラ=ポロ アレハンドロ·ザエラ=ポロは、建築家であり、かつプリンストン大学建築学科教授でもある。建築作業を通して理論と実践の統合に努め、建築、都市デザイン、造園を統合するプロジェクトを披露した。ロッテルダムのOMAで勤務した後(1991‐1993)、1993年にエフ·オー·アーキテクツを、2011年にAZPMLを設立した。米国プリンストン大学建築学科学長(2012‐2014)、オランダ·ロッテルダム·ベルラーヘ·インスティテュート学長(2000‐2005)を歴任して、オランダ·デルフト工科大学でベルラーヘ教授を務めた。2010年から2011年まで、米国イェール大学建築大学院で初代ノーマン·フォスター研究教授を務め、コロンビア大学とUCLAで客員クリティックとして活動した。1993年から1999年まで英国ロンドンAAスクールのディプロマユニットを導いた。その他にも、現代建築理論家として『エル·クロキス』、『クァドランス』、『A+U』、『アーク+』、『ログ』、『AD』、『ハーバード·デザイン·マガジン』など多数の専門書籍に寄稿した。マドリッドETSで学士号、ハーバード大学で修士号を取得した。

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ペ・ヒョンミン(裵炯敏)、アレハンドロ・ザエラ=ポロ

ソウルを舞台に世界の都市が都市文明の現在と未来を照らし出す。みんなが呼吸する空気、飲み水、生活と生産のためのエネルギーと土地をどのように共有するのか。環境の危機と社会的不平等の中で所有と消費を超え、共有と生産における都市ビジョンを提示する。

世界の都市が重大な岐路に立たされている。未来を見通す健康な都市になるか、或いは環境破壊と不平等の現場へと転落するのか。近代以降の都市文明は、経済、社会、技術の革命をリードしながら地球の生態系と気候をも変えうる恐ろしい力を持つようになった。しかし、20世紀の都市の根拠となっていた大量生産、大量雇用、大量消費のサイクルは瓦解しつつあり、自然と人工、公共と私有の区分は次第に薄れてきている。住居、商業、工業、交通など、都市を人の単純機能に区分する用途地域地区制や伝統的な建築、街路、地域空間の役割が根本的に再検討されるべき時を迎えている。都市が資源、技術、政治の複合体であるならば、持続可能な都市の未来のためには、人間が支配者だという虚像を捨てなければならない。空気と水、植物と機械、情報と人が組み合わさった総体的な共有の秩序を築かなければならない。

10の共有

2017ソウル都市建築ビエンナーレは、10の共有様式を基に持続可能かつ正当な都市建築のパラダイムを模索する。共有都市をつくり上げることは遠い未来のことではなく、とても近い未来の挑戦である。同意しようとしまいと、都市は根本的に変化を遂げつつある。絶えず進化するテクノロジー、革新的なガバナンス、多様なコミュニティと都市空間を組み合わせ、都市、建築、デザイン、芸術、人文社会、工学分野の専門家と市民がともに開かれた場で共有都市の具体的な姿を提示する。近代都市の論理を超えて、共有都市の資源と様式を次のように提案する。

共有資源:何を共有するのか

空気、水、エネルギー、土地

共有様式:どのように共有するのか

分かち合う、つくる、動かす、つなぐ、感知する、再利用する

共有都市の現場、ソウル

ソウルは世界的な共有都市のテスト場である。2000年の長い屈曲の歴史を経ながらも生活、政治、そして建築が山と水の生態系と結ばれた共有の論理を持っている。変革期を迎えた今も、ソウルは未だ共有の空間、精神、方法論を備えた大都市である。2012年、ソウル市は開発主義政策を超えて共有都市のビジョンを宣布し、コミュニティに基づいた水平的なガバナンス、持続可能性、経済民主化政策を推進してきた。ソウルビエンナーレは、韓国内外の様々な組織とともに生産都市、食糧都市、スマート歩行都市をテーマに、共有都市をテストする現場プロジェクトを披露する。ビエンナーレの訪問客は、消極的な観覧にとどまらず多様な都市現場に参加することで、ソウルの場所と場所がつながった共有都市の星座を築き上げることだろう。