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希望日記

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  • 「お金では買えない物」の大切さ
    [朴元淳の市政日記23]

  • SMG 1187
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        今朝、すごい方に会いました。かの有名なマイケル・サンデル教授です。ともに朝食を摂り、ソウル広場から市庁庁舎へと歩きながら会話を交わしました。途中で、ソウル広場の前でテントを張って暮らしている大学生や徳寿宮(トクスグン)前で抗議デモをしている双龍(サンリョン)自動車の解雇労働者に会いました。

        彼の著書『それをお金で買いますか-市場主義の限界』(韓国語題-お金では買えない物)は、韓国人のために書かれているのではないかと思うほどでした。それほど共感したのです。哲学書といえば、形而上学的なことについて論じるばかりで、抽象的で、非現実的であろうという先入観がありましたが、それが完全に崩れました。我々が直面している具体的で、かつ現実的な問題を表舞台に出して論争を誘導しているのです。彼の著書が韓国で数百万部も売れている理由はここにあります。

        それはまた、不正に対する怒り、正義への熱望がこの国に根強いからでもあります。韓国はこの本に書かれている「割り込み」が蔓延している国です。お金で買えない物はない国です。私も弁護士として働いたことがありますが、黒を白だと、白を黒だと言い張って、それが通るのがこの国です。金さえあれば何事も許される、という言葉がこの国では通用しています。

        サンデル教授はとくに、市場の機能に対する疑問について多く語りました。すべてが取引され、すべてがお金で交換できるとなれば、金持ちはさらに金持ちになり、他の社会的、かつ公的価値は崩れてしまいます。韓国社会は急激な経済成長に成功しましたが、浅薄な資本主義観、拝金主義、法治主義の崩壊、社会的信頼の低下など、深刻な副作用も経験しています。公正さや正義というものが見られなくなってしまいました。

        しかし、講義を聴くために雲集した聴衆と積極的に議論したマイケル・サンデル教授は、韓国社会は可能性があると高く評価しました。そうです、正義の通る社会になるためにはまだまだ遠い道のりですが、正義への熱望を持つ覚醒した市民が多いので、この社会にまだ希望はあります。ソウル市長として私も、大切な「お金では買えない物」を守り抜くため、最善を尽くしてまいります。