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  • ソウル市起業センター見直し計画

    SMG 1827
  • 2014年5月、ソウル市は「ソウル市起業センター見直し計画」を発表した。

    今、雇用なき成長への対策として起業が注目されているが、起業から5年後に残っている企業は10社中3社程度(29.6%)で、しかもすでに飽和状態にある卸売・小売や宿泊、飲食店など生計を立てるための起業がほとんどを占めている実情だ。

    「ソウル市起業センター見直し計画」は、これまでの起業希望者の量的選抜と一律的支援方式から脱皮し、成功する可能性の高い起業者を選別して集中的に支援し、アイデアの発掘から事後管理までの起業の全段階にわたる支援体制の構築を柱としている。一方、2014年7月に選抜される第6期若年起業プロジェクトからこれを本格的に導入する予定だ。

    第一に、これまでは1,300組の起業希望者を一括して選抜し、一律的に空間、コンサルタント、活動費の定額支給を支援してきたが、今年下半期からは起業の履行段階に応じて支援を行う。
    具体的には、一次として起業希望者3,000組を①会員制で随時募集し、「開放型・共用起業空間」や「教育・セミナー」などを提供し、その中で②成功する可能性の高い起業者500組を再び選定し、集中指導や若年起業資金との連携、スマートオフィス空間などを提供する。その後、③成果優秀者200チームを選抜して投資金としての資金と独立空間を支援し、高度できめ細やかな指導を行い、最後に④成功企業育成100組を選抜し、投資連携や販路開拓など起業した後まで責任を持って支援する。

    また、すでに飽和状態にある卸売・小売やサービスといった「生計を立てるための起業」よりも、成功可能性の高い「機会追求型起業」に力を入れる。機会追求型起業の業種は、▵ITやBT、NTといった技術型 ▵デザインやBS産業といった知識サービス型 ▵貴金属やハンドメイド靴といった都市型製造業 ▵社会的企業や協同組合といった社会的経済型業種などで、ソウル市はこの中から500組を選抜・支援する計画だ。

    第二に、起業者が望めば必要な支援を受けて起業できるよう、選抜方式を年に1度の一括選抜から定期・随時選抜方式に転換する。また、書類・面接審査に限られていた審査方式をコンテストや深層面接などに多様化させ、隠れた起業人材を発掘する計画だ。

    第三に、起業を望む人は誰でも起業できる垣根のない開放型起業空間と支援プログラムを提供する。ソウル市はこれまで起業センター入居企業の一部だけが使用できた開放型空間やテックショップなどを起業希望者なら誰も使用できるようにし、起業教育やコンサルタント、ネットワーキング・プログラムなども同時に支援する。

    また、留学生や韓国在住外国人の起業をサポートするために起業活動拠点を設け、起業アイデアの交換と起業専門家ネットーワーキングを支援し、民間の支援機関にコンサルタントを依頼して起業活動の力量を強化する計画だ。

    第四に、アイデア開発、事業化、空間、コンサルタントが中心の起業初期の支援方式を見直し、「投資誘致」や「流通・マーケティング」「海外進出」など起業の全過程にわたる支援体制を構築する。

    第五に、起業支援期間を現在の起業センター入居育成期間の1年を含めた3年から最大で6年に大幅に拡大し、卒業企業全体を対象に企業の成長に沿った生涯周期的支援を提供する。

    第六に、起業に失敗した人でもまた起業して成功できるよう、「認識の変化」と「成功する企業の育成」を支援する「七転び八起きプログラム」を実施する。再起支援対象は200組と、昨年の34組から大幅に拡大した。

    第七に、起業資金調達が容易に行われるよう、融資中心の資金支援から様々な投資機関や投資家らが若年起業センターに入居するなど投資システムを稼働させる計画だ。

    第八に、従来のオフライン中心の販路をオンラインなどにも拡大するとともに、マーケティング担当マネージャーを採用し、起業した企業の流通網の開拓とマーケティングの活性化をサポートする。現在、シンチョン(新村)とミョンドン(明洞)に立地する若年起業センターを卒業した企業の商品売場である「夢見る青年の店」の他にも、「Dキューブシティ」や「ミリネカゲ」といった流通会社大手を通じたセールスマーケティングなど、流通チャンネルの多様化を支援する。

    第九に、これまで個別的に運営されてきた起業センターの運営を転換し、民間の起業機関や大学などと緊密なネットワークを構築してシナジー効果を創出する。まず、民間の起業機関との連携による起業空間やプログラム、インフラの共有や選抜過程、育成連携などを相互支援し、大学の起業育成センターや大学内の研究所などが有する装備と実験室の利用協力などを推進する。

    最後に、官主導のセンター運営を入居者中心の自律的な運営に転換する。ソウル市は、入居者が中心となって入居者代表会議などを構成するよう誘導し、教育・講座・投資プログラムなどを自己運営する自治組織コミュニティを活性化させるなど、公式・非公式コミュニティを活性化させる計画だ。

    「アスピリンセンター」運営開始
    今回発表した起業支援に関する10の原則は、次世代の社会問題解決型ベンチャー起業センター「アスピリンセンター(ASPIRIN Center)」に試験的に導入される。
    「ASPIRIN」は、「Advanced Startup Program on Innovative Remedies for Illness of Next Society」のそれぞれの単語の頭文字で、次世代の苦痛を癒す革新的治療剤の開発に向けた先進化された起業プログラムを設けるという意味で、アスピリンのように現在社会的な問題と課題による苦痛を癒す鎮痛剤の役割を果たしてほしいという願いも込められている。

    アスピリンセンターには審査を通じて選抜された起業希望者及び起業初期の企業15組が2014年5月から入居し始め、エネルギーや環境といった将来の社会問題の解決を中心に「次世代問題解決型起業」を目指す。

      アスピリンセンター

    • 所在地: ノウォング(蘆原区)ドンイルロ174ギル27
    • 建物の規模: 2,546㎡(地下1階、地上3階)
    • 空間構成: 起業支援、開放型空間、育成空間

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