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プレスリリース

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  • ソウル市、韓国自治体初の「労働政策基本計画」を樹立

  • SMG 1446

    □ 「労働」が尊重されるソウル市づくりに向けた変化が始まる。ソウル市は5ヵ年の「ソウル市労働政策基本計画」を樹立・施行すると明らかにした。これは、地方政府レベルで「労働行政」の概念を取り入れ樹立した韓国自治体としては初めての試みで、勤労監督権・労使紛争調整権がないなど自治体の極めて限られた権限・条件などを考慮し、選択と集中を通じて「ソウル型労働政策モデル」を構築するというのがその特徴だ。

    ○ 同計画は、「労働を尊ぶ特別市ソウル」のビジョンの下、「労働者権益の保護」と「使用者の模範的な役割の確立」という2大政策目標と61の細部課題で構成される。

    □ 今回の計画は、様々な当事者間の利害関係が密にかかわり合うという労働政策の特性を考慮し、労使民政が2年半もの長期間に渡って共に取り組み、得られた結果だ。

    ○ 民主労総・韓国労総の2大労総、女性・青年など各界を代表する労働団体および使用者団体の声を反映させ、市議会・学会・研究機関・中央政府(ソウル地方雇用労働庁)からの意見収集を行ったほか、労働問題の専門家による諮問タスクフォースの運営(8回)、労働団体など現場からの意見収集(15回)、政策討論会、「勤労者権益保護委員会」および専門家懇談会の開催など絶えず誠実な意思疎通を図ってきた。

    <①労働問題の根本原因の解決に向けた一歩として「労働教育・相談」に市政の力量を集中>

    □ ソウル市の最初の試みは、労働問題において最も基本的で不可欠な「労働教育・相談事業」だ。

    ○ まず、ソウル市傘下の教育機関である「人材開発院」に労働教育課程を新設するなど一般公務員向けの労働教育を大幅に強化し(今後5年間で6,700人の見込み)、一般市民や事業所を直接訪ねる「希望労働アカデミー」を通じて現場中心型の労働教育(今後5年間で約11万9千人の見込み)を実施する。

    ○ 労働3権の紹介など基礎的レベルに留まっている現在の中学・高校の教科課程における労働教育を、充実した事例別の内容や肌で感じる実習型方式に改善する方策と、卒業後すぐに就労する「特性化高校」の生徒を対象に労働権利および関係法令に関する詳細な教育を義務的に行う方策を教育部に提案する。

    ○ また、労働現場で起こりうる労働権利の侵害や不当労働行為などの問題を類型別にQ&A方式でまとめた「ソウル労働権利章典(仮称)」のブックレットを発行するほか、モバイルアプリやSNSを通じてアクセシビリティーを確保し、毎年新たな事例や法令の改正事項などをアップデートする。

    ○ 労働教育・相談事業も大幅に拡大。青少年・女性・高齢者など弱者層の教育・相談(5年間で約2万人の見込み)を実施し、今年2月にオープンした「ソウル労働権益センター」および既存の4自治区の労働福祉センター(5年間で2万5千人の見込み)、「市民名誉オンブズマン制度」(5年間で1万3千人の見込み)を通じた相談もさらに拡大して運営する。また、青年インターンシップなどの就労者教育や事業主向け教育(5年間で2万6千人の見込み)も実施する。

    <②女性・青少年・感情労働者・特殊雇用形態労働者など弱者層向け対策の構築に重点>

    □ ソウル市は、サービス業の割合が71%(全国平均56%)と他地域に比べ高く、零細企業(5人未満)が全体の81%を占めているため、女性・青少年・感情労働者などの弱者層が多いだけでなく、最近宅配サービス・運転代行など特殊雇用職従事者が急増しており、同市はこうした労働者を配慮する対策づくりに重点を置いた。

    ○ まず、介護従事者・訪問販売員・保険設計士など仕事の性質上訪問・移動が必要な女性労働者が移動の合間に利用できる休憩所を2019年まで現在の8ヵ所から25ヵ所へと拡大する。また、「アルバイト青(少)年権利保護センター」(5ヵ所)を通じて青少年の権利保護を図り、青少年が理解しやすいよう作成された「青少年労働権利手帳」も毎年改定発行する(5年間で19万部の見込み)。

    ○ 一方、感情労働を伴うサービス業の過重な精神的ストレスを解消するため、「感情労働者の人権保護に向けた企業MOUの締結」を2019年まで現在の9社から59社に拡大する。

    ○ また、運転代行など特殊雇用職従事者の労働環境を改善するため、「24時間オープンの休憩室」を試験的に運営(1ヵ所)したあと拡大するほか、セーフティーネット構築を目指す社会保険適用策などを中央政府に提案する予定だ。障がい者のリハビリや職業教育の強化に向け、職業リハビリ施設の職員を2019年まで90人以上増員し、施設改善事業(253ヵ所対象)を実施する。

    <③雇用安定・適正賃金・労働時間など5大労働懸案に関し、模範的使用者モデルを試験導入>

    □ ソウル市は、雇用の安定・適正賃金・労働時間・労使協力・職場のハラスメントなど5大労働懸案に関して、模範的な使用者の役割を果たすための先導的モデルを開発し、試験導入を経たのち、民間での拡散を促す計画だ。

    ○ まず、今年4月まで5,625人の非正規職を正規職に転換し、引き続き2017年まで1,697人を正規職に転換することで、総計7,322人を正規職化する。これを通じ、定年退職を保障することで雇用安定や処遇改善、職に対するプライドの向上を図る計画だ。

    ○ また、ソウル地域の高い物価水準、住宅費、私教育費などを考慮し、労働者の適正賃金を保障するため、全国の広域自治体としては初めて「ソウル型生活賃金制」を2015年から本格的に導入したソウル市は、市や投資機関・出捐機関の直接雇用労働者420人に優先的にこれを適用したほか、標準マニュアルを作成し、25の自治区にソウル型生活賃金制の導入をすでに勧告している。さらに今後公共契約および民間分野への拡散も推進する予定だ。

    ○ それとともに労使が互いに尊重し合う文化を拡散させるため、昨年11月ソウル市が発表した投資機関・出捐機関の革新方策に盛り込まれている「参加型労使関係モデル」の具体的な適用策に関する研究を今年中に実施する予定で、試験導入後の成果を見てから拡散の可否を慎重に検討する計画だ。

    ○ さらにソウル市は、家族と一緒に夕食時間を過ごせるようにするなど、労働者の暮らしの質を向上させるための「ソウル型労働時間短縮モデル」の開発にも取り掛かり、公共部門の試験導入機関を選定して適用したあと、その成果によって拡大の可否を検討する方針だ。

    ○ 加えて、最近社会的に話題になっている職場のハラスメントの予防策を講じた同市は、通報ホットライン(経済振興本部長直通:02-2133-7878)を開設・運営中で、職場のハラスメントの予防教育を実施するとともに悩み相談窓口も設置する。

    <④市民の命に直結する労働安全問題にも関心、中央政府とともに改善方策づくりへgt;

    □ 一方で、工事現場の安全など労働安全問題は、市民の命に直接関わる上、労働政策においても非常に重要であることを考慮し、ソウル市は本格的に労働安全問題に関心を持ち、様々な改善策づくりに取り組む。

    ○ まず、ソウル市が発注する工事の現場労働者および管理者を対象に専門心理カウンセラーによる心理相談を行い、2019年まで9,000人の心理相談を推進することで、事故を未然に防止し、危険発生を最小限に留める。

    ○ ソウル市は建設現場で働く外国人労働者が言語や生活環境に適応しにくい現実を考慮し、2019年まで総計1,850人を対象に「デリバリー安全教育」を実施する。

    ○ また、「清掃勤労環境施設ガイドライン」を作成し、2019年まで約400ヵ所の清掃労働者のシャワー施設や休憩施設など施設面での改善を図り、安全な労働環境を造成する。

    ○ 現在、産業災害補償保険法上、労災保険の適用から除外されている小規模・小額工事の労働者(工事代金2千万ウォン未満など)も、その適用対象に含む内容の法令改正を提案するなど、中央政府とともに持続的に労働安全改善策を推進する予定だ。

    <⑤実質的な労使民生協力体系の構築および行政基盤づくり>

    □ 最後にソウル市は、今回発表する労働政策基本計画の実行力を確保するとともに、持続的な修正・補完・発展を図るための制度的基盤づくりにも取り組む。

    ○ まず、現在2大労総、女性・青少年労働団体の代表・使用者・ソウル市議員・学界・専門家・ソウル地方雇用労働庁などが参加し、実質的な労使民生協議会として機能している「勤労者権益保護委員会」の開催を定例化することで、本計画を定期的に点検・評価し、これを基に本計画の修正・補完・発展を図る。

    ○ また、労働権益センターおよび4自治区の労働福祉センター間の有機的協力体制を構築し、労働分野トップレベルの専門家からなる「ソウル労働フォーラム(仮称)」(毎年4月開催予定)を通じてソウル市の労働政策の在り方を定める。

    ○ 同時に、ソウル市区庁長協議会、副区庁長会議などに労働案件を随時上程し議論を行うなど、ソウル市と25自治区間の相互協力体系を構築し、中央政府(ソウル地方雇用労働庁)との定例会議(月1回)を通じて労働懸案の事案別協力体制を維持するほか、ソウル市教育庁とも専門講師プール(公認労務士)の交流などを通じて体系的な青少年労働人権教育を推進するなど、有関機関とのネットワークを大幅に強化する。

    ○ 最後に、本計画の実務を担当する労働行政組織も補強する。まず、ソウル市と労使間で労働政策の調整をスムーズに行うための「労働特別補佐官(特補)」を、近いうち任命する予定で、中央政府(行政自治部)との協力の下、労働専担部署である「雇用労働局」の設置を推進するとともに、自治区にもチーム規模以上の労働業務専担部署の新設を勧告する方針だ。