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  • ソウル市の「村共同体」、過去一年間の成果と課題

    SMG 1910
  •     ソウル市は過去一年間の「村共同体事業」を振り返り、戦略と方向を定期的に点検するための、村共同体の事例発表および市民討論会を開催した。ここには朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長と村共同体の専門家、一般市民など約200人が出席した。

        第1部では、7か所の村共同体の事例に関する討論・展示・公演などの様々な形式で発表を行い、「行動に移しやすく小規模で楽しい」村共同体事業にするため、誰でも参加できることをアピールする様々な見る物と楽しむ物を提供した。

        □ 主婦劇団「虹のママ」は、江北区(カンブクグ)に位置する保育園のママたちが作ったアマチュア劇団である。育児の相談から始まり、子供と保護者たちがいっしょに共同体活動を行うようになった。手作りの小物を利用した『ばあちゃんの鏡』などの創作劇を通じて、地元の保育園を巡回して公演し、プロの劇団顔負けの実力を発揮した。

        □「昌信洞(チャンシンドン)ラジオ・ドム」は縫製工場が密集している地域の特徴を活かし、数人の地域住民が行っているラジオ放送である。『トト』、『いっしょに行けば』、『東大門の彼女』、『女王様』などを通じて、話し上手な中年の女性たちがラジオ放送を通じて地域住民と新しいネットワークを作り出している。このラジオ放送は、「子供」や「家庭」のために尽くす主婦という点だけではなく、女性の自分探しのための村共同体活動という点に注目している。

        □ 住居環境管理事業の対象地域として指定された三仙洞(サムソンドン)1街一帯の老朽化した家屋の修理から始まったまち工場の「まちの大工」は、長寿まちの活性化の引き金となった。家屋の修理事業と連携した工房の運営を通じて、シニア世代の雇用創出、まちのカフェを中心としたネットワークの回復に多大に貢献している。当日の舞台で製作した椅子を、今後、必要とする家庭に寄贈する予定である。

        □ 商店街における青年たちの文化を「まち」に取り入れた「イェチャンギル(礼讃道)」は、20代の青年たちが主軸となって地域の商人や若い芸術家、住民がともに地域学校、文化公演、お祭りなど様々な活動に取り組んでいる。イベント当日は、青年たちによるまちの話を演劇で披露し、青年たちにとって地域社会が、「まち」が、どのような意味を持つのかについて物語る。

        □ ブックカフェ「本を読むまち」は、「まち活動家」ではなく「主婦」たちがボランティアで運営するカフェである。今年始められ、まだそれほど認知度は高くないが、カフェ運営の他にも講座やお祭りなど様々な活動を行うまちのコミュニティ空間として位置づけられている。今回はブックカフェ運営の方向や自生力などについて、お茶を囲んで話し合う時間が設けられた。

        □ 陽川区(ヤンチョング)新亭洞(シンジョンドン)の「イッペンハウス」は、マンションの騒音トラブルなど同じマンションに住む人々とのコミュニケーションの不足が社会問題化しつつあるこの頃、村共同体が進むべき方向について示唆している。最近行われた「ペットボトルの鉢植えの配布」は、子供たちがペットボトルをリサイクルして作った鉢植えを、下の階の人にプレゼントする活動を通じて、温かいまちづくりに成功したという点で注目を集めた。ソウル市民の58%はマンションで暮らしているが、今だからこそマンションでの村共同体活動について深く考える必要がある。

        □ 塩里洞(ヨムニドン)「塩の道(ソグムギル)」は、路地裏を歩くことさえ勇気の要る現代社会の問題にデザインの考え方を取り入れる「犯罪予防デザインプロジェクト」を立ち上げ、路地裏の環境を快適に改善することにより、まちの安全性を回復した事例である。単なる環境というハードウェアの改善ではなく、「ソグム・ガーディアンの家」など地域住民のコミュニティを通じて安全なまちづくりを進めている。

        第2部市民討論会では過去一年間の村共同体事業を振り返り、これからの進むべき方向を定めるため、村共同体委員会の委員、まちの活動家、市議会の議員など村共同体の専門家のパネリスト5人による熱い討論が開かれた。また、一般市民、市民団体、ソウル市の関係者約200人による討論も行われた。

        ソウル市は忘れられがちな人間の価値や信頼関係を回復するために、2012年から「村共同体の回復」を重点施策に定め、推進している。今年は22の事業に222億ウォンを支援するなど、多方面にわたって努めている。