公共建築の革新

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資料基準日:2017年1月2日

ソウルの公共建築物の発注は「価格競争」から「デザイン競争」へと、切り替えていきます。

ソウルの公共建築物発注において、価格競争による入札を中止し、デザイン中心の設計公募へと切り替えます。ソウル市だけでなく、SH公社などソウル市傘下機関および25の自治区が発注する建築物も対象となります。これは、公共庁舎のような大規模な建物のみならず、地域の住民センター、図書館など、パブリックビルのデザインのレベルを引き上げるためです。

さらに、今後、公共建築物を建てる時は、事業の構成・企画の段階から市民や専門家の声を反映し、斬新なアイデアを持つ若手建築家が参加できるよう、設計公募の提出書類が大幅に簡素化し、審査過程を公開することにより透明性を確保します。また、建物を完成させるまで、設計者が持続的に参加できるよう、環境を整えます。

良い公共建築物は市民の矜持とQOLの向上に結び付き、公共建築のレベルの向上が都市競争力の強化と直結するという認識の下、 「建築聴策ワークショップ」の開催など、公共建築の専門家と約50回の議論を経て、「公共建築物発注制度の改善方案」を発表しました。今まで大規模の公共庁舎を中心にデザイン公募の方法で採択してきましたが、企画の段階から専門家の参加や実際の利用者となる市民からの意見を受け入れ、設計者が施工に参加するなど、一連の過程すべてを変えないと公共建築のレベルアップに結び付かないと判断し、企画から施工まですべてにわたる制度の改善方法を模索しました。

1. 企画の段階から建築家が参加<br />
2. デザイン中心の設計公募制度<br />
3. 工事まで設計者が参加<br />
文化・芸術のアイコンとなる 公共建築を実現<br />

文化・芸術のアイコンとなる公共建築を実現
  • 1.企画の段階から建築家が参加
  • 2.デザイン中心の設計公募制度
  • 3.工事まで設計者が参加
発注の約80%を占める価格入札を設計公募へと切り替える

今までは入札参加業者のうち、最も低い価格を提示した業者を採択する方法が中心となってきましたが、これからは設計の公募により空間の配置や審美性など、利便性と独創性を兼ね備えたデザインを審査・選定する方法へと変わります。

作品性より価格をもって業者を選んできましたので、能力と実力のない一部の設計により公共建築のレベル低下という結果をもたらしてきたのが現状です。

現状

ソウル市公共建築物の80%→ 価格入札

手続きが複雑な設計公募の方法ではなく、簡単な価格入札が好まれる

改善

価格入札を中止 → デザイン公募へ転換

ソウル市および自治区が発注した公共建築物に適用

必要な図面だけを提出するようにし、実力のある若手建築家による参加の機会を広げる

実力のある若手建築家の参加を誘導するためのもう一つの方法として、設計の公募の際、提出書類を簡素化します。つまり、配置図や平面図などの基本図面と設計説明書、スチロポームを利用したマスモデルなど、審査に必要な図面のみを提出させることによって費用を抑え、小規模の建築士事務所でも参加できるようにしました。 このような改善を通じて実力のある建築家による独創的なアイデアを実現すると同時に、ソウルの都市競争力も高まると期待します。


実力のある若手建築家の参加を保障します(提出書類の簡素化)

公募方法の改善
現状

期投資費用が高い

設計費の約10% / 透視図、鳥瞰図など高価なグラフィックデザイン / 構造、電気、機械、消防など多くの図面

改善

公募方法の改善

アイデアを表現したスケッチ, 簡単な模型および基本図面

グラフィック専門家により製作された高費用の 透視図および鳥瞰図

グラフィック専門家により製作された高費用の 透視図および鳥瞰図

シンプルな3Dプログラムにより設計事務所が簡単に作成した建物の外観

シンプルな3Dプログラムにより設計事務所が簡単に作成した建物の外観

設計の審査過程をインターネットで開示し、透明性を確保。設計者の作品を発表する場を提供

設計の公募の際、審査委員名簿を事前公開し、審査過程もインターネットで生中継するなど、審査の透明性を確保する計画です。また、設計者にとっては、自分の作品に関するコンセプトや計画の内容などについて説明できる場を提供します。 さらに、当選作については作品評、選定の理由などを公開することにより信頼できる審査環境を整えます。

企画の段階から利用者である住民・専門家・公務員が参加するガバナンスを構築

公共建築物の企画段階から、市民・専門家・公務員が参加するガバナンスを構築し、実際の利用者となる住民の需要を把握して設計に反映し、頻繁な設計変更による予算の浪費を事前に防ぐという計画です。 今までは、企画段階における住民の意見の反映や専門家の参加などがあまりなかったので、施設の規模や用途の変更など、頻繁な設計の変更が余儀なくされてきましたが、企画段階から敷地の選定、施設の規模、予算の適正性などについて綿密に検討することにより、住民に合った公共建築物をつくります。

「事後設計管理制度」を導入し、今まで施工に参加できなかった設計者の参加を保障

また、これからは「事後設計管理制度」を導入し、今まで施工に参加できなかった設計者の参加を保障する計画です。 事後設計管理制度とは、計画に対する変更、とくにデザインの設計変更がある場合、事前に設計者の諮問を受け、設計者が参加して設計の意図に合わせて施工の材料と色などについてもアドバイスする制度のことをいいます。

体系的、かつ総合的に管理する「総括建築家」制度を導入するための発注を進める

ソウル市は公共機関が発注するすべての公共建築物を体系的、かつ総合的に管理する「ソウル型総括建築家」制度を導入する方案を検討しています。海外の場合、国家建築家または総括建築家制度を運営することにより、素晴らしい建築物を造成することで都市競争力を高めています。さらに、総括建築家は責任と一貫性をもってソウル市が一年間発注する公共建築物の機能などが偏らないように調整・分配するなど、グランドデザインを描く役割を果たします。

  • 今までのように公共機関が主導してきた一方向の改善ではなく、数十回にわたって民間の専門家と市民、公務員が議論を重ねて作った改善案であり、この制度の運営が軌道に乗れば、その影響により我々の生活やソウルの姿も変わり、世界有数の都市と肩を並べることができるきっかけになるはずです。
  • 変化は始まったばかりです。 これから「公共建築物発注制度の改善方案」の運営が軌道に乗れば、ソウルの姿は大きく変わるでしょう。 まず、小さなスタートではありますが、絶えず補ってレベルアップさせ、公共建築物の主となる市民の夢が実現し、公共建築物の姿を発展させていくサイトになるよう、努めて参ります。