都市再生

A A
  • 生まれ変わる街(チャンドン(倉洞)・サンゲ(上渓)を新経済拠点に

    SMG 477
    • 文化中小企業300社、知識型R&D500社など新規事業体1千社以上が誕生する見通し
    • 巨大複合文化施設「ソウル・アリーナ」…韓国大衆音楽のメッカを目指す
    • 朝鮮半島統一を見据えたシベリア横断鉄道、連系駅舎として重要
    • KTXスソ(水西)~チャンドン~イジョンブ(議政府)の延長を検討…複合乗換センター設立で交通がよりスムーズに

    チャンドン(倉洞)・サンゲ(上渓)地区はソウルのほぼ中央に位置する。にもかかわらず、十分に機能を果たせないでいる。そこで、ソウル市は「2030ソウル都市基本計画」を策定し、この地区を広域中心地区に格上げし、ソウルだけでなく首都圏東北部の雇用と文化の中心地として育成する事業を推進中だ。

    この地区は、グローバル都市「ソウル」の中にありながら相対的に開発が立ち遅れており、新たな経済基盤を構築する必要がある。特に、KTX(Korea Train Express)の立地と開発可能用地38万平方メートルの活用の可能性が高く、この4年間にわたり、自発的な地域再生に向けた取り組みが行われてきた。今後は民間投資と入居企業の誘致に向けた都市再生事業が積極的に推進される予定だ。

    期待効果

    この地区が再開発されれば、地域発展を妨げる公共機関の大規模な移転適地を有効に活用することができ、チャンドン・サンゲ一帯を東北圏320万人の経済の中心地として育成することができる。また、断絶されていた地域がつながり、文化関連中小企業300社をはじめとする企業1千社と雇用4万個が生まれ、水辺公園と文化・便宜施設が備わる。まさにソウル東北圏の中心地に様変わりするのだ。

    事業の必要性と至急性

    チャンドン・サンゲ地区は、ソウルの中にあるにもかかわらず、住居以外の機能を果たせないでいる。特に、この地域は低所得層への住宅供給のための住居地として開発されたため、自足機能が不十分だ。つまり、成長に向けた経済発展がなされていない。また、車両基地や運転免許試験場、乗換駐車場など、約38万キロ平方メートルに及ぶ大規模施設は成長と地域発展の足かせとなっている。

    しかも、雇用と経済活力がソウル市の中で最低水準で、文化・生活インフラなども不足しており、多くの人が「住宅しかない街」「早く出ていきたい街」と認識している。その結果、この地域は衰退していく一方だった。

    さらに、事業に確信を持ってもらえず、民間投資と企業の参加を得られない状況だ。従って、都市再生への一歩を踏み出すには、膨大な時間と労力がかかる公共投資が求められる。

    事業の計画・日程

    ▶経済活力創出事業(立ち遅れた地域のイメージ刷新と再生事業を盛り上げる地域の設定)

    チャンドン駅勢圏スタートアップゾーン事業の第1弾として、ソウル型起業支援、文化体験、コミュニティ空間の構築が進められている。また、起業のための空間や制作工房、ギャラリー、スタジオ、市民型ワークホール、ラウンジなど、コンテナボックスを活用した51のスペースも設けられる。

    賃貸の産業空間だけでなく、起業文化発信空間、起業段階別支援施設、特化型産業支援施設、エコシステム造成施設も設置される。

    ▶文化・余暇インフラ整備事業

    地域のイメージと景観を阻害する高架の下部空間を都市再生のための空間として活用する。特に、大規模な文化・芸術施設を建設し、文化・芸術をテーマにした環境改善によって地域のイメージアップを図る。また、街路沿いに環境改善施設や中小規模の工房が建ち並ぶようにして文化・芸術の街を目指す。

    世界各国の料理をテーマにした通りと宿泊施設が建ち並ぶ通りをつなぐ文化名所化を推進する。

    南北統一を見据え、首都圏東北部の中心地を育成

    検討中のKTXスソ(水西)~チャンドン(倉洞)~ウィジョンブ(議政府)の延長(第3次国家鉄道網構築計画策定中)が決定すれば、対象地一帯は東北圏の広域交通の中心地となるだけでなく、南北統一後のシベリア横断鉄道の連携駅舎として重要な拠点となる可能性が高い。

    これまでチャンドン・サンゲ地区を東北圏の中心地として育成する様々な地域発展計画が策定されてきたが、事業は実現せず、地域住民をがっかりさせてきた。そこで、ソウル初の自発的地域発展協議機構「東北4区発展協議会」が構成され、住民・自治区間の協議会のみならず、ソウル市・自治区間の緊密な協力システムが機能している。都市再生協力支援センターも設立され、地域住民も巻き込んだ密着した再生事業が推進されており、期待が寄せられている。

    民間資本誘致に向けた継続的な取り組み

    ソウル市は、大規模複合文化施設「ソウル・アリーナ」の建設プロジェクトの実現に向け、2015年9月に民間投資事業説明会を開き、国内屈指の金融会社や建設会社、設計会社など30社余りの関係者約150人と協議した。今後は、中国や米国などの世界的な音楽公演企画会社、投資会社に出向いて説明し、投資を呼びかける計画だ。

    起業都市やアリーナ関連の文化産業を通じ、直接雇用約4万2千人と間接雇用を合わせ約8万人の雇用創出効果が見込まれている。これは、DMCなどの事例を踏まえて予想したものである。

    特に、音楽・公演・コンテンツ分野300カ所、知識型R&D分野500カ所、起業支援センターなど賃貸(事業)空間250カ所以上を確保することで、1千以上の新規事業体が生まれる見通しだ。従って、事業の成功のカギは民間資本誘致にかかっているといえる。

    地域活性化と生活満足度の向上

    KTX連携複合乗換センターが建設され、地下に東部幹線道路が敷かれ、敷地の内部と地域をつなぐ橋梁が設置されれば、途絶えていた南北・東西間がつながり、交通の流れが円滑になる見通しだ。また、公園と緑地が造られれば、実質的に地域住民の生活環境が改善され、文化・便宜施設が増え、住民が地域に誇りを感じるようになるだろう。

    首都圏東北部など周辺地域への産業・経済活力の波及

    全国で大学・人的資源が最も多く、周辺の人口は320万人に上るため、大きな波及効果が予想される。ソウルのみならず、首都圏東北部の地域幸福生活圏に経済活力が波及すれば、地域共生と均衡発展が実現する。

    経済的な収益性・妥当性

    立ち遅れた首都圏東北部を鉄道や河川など国の中核施設が集中する地域にすれば、事業効果は大きくなるはずである。総額500億ウォンを投じて複合公演施設などへの民間投資を最大約2兆3千億ウォンまで呼び込めば、この地域を経済的波及効果の大きな新経済拠点にすることができる。

    特に、断絶されていた地域がつながり、企業1千社と雇用4万個が創出されれば、期待以上の経済的波及効果が見込まれる。